単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

Psysalia Psysalis Psyche “#7 Tour” 渋谷QUATTRO 12.5.11


 Psysalia Psysalis Psycheのライブを観てきました。
 ライブ会場は、渋谷QUATTRO。
  「#7 TOUR」のファイナル公演、そして解散ライブでもありました。
  

 20120511165131

 
 











 今回でPsysalia Psysalis Psycheのライブを初めてわたしは体験したのですが、まさか初めてのライブが解散ライブになってしまうと思ってもいなかったです。素晴らしいライブを観ることができて、PPPの魅力を身をもって体験した矢先に、解散というのは相当に口惜しくもあるのですが、せめて一度だけでも観れたことをありがたく受け取ることします。

 
 ということで、ライブレポを書きました。相当に長いですが、良かったらどうぞ。
 解散を宣言したあたりの場面については丁寧に書きました。
 ライブに行けなかった方にもあのときの雰囲気がちゃんと伝わればいいなと。
 解散発表時のMCで「最低の結末」と言っていましたが、最高のライブでした。

 


 メンバーの名前はさん付けして書こうか迷いましたが、あえてそのままで書いたほうが雰囲気が出ると思ったので、さん付けはしていません。



HATE NO HATE
 
  まずはオープングアクトとしてPsysalia Psysalis Psycheの盟友、HATE NO HATEのステージでした。わたしはあまり詳しくないバンドだったのですが、一曲目から独特のサイケデリックサウンドを会場内に残響させて、心地よい空間を作り上げていき、すでに踊りはじめる人たちが現れはじめました。

 自然と身体がリズムに乗って動いてしまうような、グルーブ感がある楽曲が多かったです。

 HATE NO HATEは、深いリバーブとディレイによるミニマムなサウンドを反復させて、そっと曲の世界に引きこんでいくといった演奏をしており、曲目を重ねるごとに 会場が温まっていきました。ラストの曲あたりになると相当に熱がこもっていたかと。個人的には、ラストの楽曲の「死にたくない、死にたくない」という詞で、ノリノリで踊ってしまう異質な感じが面白かったです。




Psysalia Psysalis Psyche



序盤

  ツアーファイナルということで、ピリピリした緊張感を保ちつつ、アットホームな雰囲気もありつつ、メンバーが登場。噂どおりのこだわっている衣装で、紫穏はタンバリンを首にかけてタイトなジャケットを着こなして、亨は上半身裸にペイントをしていたり、王冠を頭に被っていました。 


 登場してから、すぐさま一曲目の「Marvelous song」の始まり。計三本のギターによる重厚な轟音が鳴り響いて、ミドルテンポの曲ながらもじわじわと会場がヒートアップ。終盤の破裂するような間奏では、破壊的なサウンドカタルシスに感じたり。そしてなだれ込むように「21st Century Massacre」、この曲はつぎつぎに言葉が繰りだされるという特徴のある曲で、歌詞は聞きとりづらかったのですが、後半になるにつれどんどん勢いが増していくのが痛快でした。曲の終盤でさらに魅せてくるってのがサイサリのひとつの特徴かもしれません。
  
 「take me out」 ではスイッチが入ったかのように、盛りあがること盛りあがること。ただでさえアクセル全開の性急な曲なのですが、ボーカルの掛け合いも抜群だったので、一気に爆発したって感じでした。そして、彼らのキラーチューンの「Butch & The Sundance Kid 」では、みな待ったましたとばかりのテンションの爆上げ。ライブではギターサウンドの鋭さがブラッシュアップされているし、間奏の妙な楽器(名前が分か らない)がポコポコといい味をだしているし、それになんといっても荒さが随一で、この曲は序盤の山場だったかと。この曲に関してはじつに最高でしたね。つづいての「Lemon Pop」では、内田紫穏さんが箒に乗るジェスチャーをしたり、ステージでのパフォーマンスでも魅せていました。歌詞にマッシュとあるように、会場はもみくちゃの模様でした。

 
 盛り上がりは常時凄かったですね。最初からメンバーの気合が尋常でなく、ストイックさすら感じるほどのステージだったので、その影響も大きかったかなと。照明、ステージの衣装、そういった演出でも魅せてくれていました。
 
