単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

奇跡のコラボレーション   エリオをかまってちゃん『Os-宇宙人』 『コタツから眺める世界地図』


 去年書いていてアップするのを忘れていました。


 大掃除をしようということでフォルダ整理をしていたらみつけたこの画像。 8月28日に行われたアニメロサマーライブにて、「放送事故!」と一部で物議をかもした「エリオをかまってチャン」のライブシーンの写真です。「エリオをかまってちゃん」というのは、アニメ企画によるコラボレーションによって、最近はさらに話題沸騰の神聖かまってちゃんと、声優の大亀あすかさんが結成したユニットになります。


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  なぜか心に引っかかって保存した画像でした。前面には白目を剥いて口を開けたクレイジーなー表情をしているの子と、後方でスポットライトに照らされて懸命に歌う大亀あすかさんの対照的な姿が印象深いです。いま思うと、よく同じ舞台に立つことになったなと思わせる不思議なコラボ―レーションです。どちらも以前から知っていただけにより一層、この組み合わせの違和感を感じますね。いい写真です。


 で、この奇妙なコラボによって誕生した楽曲が面白くないわけがなくて、実際の仕上がった作品も素晴らしいものでした。シングルだけってのが悔やまれるほどに私はハマってしまいました。この作品については「Os-宇宙人/エリオをかまってちゃん」「コタツから眺める世界地図/エリオとかまってちゃん 」とすでにレビューしていますが、今年発売のお気に入り曲なのであらためて書くことにします。(※去年書いています。)



Os-宇宙人




(の子ボーカルverも素晴らしい)



 ロリボイスmeetsロックサウンド


 煌めくシンセサイザーとキャッチャーなメロディー、溌剌と可愛らしく歌い上げるボーカルと、いかにもアニソンらしさを前面に押し出しつつも、禍々しいコーラスの存在感と荒々しさを含んだサウンドによって、独特の雰囲気を醸しだしています。

 神聖かまってちゃんには珍しい「そばにいてくれるあなたが好き」「そんなあなたのことが好き」と愛の言葉が散りばめられつつ、さらっと「会話できない、空見上げている」「地球で宇宙人なんてあだ名でも」と毒のある言葉が聞こえてくる。
 

 
 あえて対比させてみたのですが、この曲はなんといっても「科学反応」的な面白さがあると感じました。それは華がある声優と問題児ロックバンドという組み合わせからはじまり、サウンドメイク、そして詞に至るまでちょっとした違和感がある。しかし、何度か聞いていくうちにその得体の知れなさの虜になっていました。

 なんだかんだでアレンジがしっかり効いているので聞きやすい曲なんですよね。聞く人にとっては飛び道具のような奇妙なコーラスさえも、起伏のないキャッチャーなサウンドのアクセントになっていて、荒々しいサウンドメイクになっているからこそ、大亀あすかさんの可愛らしい歌声が映える。



 それでいて、詞はストレートなラブソングのようで、ダメ人間が書き散らした電波のようなメッセージにもなっていて。もちろんタイアップ先にアニメの世界観を見事に反映させた歌詞ではありますが、それを省いても、ちょっと不器用な人間の純粋で一途な思いを感じられてグッときます。



 コラボレーションの面白さがそのまま楽曲にも反映されている曲。
 



タツから眺める世界

 
 これはとっても温かい曲ですね。現実から逃避したい気持ち。冬の朝に布団から出たくなくてもう少し寝ていたい気持ち。そんなふわふわしてぬくぬくしていたい気持ちを歌う。

   
 Os-宇宙人と同様、耳に馴染みやすいポップなメロディー、「ふにゃふにゃ」「いえーい」と無邪気なボーカルが印象的ですが、チープなシンセサイザーと潰れたギターサウンドによって、やっぱり「エリオをかまってちゃん」らしいサウンドになっています。この曲は音色が豊かなアレンジになっていて、おもちゃ箱のような電子音、効果音、シンプルなピアノの音などカラフルな仕上がりになっています。聞いているだけでも耳を楽しませてくれる。




 コタツで満喫してみかんを食べている風景が浮かんでくるような陽気さがありますが、無邪気さやポップさだけではとどまらずに、その陽気さを裏返したところにある切なさ、やるせなさも伝わってくるのが気に入っています。むしろ普段はコタツに潜ってはいられないからこそ、いまはこうしてぬくぬくできる喜びに浸れるといった背景を想像してしまいます。
 
 逃避場所としてのコタツで「今は起こさないでね」とそっとつぶやく。だけど、それはきっとままらないことで、いつかはこの場所を出なければならない。でも今だけはこうしてコタツに潜りこめる幸せを大事にしようと、心から共感することができて、メッセージとしてもわりと切実なものです。といっても私の解釈にすぎませんが。


 さらに、そんなぬくぬくしているときでさえも世界を眺めているのは、いや世界を眺めずにいられないのは、これもまた親近感を持ってしまう。完全な逃避なんてのはあり得ないんですよね。どうしてもそこには現実があるからせめてコタツで体だけでも温めようというわけです。


 
 どこか切ないのに温かいといいますか、心の底から浸れる温かさを感じる曲ですね。ただ逃避したい、逃避さいこーってわけでもないのが心に響きます。時期的にもふさわしい曲でしょうね。



 
 大好きな二つの曲。色々と書きましたが、聞いていて心地よいってのがまずあって、そこに惹かれましたね。ダラダラと浸っていたいような曲です。こんないい曲を作れるエリオとかまってちゃんがまた活動することを切に望んでいます。こんなに良い出来なのに一枚のシングルだけでは勿体ない!