単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

ハンターハンター No.338 「樹上」 感想/ジンの台詞の考察


 追い求める……世界の果てまで!!HUNTER×HUNTER 第338話 「樹上」感想。

 うん。面白いぞ。ここ二、三週のハンターハンターは少し納得がいかないところもありましたが、今回は文句なしに素晴らしかったと感じました。ラストの広大な世界のページなんて久しぶりにわくわくしましたね。まさにアドベンチャー!って感じの興奮がありまして、最初の頃の胸が躍る気持ちがよみがえったり。ジンの台詞とリンクして「世界が広がる」感覚ってのを味わえた気がしました。

 それと絵の描きこみがしっかりとしていて、キルアとゴンのお別れのときの物寂しげな表情とか、ジンに会うためにゴンが世界樹に上るシーンとか、ラストの古代地図のような世界描写などなど読み応えもばっちりだったと感じます。なんだかホッとしつつ嬉しかったです。


 では、さっそく考察へ。メインはジンが語った言葉の意味についてです。いつも通りに参考までに!

「オレはいつも現在オレが必要としてるものを追ってる」
「実はその先にある 本当にほしいもの なんてどうでもいいくらいにな」
 
 このセリフを私なりに解釈すると「手段を目的化する」となりました。財宝を探しにいっていたのが、いつの間にか財宝を探すまでの準備や、作業の工程が面白くなった。といったもので、まさに「ハンター」という職業の人間にとっての喜びはこれに尽きるんじゃないかと。要はハントすることそのものが面白いってことなんですよね。さらに仲間とハントするならよりいっそう最高であると。


 これについてはハンターであるゴンもこれは理解している筈です。なぜならゴンは「ジンと会う」という目的を持っていて旅をつづけていましたが、旅そのものがゴンにとって至福の時間だったのですから。ジンをハントする手段としての旅路そのものが面白かった。そのせいで実際にジンと出会っても肩すかしのような展開になったのでしょう。それまでの道のりには困難などもありましたが、基本はご存知のようにあれだけ楽しかったわけですから。

 
 このハントについて最もふさわしい言葉は「遊び」だと思います。またはゲームでも大体同じ意味になりますが、つまりは「それを行っているときが一番楽しい」ということ。それで「遊びの天才である」ゴンはジンの「大切なのものはほしいものより先に来た」という言葉はすんなり納得できたと予想しています。んでさらにこの言葉を聞いているときゴンはキルアと、ヨークシンシティやグリードアイランドなどの日々を思い出していたと。大切な仲間、思い出、それらは全てジンを探す目的の旅で得られたものでした。このゴンのストーリーはジンの若いころの思い出話と似ている状況だと思いましたね。



 それから今回は構成が見事! ジンとゴンは望まない形で出会ってしまったので、その仕切り直しとしてジンが世界最大の樹に移動して、その頂上には未熟な雛が生息している。そして、そこでゴンが告げられる真実が「世界最大の樹でありながら実は若木であって、お前が知っている世界はそれで全てではない」というわけです。一つの頂点でありながら、さらなる続きがある。これの表現が巧みだなーと思いました。ラストのページのわくわく感はこの演出あってこそでしょう。こういう細かい演出はどんどん磨きかかってきている印象があります。


 それと、
「わかったか オレがほしいものは今も昔も変わらない」
「目の前にない何かだ」

 ジンのセリフ。これははハンターの鏡ですね。目の前にはないけれど、欲しいのものは確かにある。ハンターの習性を端的に表したような言葉だと感じました。ハントすることを探求する人間ならではの言葉かと。これだけではなくジンの台詞ってどこかカッコいい言葉が多いですよね。父親としてはいまいちですが、ハンターして師匠としては一流なんでしょう。


 と、考察はこれくらいですかね。個人的にはゴンとキルアが別れたのは意外でしたね。てっきり共に行動するものだと思っていたので。まあそこまで気にかかることではないですがね。それしてもアルカがかわいい。まだアルカのチート能力はどうするのという疑問がありますが、やっぱりアルカはキルアに守られるべきか弱い存在なのです。最強の能力で、最弱の存在。これでどうにかバランスを保っているということで私は納得しました。

 それに、ハンターハンターはまだこれから続きますからね! といいつつも、幽遊白書のような例があるので油断はできませんが、おそらくは新章へ突入するものだと思っています。というか願っています? なんというか今週は充実した一話でした。何より読んでいて楽しかったし、おかげで感想もどんどん書けました。



 こちらの考察記事も気合入れ書いたのでよかったら読んでみて下さい。→ハンターハンター 幻影旅団と十二支んの共通点の考察