単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORN名曲レビュー「無限の荒野」


 THE BACK HORNの代名詞とも呼べる「無限の荒野」。ライブのアンコールで演奏される定番曲でして、へとへとになってきた観客がイントロのハイハットの刻みで一気に沸きあがって、まだまだ終わらないといわんばかりに盛り上がるのがお馴染みの風景になっています。とりあえず、踊って暴れたいならこれ。血が滾る!


 過酷な戦場で一人の侍がぼろぼろに朽ち果てながらも死ぬまで足掻く、という世界観で、そこで描かれるのはひたすら生きるというラディカルで強烈なメッセージ。まごうことなき、生の賛歌。死んでも生きてやるという決死の覚悟を、熱量を込めたバンドアンサンブルで奏でています。ファズが暴れる、ベースが唸る、ドラムが荒ぶる。

 ここまでくるともう理屈抜きですよね。生きる、ひたすら生きる。ただそれだけ。といっても、その原点すら迷ってしまうからこうして歌にするわけで、だからこそ「俺は生きる」と宣言して鼓舞するための叫びなのでしょう。それに呼応するように、ボーカルの振り切れるテンションの高さが素晴らしいです。特にライブでのパフォーマンスは圧巻です。本当に気持ちいい。何度もライブで聞いた興奮が刻み込まれているので身体がつい反応してしまいます。


 情感に溢れる詞世界が喚起されるのは、一人の侍が死ぬまでもがき続けるその姿。仲間を失っても腕をもがれても呪われても裏切られても、抗い続けるベルセルクのガッツのように。そこから受け取れるものなんてエネルギーしかない。シンプルにして至高。さらに、生きるための原動力みたいなのを「黒い塊」と呼ぶのが個人的に気に入っています。けっして綺麗なものではない。でもその欲求は疑いもない現実だということ。ここで死ねないならどんな状況でも生きるしかない。と。

 

 「我生きる故 我在り」 この楽曲に関しては難しいことは考えずに身を任せるのが一番です。元気を貰えるというか、血液の循環が良くなりそうな曲です。血が滾るっ!とにかく最高。