待ちに待っていた新曲オブザディーパーズが突如やってきた。
12月11日にCOATAR OF THE DEEPERSの新曲『HALF LIFE』がリリースされ、それからひたすら聴いている。前情報があり、8か月間ミックスした、NO THANK YOU以来のカッケー曲、初期メンバーでのレコーディングと、その段階で期待値が高まっていた。
いざ聴いてみても、やはりいい。なにがいいって、音がいいのだ。
COATAR OF THE DEEPERSが追求してきた音の快楽が詰め込まれている。疾走感があり、耽美なメロディーがあり、そして浮遊感がある。メタリックな音像がベースになっている一方で、ざらざらとしたローファイの手ざわりすらある。
サウンドそのものは『Yukari Telepath』以降のエレクトロニカ・シューゲイザー路線っぽいが、サビの掛け声やハンドクラップは『THE VISITORS FROM DEEPSPACE』のフィジカル感っぽさもある。
ではギターはどうなのかといえば、これまたよくて、メロウなフィードバックノイズを基調とし、そのうえで、リフやサビの絶妙なギターフレーズがツボを突いてくる。フィードバックノイズの中にこれらのダイナミズムがある。そして『SUBMERGE』のような音階を駆けあがるギターソロは最高ときている。隙がない。
そういった要素が渾然一体となって、COALTAR OF THE DEEPERSならではの音の魅力が凝集されている。
でかい音で聞けば聞くほど気持ちい音を味わえるときているから、もう俺はCOATAR OF THE DEEPERSの曲が好きなんだよとあらためて書きたい。陶酔感、浮遊感、疾走感。これらはCOTDの三種の神器と思っていて、最新の『HALF LIFE』でもしっかり継承されているから嬉しくなる。
ほんと、いい音が詰まっている。
『HALF LIFE』はそれでプツっとあっさりと閉じる。そのせいか何度も名残り惜しくなってリピートしてしまう。
氏のツイートを見ると、この曲には追憶の意が込められているようで、正直何と歌っているかは分からないけれど、たしかに物悲しさが根底にあるような気がする。そのうえで、サビの掛け声を聴きなおせば、これがまた決別の表現とも受け取られる。轟音かつ大音量でのお別れというのも、それはそれはいいものではないかと感じた。
前に「coaltar of the deepersっぽいvocaloid曲を集めてみました」という記事でも書いたが、俺はCOALTAR OF THE DEEPERSが新作をリリースしなくなってからはそれっぽい曲を探し求めているのだが(つっても代替品というわけではなく、そういう曲が好みになるケースが多いからだが)、やっぱりCOALTAR OF THE DEEPERSが一番COALTAR OF THE DEEPERSっぽい。当たり前のことだが。
やっぱりこの音、このサウンドがいいのさ。一人で聞き入ってもいいし、ライブで拳をあげたくもなるし、とにかく心地いいんだ。だからもう一回聞きたいでずっと聞いてしまうんだよな。ここ数日はこのサウンドの居心地がよすぎて抜けだせない。