彼岸で散る青/THE NOVEMBERS と スクォンクの涙/のあのわ
彼岸で散る青/THE NOVEMBERS
のあのわ
思わず唸ったこの二曲。どちらの曲も起点となるメロディーラインがひたすらループするんだけど、なぜか飽きがこない。メロディーが良いってのは勿論ありますが。んで、よーく聞いてみると、飽きさせないようにしっかりと音色をいじったり、ループをうまい具合にずらしているようで。おーこれはスタイリッシュでかっこいいなーと思ったので紹介します。 ====
まずは。THE NOVEMBERSの彼岸で散る青。
耳を切り取って液体にひたしているような感覚。サイケデリック/シューゲイザー。
情感を感じさせない無機質さと冷酷なテンション。一聴して聴く人を選別するような分かりやすい青色の風景。
いきなり不穏な空気を孕んだメロディーが耳に入って、淡々と弾かれるギターのアルペジオが切ない印象を与え、ボーカルの叫びのような歌声が反響して覆っていきます。つまりは悲しげで暗い。
しかし、こんなにメロディーをループさせるとさすがにグッドメロディーでも飽きる、と思ってからが本番でした。三分頃にとつじょ不協和音が混じって、そして爆発する。ここがいい。タイミングもばっちしだと感じました。一度この破壊を体験したら、それまでのループにも意味を感じさせるようになって、シンプルな楽曲に良いアクセントになっていると思いました。
いやーこれいい。ずっとリピートして聴いています。ノベンバはこういった崩し方がうまい印象がありますね。音色もなにげに工夫していたり、シンプルと見せかけて実はそーとー凝ってる楽曲。
次に。のあのあのスクォンクの涙
これまたいい。民族的な解放感があるリズム感を伴いながら、サイケ調のメロディーにトリップ感を感じさせる壮大な一曲。独特の世界観という便利な言葉が似合います。
これまたメロディーをひたすらループさせている構成なのですが、こっちは曲の煩しさを抑え込むことでメリハリを付けているようです。そのせいかすーと流れていくような感覚がありますね。
この楽曲の好きなところはバンドサンドも歌もリズムも一体然としているところです。ようつべのコメントにありましたが、総体としてのバランスがひじょーにいいと感じました。つまりはぽっぷということ。これは聞きやすいのではないでしょうか。
もともと、のあのわはすっごいポップなバンドだったと記憶していますが、今回はそのポップさにサイケ色や民族要素を取り入れて、ほどよくマニアックさもあるポップな楽曲に仕上がっているようです。こういった方向転換は歓迎します。
PVには触れませんでしたが映像はすごいことなってます。