単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

Steins;Gate 第16話「不可逆のネクローシス」 感想


 でも僕までここで一緒に泣いていたら、誰が明るい明日を運んでくるんだ?-『世界は密室でできている。
 いつもボーとしているようで実はしっかりと物事を考えている名探偵まゆしぃの閃きによって、迷宮入りしそうであった鈴羽の父さんの正体がついに判明しました。なんとダルが父さんで。他のメンバーがそれに気づけなかったのは、ダルが結婚するという可能性を認めたくなかったんでしょうね。というか信じられなかったというか。
 牧瀬紅莉栖の「そもそもこの変態が結婚なんて」という台詞からもそれが予想されます。見た目で判断してはいけないのにみんなひどいよ!ダルはぽっちゃりしているだけで、けっこうイケメンだし、頭はとっても良いし、実はスペック高いですから、彼が結婚しても何もおかしくないです。という理解だけでは割り切れないこの気持ち!




 そんな父親から生まれた娘は素晴らしい少女で。未来から不可逆の旅を覚悟してきた鈴羽の意思の強さはそれはもう凄まじいものでした。過去だけ一方的に戻ることができる不可逆のタイムマシーン。自分の行動に未来が全てかかっている。その責任の重さはどれだけ想像しても足りないもので。そんな中で彼女は笑顔で去っていきましたね。鈴羽の笑顔は未来からの希望といっても大げさではないでしょう。
 
 自己犠牲。言葉にしてみると安っぽいのですが、彼女が未来から孤独で不安だらけの旅を続けてきた道のりは、まさにその言葉に尽きるものだと思います。あの細い体のどこにそんな意思がこもっていたのでしょうか。鈴羽、すっごい魅力的なキャラクターです。





 でも、報われるとは限らない
。失敗した。失敗した。失敗した。失敗した。鈴羽は失敗した。この展開はすでに知っていてもキツイものがありますね。あれだけ責任を抱え込んでいた彼女が「失敗した」という言葉を書いたのがどれだけ辛いことかはもう。呵責に悩まされて挙句の果てには自殺。ここで終わればとんだバッドエンドです。

 
 夏の午後に照らされた悲しい嘆き。残酷なまでに澄んでいる青空の底で。


 が、岡部倫太郎にはまだチャンスがある。タイムレンジを使うことで、未来だって過去だって変えられえる。



 でも、それを使うということは鈴羽との思い出をラボメンから消してしまうこと、そして鈴羽が父さんと出会えて何よりラボメンと楽しくすごした思い出を消してしまうことと等価であって

 しかし、それでも岡部倫太郎は飛びました。そしてまだ見ぬ希望に向かって飛翔したのです。
 そこでは、今よりも少しだけ救われた世界があって、鈴羽がラボメンと出会わなかった世界があって、まゆしぃが生きている世界があって、まだ先が見えない不安があって、まだこれからのどうなるか分からない世界があります。




 鈴羽の笑顔はまだ見ぬ未来へ持ち越されていつかの日かまた。