単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORN名曲レビュー 「ワタボウシ」

今回レビューする曲は、アルバム「心臓オーケストラ」のオープニングナンバーである「ワタボウシ」です。


この寒い季節にしみじみ染みてくる曲です。


【ワタボウシ】

冬の厳しい寒さの中に立っていると、つい内省的になってしまう事があります。
この曲はそんな瞬間を切り取った曲のような。
内省的な感情と冬の風景が折り重なって描かれています。


雪国で生まれたわけじゃないけれども、どこか懐かしいような。
その風景が、テレビや小説などを通して形成されてきた、日本人が原風景として心に抱いている風景に近いからでしょうか。


演奏は無駄を削ぎ落としたシンプルなサウンド
残響するギター音からはじまり、ゆっくりと音数を増やしながら音の空間が広がっていきます。
一方で、リズム隊はガッチリとメロディーを固めています。

そのシンプルさは、この素晴らしいメロディーを聞かせるためにって感じで。
こんな素晴らしいメロディーが軸になっている曲なら、こねくり回すようなアレンジはいらないんですよね。
ただそのメロディーにバンドサウンドをのっけるだけで充分というか、それだけでも歌が伝わるというか。
等身大のTHE BACK HORNって感じで。


この曲はメロディーも文句なしに良いのですが、歌詞の言葉選びのセンスがより光る気がします。

「夜の太陽 孤独の指揮者」
「夜の雪は無音の中で歌うコーラス隊」

メロディーの中から歌詞がしんしんと降ってきて、その一つ一つが輝いているような感じ。
一つのフレーズごとにTHE BACK HORNのセンスが凝縮して込められている感じがします。

歌詞だけでも、存分に風景をイメージできて。それに極上のメロディーでのっかって。
THE BACK HORNの感性が光るすばらしい曲になっています。


この季節には本当によく合うなぁ。