単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

あなたは一般人ですか。


  
 犯罪を犯す一般人はいません!
 

 これが面白かった。一般人って誰だろう 外集団同質性バイアス こういった日常的な事柄に対してのツッコミの視点は刺激的。日常生活で当たり前のように使われている「一般人」という言葉、それが本当は一体何を表しているか。そのあたりをオタクと対比させることで探っていく。一般人って何人なんだよ。ちょっと都合が良すぎる言葉ではないか、と感じた人は楽しく読めることを保証します。と、まずは紹介から。


 個人的に気に入った文章がこれです。端的なまとめであると思います。

 アニオタは犯罪を犯してもアニオタだが、一般人が犯罪を犯したら犯罪者であり、一般人ではなくなる。つまりあるマイノリティが負の属性を高い割合で持っているという言説はアンフェアーなのだ。マジョリティの中から負の属性を持つ人間をはじき出した上で「一般人」という代表を立てて比較されるのだから、勝ち目がない。

 
 つまりは、「一般人」や「オタク」となどの集団を言葉でラべリングしてしまったら、自分が所属する集団に対しては正確な理解が深まり、自分が所属していない集団に対しては偏見を抱いてしまう、ということです。そこで生じてしまうのが、さらなる偏見の増幅と言葉の定義が乖離していくことです。

 
 これが面白いのは、一般人は何かと対比されることで初めて姿を現す集団なんですよね。一般人しかいないときには機能せずに、オタクや犯罪者などの比較される存在がいることによって、初めて一般人という言葉が機能する。だから、ためしに「政治家」という言葉を持ち出すとすると、そこで「政治家/一般人」という区別ができて自分がどちらかに所属するか決まることになる。でも、メガネ男子と一般人は比較されることはない。それは、メガネ男子が一般人と対比されるような存在ではないからです。これだけ頻繁に使われているのに、「一般人」という存在は、こうも実態が見えてこない言葉なのです。

 
 そこで、あなたは一般人ですか? と問われたらどうだろう。あなたは一般人なのでしょうか。ところで、俺はどうなんだろう。俺はアニメ好きだし漫画を山ほど所持しているから「オタク」ということになるかもしれない。音楽趣味は典型的なサブカル志向だからサブカル男子を名乗ってもいいかも。いやでも、オタクを名乗るほどではないな。んでもって、政治家や科学者などの特別な職についているわけでもないから、やっぱり一般人なのかもしれない。と、俺はあんまりよく分かりませんでした。




 そこで思ったのが、一般人って定義って俺の勝手じゃないか、と。勝手に俺は自分の定義だけで考えていました。もしかすると、視力が良すぎるアフリカあたりの民族にとって、メガネ男子はもはや一般人ではないのではないか。世間を震わせた犯罪者だって、自分のことを一般人と思っていて、未だにただ道を誤っただけだと思っているのではないか。ここでまた一般人という言葉がよく分からなくなる。



 そこで、俺はそんな実体のない言葉が戦場での弾丸のように日常で飛びかっているのが面白いなーと思うわけです。これは氷山の一角。ほんの一例なのです。そして同時に、そういった言葉を、どう定義するか、どのように使用するかによって人となりがぼんやり見えてくるんじゃないかということです。ハンターハンターに「その人を知りたければ  その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」という名言があって、これを引用させてもらうと「その人を知りたければ その人が何に対してどんな言葉を使うかを知れ」 身近な存在であるけど言葉は決して侮っていけませんね。あらためて思い知らされました。



 そこでまた問いたい。あなたは一般人ですか?