単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

Syrup16gの曲レビューその14「テイレベル」


 気分が最高潮に滅入っている状態でのレビュー。先ほど、気分転換のために散歩していたのですが、どうも余計に落ち込んでしまいました。いいレビューが書ければいいな。結局、陰鬱としたのが仕上がりました。 ※もしかすると気分を害する恐れがあります。
 
 
 syrup16gの曲レビューその14「テイレベル」 



 自分はクズだよなーと特にこれと感傷もなく、それを当然のように受け止めている人がいて、とうの自分もその一員なんですが、それはただレベル上げしてこなかっただけだろうと、この曲では迫ってくるわけです。しかも、そんなテイレベルなのはざらにあることで、もしかしてそれを客観的に捉えている自分がすごいとか思ってんの?と追いつめてくる。でも、それだって分かっちゃいるけど、やっぱりどうしようもないんだよね、と面倒くさがることで一周して、結局はレベル上げをさぼっているというスタート地点に戻る。


 そんな調子なのに、俺だってレベル上げをしたら少しはいけるんじゃないかと、最大の問題点でくだらない原因である「してこなかった」ことを棚に上げて布団にもぐる。ときには「俺のせいじゃない 俺のせいじゃないさ」って冗談にもほどがあることを真剣に思ったりして、アリアハン大陸から一歩も出ていない内に世界はつまらないと断定して、まあそういうのも俺は理解しているけど上手くいかないよねと、聞き飽きたフレーズを繰り返して、自分がダメなのをあらためて確認して安心する。



 そんなんかい そんなんでカッコつけてんだ 大丈夫全部ばれてんだ


 ってわけなんですよね。大丈夫なんです。こういう気持ちなんてざらにあることだし、心理学の本でも読めばこと細かく解説してくれるし、その対処法だって腐るほどある。そんなに大層に抱えるもんじゃない。ただ単にテイレベルなだけだから。と、この楽曲はとことん「自己嫌悪」を認めてくれないのです。おまけに、皮肉っているようですらあります。


 最高ですね。いつも自分嫌悪に悩まされている人、それが趣味だといわんばかりに繰り返す人、そんな人たちのテイレベルであることに酔っている醜悪な姿を一蹴する。しかも、路上のゴミに唾を吐きかけるような態度で。これも、五十嵐隆が自分に向けた曲であるのは確かで、さらに自分のような人間たちに向けて歌っているとも思う。こんなしょーもない気持ちまでもこうして共感によって癒されてしまう。


 まだ言う
 
 
 なんというか、結局は自己嫌悪をしていながら変えようと行動しないことが一番の罪で、この楽曲ではそういった変えようとする意志がどうもないようなので、やっぱりそう褒められた曲ではない。それでいて、その否定を大げさにしないために、ノイズまじりのサウンドはセッションをそのまま収録したようにささくれたっていて、歌詞は真面目に解釈するのが馬鹿らしいほどにナンセンスなのが、徹底して素晴らしい。楽曲のスタンスをもってして、テイレベルということを茶化しているようだと思いました。


 
 それこそ「テイレベル」という題ですが、サウンドに関しては抜群にカッコよくてハイレベルです。特にリズム隊の重厚なグルーブ感の迫力が凄くて、ドラムに至っては一打一打が強烈に響いてくる。それに、ギターにノイジーさが味をだして、圧巻のアンサンブルに仕上がっています。彼らの演奏力の高さを感じさせてくれます。



 ダメ人間として最後に。でも、五十嵐隆はこんな素晴らしい楽曲を作れるから全然テイレベルじゃないよね。むしろ、それに一方的に共感を感じて安心する俺の方が圧倒的にテイレベルだよ。そんな優れた人間がテイレベルとかいっても説得力ない。という、三年前くらいは本気で思っていたこのふざけたような感想で終わります。