待ち望まれていた参戦! ハンターハンター No.325 感想
あ、懐けー。迷宮のように入り組んだ現状をハンマーで一気にぶち壊すように痛快であった、HUNTERx
HUNTER325話「参戦」の感想。ネタバレ注意です。続きはwebで!
これまでのストーリーではアルカの能力、選挙の規定などの慎重に事が進められていったわけですが。そんなときに「ぐだぐだやってんなよ」とグダグダしかけた空気を蹴飛ばすようにレオリオが参戦してくれました。うわーめっちゃひさしぶり! レオリオが登場するとさっそく、執事との交渉においては言いたいことを言ってくれて、選挙でもやって欲しいことを見事にやってくれました。なんて分かりやすくてストレートなキャラクターだ。読者の期待、を最速で代弁してくれる様は気持ちいいです。これは痛快。痛快すぎてある意味ではバカっぽいところもあるのですが。
なんと、彼の別れの言葉であった「最短でも四年は会えない」からかれこれ十年も経っているようです。それにしても相変わらずたった一人でこうも局面をかき乱して、レオリオさんは初期キャラクターの貫禄を見せてくれました。しかも、その短絡的で独善的に思える行動の裏には思いやりがあってこそ、というのは十年前から知っているので、レオリオのゴンへの思いを感じ取れて嬉しくなりますね。最近あまり物語が進まなかったグダグダ感が一気に払拭されたような感じです。いや、これは違いますね。ここまで慎重であった展開を蹴飛ばして進めてくれたという方が的確ですね。レオリオさんの活躍は物語的にも大きい。
しかも、レオリオはあのパフォーマンスによってハンター会長総選挙で3位にランクインする快挙を成し遂げていました。これはハンターという人間についての示唆的な出来事だと思います。一票が大きく左右するハンター会長選挙において、ただ面白そうなやつに投票する、というのはハンターたちの粋な心意気で、そうやってこれまで支持されていたのがネテロ会長だったのでしょう。仕事を斡旋してくれるパリストンもありがたいけれども、同じくらいにバカでも面白いやつの方がいいって感じでしょうね。それにパリストンは「ここは笑うところですよ」とかユーモアセンスが致命的ですから。あれは笑えない。レオリオのキレ芸のほうがよっぽど面白い!
そして、これまで投票してこなかったハンターも今回はレオリオに投票したのか知りませんが、ついに投票率が97%に到達したことで次なるステージに繰り上がりました。これからは上位16人で争うことになります。そのキッカケになったのがレオリオの優しさってのが良い展開です。そのレオリオのテレポートのような念能力はきっと医療に関するなのかな。案外、むかつくやつを遠くからでもぶん殴るための能力だとしたら、それはそれでレオリオの性格っぽくて面白いんですがね。
今週号の見どころはこうして書いてきましたが、なんといってもレオリオの参戦でしょう。執事回ではツボネさんに持っていかれて、今回は物語の起点となる役割を果たしつつ、懐かしくなる暴れっぷりをみせたレオリオの独壇場でした。本当にキャラクターの魅せ方が上手い。この込み入った状況にぽつんとレオリオを配置するだけでこんなに局面が変わるのですか。慎重に展開していたところにレオリオという直球の香車でぶち抜く。鮮やかなコントランスを持ったストーリー展開でした。
それと、こっそりジンの投票数が増えているのも面白い。ハンターたちの殆どが、ゴンに代表されるように面白いことが好きで遊びを大事にする人種というのは確かなのですが、何を面白いと思うかは人それぞれ違う。正論を述べたジンがレオリオにぶっ飛ばされたのでジンに興味を持ったハンターもいたのでしょうね。というかジンはあえて避けなかったに違いないです。レオリオは意気込みこそは敵なしだけど実際にはそこまで……ってキャラクターですからね。今度はしっかりと成長した能力も見てみたいところです。今週もすっごく面白かったです。連載も安定しているしこの調子でいって欲しいですね。