 

 ここからはアルバム「#7」ラッシュとなりました。
 「Death To My Friends」ではここまでのテンションを引き継ぎつつ、さらにドンッと熱量を上乗せするといった演奏。ボーカルの本気具合がびしびし伝わってきますし、リズム隊だって負けてはいません。この曲は後半にアンビエントな展開をするのですが、そこはライブならではの轟音ギターノイズとなっていて圧巻でした。このバンドの曲はライブで映える曲ばかりですね、次の「Deco-Chang 」はノリやすい曲であったので、拍手が飛びかったり好きかってに踊ったりと、ある意味ではリラックスできる曲。と思いきや、これまた終盤の間奏できれっきれの演奏をするので、休まる暇なんてなかったです。

 熱狂模様。


 その次の「2.5D」は驚いたことにライブによって完全に化けたと感じました。音源ではしっとりと踊れるサイケな曲といったイメージだったのですが、演奏による2.5Dは迫力のあるバリバリに踊れる曲でしたね。しかも、ステージの壁一面が白幕によって覆われていて、そこにストロボの演出や、サイケデリックな映像が流してあって、2.5Dのときはその映像効果もあるのか、空間として面白いことになっていたと。つぎの「Tokyo+Lolita 」も同様にダンサンブルな曲で踊らさせてくれて、これまたライブならではの熱を帯びて面白くなっていました。ここではモッシュというか、踊っているひとが多かったです。


  ここらへんで紫穏がジャケットを脱いで、なぜか会場がさらに盛り上がっていました。「全部脱げー」という野次に反応して、こっそりズボンを脱ぐ真似をした りとサービス精神もあったりして。亨が「紫穏ののどは歌うためではなくて潰すためにある」とカッコいいMCもありました。


 んで もって、ついに「My Dinosaur」。個人的に大好きな曲で、もとから掛け合いが魅力な曲というのもあり、当然といわんばかりの熱狂。起伏の激しいサウンドに乗せて 叫ぶことができて気持よかったです。演奏も予断を許さないダイナミックさがあって、お見事!といった仕上がりだと感じましたが、なんといってもMCにもあったように全力の叫びに引き込まれましたね。
 

 つづけざまに、キラーチューンの「Midunburi 」、熱いくらいに温まっていた会場に、さらなる熱量が投下されて、狂乱騒ぎのような盛り上がりに。ノイズありの荒々しさはライブでこそ、といいたくなるほどにライブでの熱量が圧巻でした。 ラストは「Titan arum」で、轟音のフィードバックギターノイズがたまりません。大好物。というかこの曲はメロディーもいいんですよね。それを再確認しつつ、シューゲイ ザーの心地よさにどっぷり浸っていました。しかし、リズム隊の骨太さがあったのか踊れる要素も感じました。


 そのまま、フィードバックノイズをまき散らしたままで、メンバーがステージから退出。
 ここまでがアンコール前までのステージについてです。まだここから、ですよ。

アンコール


 アンコールでは、タバコを吸いながらメンバーが登場、ちょっとしたMCを挟んで「Etrenal Youth 」へ。独特のリズムパターンで、正直ノリにくい曲ではあるんですが、ここまで来たらおかまないなしで踊りまくりました。というか、ノレない曲がないですよね。サイ サリの手にかかれば、ガレージロックも、シューゲイザーも、サイケも踊れる曲になりますね。いよいよ満を持しての「the United States of Psysalia」。直球に詩とメロディーが素晴らしいミドルテンポ曲で、その魅力をふんだんに味わえました。わたしのなかで聴き入りたくなる気持ちと、踊りたくなる気持ちがぶつかって、この曲では踊ったり聞き入ったりして味わっていました。

