単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

シュタインズゲート ドラマCD γ「暗黒次元のハイド」 桐生萌郁のルート


「お前はいつから桐生萌郁が口ベタだと錯覚していた?」



まだアニメの感興も醒めないこの頃ですが、
このドラマCDのレビューを書こうと思います。


ひと言でいうと、桐生萌郁ファンにとってはたまらない作品です。
オリジナルストーリーなのでアニメから視聴した人にもオススメ。


あらすじを含めて、ネタバレ全開の記事なのでご注意を。

 
 このブログでは、牧瀬紅莉栖についてひたすら書いていましたが、実はわたしは桐生萌郁も大好きなのです。といいますか、シュタインズゲートのキャラクターはみな魅力的なので、正確には皆好きなのですが、なかでも彼女には思い入れがあります。


 しかし、原作で
桐生萌郁は、唯一女性キャラクターとしてルートがありませんでした。男の子のルートすらあったのに。天王寺綯ルートはなかったよとおっしゃる方はちょっと黙っといてください。それでいて、あまりにも悲しい役割を任されていました。そんな不遇の彼女がメインとなって活躍する、待望していた萌郁ルートと呼べるのが、このドラマCD「暗黒次元のハイド」です。そして、彼女がよく喋ります。


 あらすじは「
岡部がある世界線に迷い込んで、そこではラウンダーの一員として萌郁とコンビを組んでいる。これまで通りにラボメンでありつつも、その世界の岡部は任務で殺人を犯してしまい、メンバーからの信用を失って距離を置かれてしまう。椎名まゆりは入院していて余命が短く、岡部とはただの友人関係にすぎない」といったものです。



 出来が素晴らしい。もはや短編といえるストーリーの充実っぷりと、なによりも
萌郁の魅力が凝縮しています。このドラマCDにはエンターテイメント色がつよい、という評価をよく見かけますが、そのとおりだと私も思います。純粋に面白いんですよね。音声だけですがしっかりとドラマを演じきっています。あらためて演技うまいです。

 

 ストーリーは基本シリアスに進んでいきます。でも、重すぎるってわけでもない今作。バランスが良いのも評価したいところです。

 
 この世界線から脱出するんだ。岡部は自分がラウンダーであり、人を殺してしまって、さらにまゆりすら不幸な境遇になる。彼にとっては否定したくなるのも当然の世界。しかし、彼ではこの世界を熟知していないことがあって、どんどん追い込まれしまう。そこで、萌郁が懸命に彼の支えとなってくれるという物語です。


 
いやー萌郁さんまじで健気。しかも、よく喋る。でも、キャラクター崩壊ってわけではなくて、こうして出会えたならば、萌郁が岡部にたいして心を開いているのも納得です。これが聞きかった。萌郁さんは、やっぱりここでも岡部にすがっていましたが、それだけではないのがこのドラマCDで。今度は、彼女が自ら決断して岡部の支えになるのです。熱い展開です。


 心の移り変わり。声の演技がじつにレベルが高いもののようで、しっかりと読み取ることができると感じました。岡部の犯罪行為を信じることできない紅莉栖、冷淡に事実を踏まえて岡部を批判する鈴羽、本編では見ることで
できなかった彼女たちの別の一面も窺えます。特に鈴羽の冷淡っぷりは最高だと思います。そういう趣味の方は是非(なにそれ)
 


 しかし、なんといってもヒロインは萌郁さんです。岡部は世界線をラウンダーを裏切り、その追撃を受けてしまうのですが、萌郁さんの助力によって抜け出すことができました。それは、つまり萌郁がラウンダーを裏切るということで、死を意味するといってもいい行為です。それを分かった上で、萌郁は決断し、岡部を助けるために動きます。


 この展開はあつい。イヤフォンで聞きながら瞳孔が開いていました。彼女が助ける理由は、パートナーであること、岡部はあくまでも岡部であったこと、名前を呼んでもらい嬉しかったということでした。この世界線の「これまで」の岡部は描かれることはあまりなかったですが、やっぱりここでも岡部は良い奴だったんでしょうね。それに、岡部が名前を呼ぶという行為には、「存在を受け止めて貰える」といったような大切な意味を感じます。




 そして、キス。やばい……。



 全編通して桐生萌郁かわいかったです。ますます好きになってしまった。とことん楽しませてもらえたドラマCDでした。三部作ありますがこれが一番好きかもしれません。
 シュタインズゲートは原作では勿論、アニメでも素晴らしいもので、ましてやドラマCDでも聞かせてくれるものでした。鈴羽の冷たいすぎる態度が良かったと、最後にもう一度強調して終わります。