単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORNのメッセージソング「世界中に花束を」


 THE BACK HORNというバンドがいる。(今回は、で・ある口調で威勢を張っているのに、出だしからアーティスト名のつづりを間違えてしまい、更新再開したばかりに心が折れそうになりました)

 このブログではさんざん取り上げているけど、あらためて紹介すると、四人組のオルタナティブロックバンドであり、グランジ、エモ、歌謡曲などの要素をベースにしながら、破壊的であったり、叙情的なサウンドが特徴的である。歌詞は、生と死や生活などの人間を取り囲むものや、戦争、愛、などそのテーマは多岐に渡る。


 そのTHE BACK HORNのメンバーのうち二人は、震災にて多大な被害を受けた福島県出身である。それがあってか、チャリティーソングの配信やチャリティーイベントの積極 的な参加など、メンバーそれぞれが復興活動に尽力を尽くしていて、公式ホームページでは計200万の義捐金の寄付を行ったことを証明書付きで紹介してい る。

 
 東日本大震災からおよそ半年が経過した。幸いにも私の知人は誰一人とも被害を受けることはなかった。だからといって、他人事としてさらっと流せるような出来事ではないし、気持ちとしても無関心でありたくないと思っている。


 すでに二度もレビューを書いたけれども、あらためてTHE BACK HORNが震災を受けて制作した、「世界中に花束を」の解説、及び、彼らが曲をとおして伝えたかったことを再度汲み取ってみたいと思う。前置き長っ!

 

 
生きるのは簡単なことではないけれど
辛いだけでもないだろう
 


 生きるということのは簡単ではない。でも、辛いだけでもない。いってみれば、当たり前のこと。そんなの誰だって知っている。しかし、例え知っていても何かをキッカケに見失ってしまうことがある。その「キッカケ」となるのはおそらく今回の震災のことでもあるだろうし、あえてこの曲で歌われていることには、当たり前のことをあらためて確認しようとする意味があると思う。


 
世界中に花束を 太陽が昇るその前に
光や笑顔や喜びに隠されてしまうその前に

 これはサビの歌詞である。タイトルにあるように「世界中に花束を」送ろうということだろう。花束には弔いや、祝い、敬意といった意味がある。一概にコレということはできないけれど、自分の思いを花束に沿えてそっと献上する、そんな気持ちであると思う。


 そして、この歌詞の特筆する点は、「世界中」に花束をであることと、そのタイミングは、太陽が昇る前に、光や笑顔や喜びに隠されてしまうその前だということ。


 すでに書いたけど、福島出身のメンバーがいて、さらにドラマーは親善大使である、THE BACK HORNは震災に対しては当事者としての思いもあるだろう。それを踏まえたうえで私が予想したのが、世界中に花束をというのは、助力してくれた世界に感謝の気持ちも込めているのではないか、と。もしくは、この出来事はキッカケとしては日本で起きたけれども、そこからあらためて気づかされる日常の「儚さ」や「愛しさ」は、普遍的な事柄であるという意味を込めているのだろう、と私は二つのメッセージを感じ取った。


 それと、タイミングである。震災が起きてから数日後に掲げられた言葉に、「頑張ろう日本」、というのがあった。最近こそ、あまり見かけなくなったが、一時期は恐ろしいくらいに流布していた言葉だ。その言葉が私たちに伝えることは、頑張れというポジティブなメッセージ。でも、傷が癒えずに悲しみから抜け出せず に、まだ事実を受けとめつことで精いっぱいの人がいるかもしれない。なぜその前であるかというと、きっとそういった方を思って手向けられたのだろう。圧力すら感じられるポジティブに隠される前にそっと花束を捧げようということではないだろうか。

 

あの空ではずっと消えない悲しみが
もういいよと嘆いてる
軽はずみな言葉はやめて
全ての人におやすみ 


 ずっと消えない悲しみ。癒されることがない悲しみがある。だからといって、それは決して悪いことではない。癒す必要だってなくて、むしろ、悲しみを抱い ていく必要すらあるかもしれない。それは分からない。人によって違うだろう。だから、軽はずみな言葉で励ましたり同情することはやめようと、こちらは明確なメッセージだ。



 

 すでに書いた部分は省略して、あらためて感じたことを書きました。本当に良い曲だと思います。当事者の視点でもあり、THE BACK HORNとしての主張だってある。是非とも、配信だけで終わらずにパッケージ化して欲しい楽曲です。初めて聞いたときには「ファンで良かった」と思ってふ るふると嬉しくなりました。


 本当にこのバンド大好きです。この気持ちはしつこいくらいに書いていきたいですね。何度も何度も確かめたいのです。そして、今秋のTHE BACK HORN「KYO-MEIツアー」〜魂のマーチ〜がいまから楽しみです。