 
 そして、メンバーがまたステージからはける。
 
 
解散発表、そしてラストアンコール


 で、ここから衝撃の展開があったわけです。 
  紫穏だけがステージに上がり、「お前たちは最高に運がいい」と、すこし間を置いて、それから意を決したように「今日でサイサリは解散する」と語りはじめたのです。解散宣言が唐突であったのと、 ライブが最高の盛り上がりを見せていただけに、会場は騒然となって「え?」といったように唖然に取られていました。ざわつきすらなくなり、つぎの言葉を待つように静まり返って。少ししてから冗談っぽく客が「ウソだろー」と声をかけたのに対して、紫穏が「嘘じゃねえよ」といった冷たい反応を返したのが決定的でした。


 そのあとに亨がステージに登場。 「なんか言えよ」と話を降られてたので、こっちを睨みつけて「お前らは……」とドスをきかせたあとに「ありがとう」と。これが拍子抜けでちょっとは笑いが起きたのですが、解散宣言後ということもあって雰囲気はシリアスなままでした。それから、すぐに他のメンバーが登場。中には泣いているメンバーもいました。あまりに切ない表情であったのでおもわず胸がつまりました。
 

 全員が揃ってから、「懐かしい曲をやる」、「大嫌いの曲だよ」というMCのあとで古い曲へ。(タイトルを把握していません)解散宣言のショックが尾を引いてしまったのか、盛り上がりに欠けつつも、ステージは充実していたとおもいます。ここらへんはぼんやりしてあまり覚えていません。それから「Masturbate」が演奏されるのですが、この曲は途中で中断されることになりました。「そんなノリ じゃねえだろ」や「汗をかかないやつは大嫌いだ」とMCにあったことから、おそらくは会場の盛り上がりが足りなったからでしょう。つーか、突然の解散宣言のあとでしたからね。わたしだっておもわずノリきれませんでしたし。

 
 ですが、亨がステージの衣装について語りだして「最高の舞台で、最高の盟友と、最高のステージで」と語っている途中で、紫穏がいきなり「最低の結末!」と叫んだのがキッカケで、少しだけ雰囲気が切り替わったように見うけられました。このやり取り、すっごいかっこよかったです。まだ衝撃が去らずに途方にくれていた方もいたようですが、徐々に会場の空気がさきほどの熱狂を取り戻していって、「これでラストだ」という言葉のまま、本当にラスト となる「Subway Killer」がはじまりました。


 いやもう最後はすごかったですね。はじめてライブを体験したので適切な言葉ではないんですが、これぞまさに集大成といったものでした。Psysalia Psysalis Psycheにハマったのは、攻撃的な詩とか、ノイズまじりの過激なサウンドとか、荒々しい掛けあいとかで、そういうのがギュッと凝縮されていた最高のステージだったと。ステージではマイク一本を共有して歌っていたり、メンバーによる「これでラストだ」という煽りがあったり、会場は別れを惜しむように全力で暴れて応えるといった盛り上がりで、曲の後半では、メンバーがつぎつぎとダイブをしてきて、カオスなことになっていました。あの無我夢中のステージは忘れることができない光景です。


 さいごに、亨が「ありがとう」といってステージを去りました。
 それから、客電が点いてSEが流れはじめて、ライブは終わりました。


 
 感想としては、このライブを観ることができて良かった、の一言につきます。 
 ラストのSubway Killerはわたしのなかでいっそう大切な曲になりましたね。

  
 Psysalia Psysalis Psycheは、豊穣な音楽性による進化しつづけるサウンドと、遠慮のない歌詞を書きつづける異色のバンドで、邦楽ロックシーンを盛り上げる存在になると確信していただけに、今回の解散というのはなんといいますか色々と口惜しく思ってしまいますね。


 あーだめだ。ライブレポの締めとなる言葉が出てきません。とにかく、ライブを観ることができてよかった。そして、こんないい音楽を作ってくれてありがとう! これからもPsysalia Psysalis Psycheの曲で踊りつづけます。
 

セットリスト

Marvelous song
21st Century Massacre    
take me out
Butch & The Sundance Kid
Lemon Pop
Death To My Friends    
Deco-Chang
2.5D
Tokyo+Lolita
My Dinosaur
Midunburi
Titan arum

En1
Etrenal Youth    
the United States of Psysalia    

解散宣言

En2
HATE
Masturbate(中断)
Subway Killer