単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

んぐるわ会報/高尾じんぐ


 生徒会長がちっちゃくてかわいい漫画。古本市場で全巻100円で売っていたので購入しました。全四巻です。
 
 「それでもあたしは やっぱり生徒会に入ってよかったって そう思うんです」


 読んで面白かったので感想を書きます。
 
 んぐるわ会報という、「漫画の題名だけでしりとりしようぜ!」の際には、最終兵器になりそうな変わった題名のマンガです。タイトルのゆったりたしてそうな雰囲気同様に、男一人女四人からなる生徒会がひたすらのほほんと青春してます。羨ましいです。

 この漫画には「生徒会ドキュメンタリー」というキャッチフレーズが付いているようで。とても的確なネーミングだと思いました。生徒会室を拠点としてキャラクターがあーだこーだしているのではなく、あくまで生徒会の活動を中心にキャラクター像などをじっくりと描いている作品です。実際にありそうな現実の風景をそのまま切り取ったような感じです。放送規制されるレベルの下ネタが生徒会長の口から飛びだしたり、生徒会の一存で校内放送がジャックされたりするような劇的な出来事は起こりません。

 まーそういった現実的だからこそ、素朴で地に着いた面白さがあるのが、んぐるわ会報です。ゆったりと安心して楽しめましたね。といっても、現実で考えるとモラル的にアウトだったり、漫画ならではの展開だったりするシーンもあります。そういう意味ではやっぱり漫画ならではの生徒会なのでしょう。



 これは西京さんが んぐるわ会報 4巻(最終巻) の記事にて書いていたグレイゾーンの感覚。 

普通の女子高生、普通の生徒会、普通の日常、普通の温度間。
当たり前の毎日を当たり前に過ごしてる感じとか、
それぞれの生活感が如実に垣間見れる感じとか。
そういう素朴な空気感が大好きだったんですけれど、だけど漫画でしか!ってネタもあって。
そのバランスの取り方が凄い好きだったというか
グレイゾーン好きの自分にとってはすっごく楽しく読める漫画だったっていうか。

 こういった現実の青春、漫画ならではの青春の絶妙なバランスがやはり楽しかったです。個人的にはですが、この作品の魅力は上の言葉(西京さんの)に尽きるのではないでしょうか。これを作品の温度と表現してもいいかもしれません。生温かいです。

 

 あー、作品の魅力はこれだけでなかったです。この漫画は生徒会長がとってもかわいいんですよね。(爆)
 生徒会長はちっちゃくて自由奔放で無表情でおばかさんでとっても優しいかわいいキャラクターです。そういうことなので、生徒会唯一の男性であるキャラクターはもちろん会長に恋をしています。必然的な流れではないのでしょうか。いや、里見という普通にかわいいキャラクターもかわいいので、必然という言葉には語弊がありました。
 
 生徒会長→かいちょー。と表記を変更。 
 
 じつは私、最初かいちょーのことがあまり好きではありませんでした。作者が意図的にそうしたのだと思いますが、序盤はかいちょーのダメダメ(無表情で自由奔放)な側面が目立つエピソードばかりでした。後輩をこきつかったり、やるべきことを怠けたり、なんといっても無表情でしたので。そのせいで「このキャラクターはなんだかなー」とかいちょーの印象が悪かったです。
 しかし、話が進むにつれて、かいちょーの優しさが分かるエピソードが描かれていくようになり、いつの間にかかいちょーの魅力に私ははまっていたのです。

 この描き方はうまいなーと感心しました。最初の悪い印象がある分だけかいちょーの魅力がより輝いていたような気がします。これに関しては、あえて作者は読者にかいちょーの魅力を発見させるよう誘導したのではないか、と私は思っています。
 かいちょーはちょっと不器用で無表情なのせいで、おそらくかいちょーをよく知らない人から色々と勘違いされてしまうことがあったと思われます。で、そういった誤解を踏まえて、かいちょーがどういった人間であるかを知る手続きを、悪い印象の方から描くことでかいちょーの魅力を読者が見つけられるようにした。といった誘導です。まあ、思いつきの意見でした。

 わざわざ「かいちょー」としたのはこの方がかわいさが伝わりそうだったので。それだけです。かいちょー。



 全四巻で完結した「んぐるわ会報」。ストーリもきっちりと大円団で終わり、読後感はじんわりくるものがありました。眩しすぎなくてちょーどいい光度の青春が輝いていました。「いい作品読んだなーまた見返そう」といった気持ちになりまして。巻数は少ないながらも楽しませてもらいましたね。
 
 あと、最後までかいちょーがかわいかったです。