単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

Steins;Gate 第21話「因果律のメルト」 感想


  天秤崩壊。選べない、というか計れることはできません。

 「やっとやっと役に立てた、まゆしいはオカリンの役に立てたよ」「独善的でいられるか!!」「今までも二人で考えてここまで来たんじゃない」ひとことひとことがグッとくる。

 蝉の儚い死体が地面に横たわっている場面や、秘密が暴かれるときいつも背景になる吹き抜けるような青空や、墓場の空を飛び交う二つの蝶。ひとつひとつのシーンが意味を帯びる。


 なんといいますか。これまでシュタインズゲートが積み上げてきたものが、この第21話で一気に効果的に作用しはじめている気がします。何度も見返したい話。展開としては非常に辛く苦しいのに、感想としては思うのは、ただただ素晴らしいです。キャラクターが峻厳な選択肢を手にして葛藤する様子、自らを犠牲にしてまでも他人を想いやる様子、今自分は物語を読んでいるんだなとじんわりします。
 

 これまで岡部の優しさから、あえて蚊帳の外のされていたまゆりは、実はうすうすと岡部倫太郎の様子がおかしいことや自分のせいで苦労をかけているんではないか、と気付いていた。だからこそだと思うのですが、交通事故の身代わりになっても「役に立てて良かった」となんて、どれだけ献身的で自分を顧みないんだ、と悲しくなるような言葉を発します。自分を大切に思ってくれる気持ちは嬉しいけれどそんなこと聞きたくないっていうセリフですよね。


 でも、岡部がまゆりをどんな犠牲をしいてでも助けるように、まゆりだって岡部を助けたいし役に立ちたい
という気持ちがあるのは当然で
。岡部もそれが分かっているからこそ、その気持ちをないがしろにすることはできずに、さらに懊悩してしまう。思いやりがつなぐ連鎖ですね。優しさの輪ともいえます。

 
 そして、その連鎖には我らが牧瀬紅莉栖も絡んできます。これまでの岡部の努力を、影でも表でも、支えてきたのはなんといっても彼女。思いは計ることはできない。岡部がまゆりを大切に思うように、また、牧瀬紅莉栖が大事なのは分かり切っていて。そもそも彼女がいなければここまで来ることはできなくて、そしてその「そもそも彼女がいない」ことにすればまゆりが助かることになる。なにそれ。酷い。


 しかも、それを紅莉栖本人が知りたいと望んだから仕方なくそれを語る。どう思ったのか。それは来週ということですが、優しい彼女が何を思うかは大体予想がつきますね。さかさまでも可愛いですし。

 
 今回は最悪の選択肢の抜け道を探して岡部はあがいた、けれども抜け道などはなくて、やはりまゆりか紅莉栖という二択の前で立ち尽くす。
 

 悲しい展開です。過去改変できるのは幸せなのか、こんなことならば初めから牧瀬紅莉栖とは出会わなければよかったとつい思い悩んでしまう展開。でも、やっぱり出会えた良かったという結末になるのを期待しています。



 
 で、しんみりするだけではない今話。まゆりの帽子をかぶったオカリンは酷い!似合わないにもほどがあるって! んでさらに、コミマで地面に横たわるカメラマン。ズームアップ。ええ、そこ強調するとこ!? などなど。


 最後に。あらためて思ったのが、牧瀬紅莉栖かわいいなあと。当たり前だろって話なんですが健気な彼女を見ていたらあらためて思いました。もし岡部たちが可愛さを計測できるスカウターを開発したとして、ためしに彼女を計ったら、ぜったいにスカウタ―がぶっ壊れますよね。それくらいに。あと、コミマでコスプレデビューしたら、人気がまくりで世界中からスタンディングオベーションが起こりますね。それくらいに。