単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORN/THE NOVEMBERS KYO-MEIライブ @柏PALOOZA 5.21


 THE BACK HORNTHE NOVEMBERSのKYO-MEIライブを観てきました。

 
 KYO-MEIライブという企画の面白さをあらためて噛みしめた、非常に充実した対バンだったとおもいます。


  
  では、さっそくライブレポ。

 客層はバンドTの比率からざっとみて、THE BACK HORHのファンが8割、THE NOVEMBERSのファンが2割ってとこでしょうか。しかし、両バンドのファン層はけっこう被っているとおもうので、あくまでバンドTによる目安です。
 
 
 まずはTHE NOVEMBERS
 SEが流れはじめてから、ボーカルの小林だけが登場。SEに合わせてギターを爪弾いて、途中は口元にギターを近づけて弾くパフォーマンスがあったりして、次第に激しさを増して轟音になってときにメンバーが登場。いきなり魅せてくれました。
 
 わたしは今回がはじめてのTHE NOVEBERSということで、どんなステージを繰り広げてくれるのだろうと期待していたところ、一発目の「dysphoria」でさっそくノックアウト。不気味なギターサウンドで、まがまがしい雰囲気に染まってからの悲鳴のようなシャウト、気迫を込めて楽器をかき鳴らす姿、音圧のでかさと相まってあまりの迫力の驚きました。美しさとか、静謐さとかが特徴的なバンドという印象でして、その要素をもちろんありつつ、なにより屈強なアンサンブルは鬼気迫るものがありました。つづいての「Figure 0」でも同様に、ハードコアさながらの衝動がありながら、きわめつけはボーカルのシャウトがかっこよくて痺れました。相当に凶暴。


 「瓦礫の上で」は強烈なドラムのスネア音からはじまり、リズム隊による重々しいビート感が響きわたる。「ブルックリン最終出口」では歌をメインに響かせて、じっくりとボーカルを堪能できました。「ニールの灰」はきれきれの演奏が素晴らしくて、とくに間奏のエモーショナルな暴れっぷりがかっこよかったです。
  
 MCではTHE BACK HORNを初めてであった経緯を語っていました。
 簡潔に書くと、高校時代、ダブりの小端口君(仮名)が授業中にいつもなにかを聴いていた。それで何を聴いているの?と尋ねたら、有刺鉄線を超えて~♪と流れてきた。で、小端口君に音楽は好きなのと聞かれて、ナンバー ガールと答えたら、あー聞いたことないけどパンクでしょ?と言われたので、適当にうんと返した。と。
 

 で、やはり凄まじかったのが次の「彼岸で散る青」。演出の妙もあってか、反復されるフレーズに恍惚感があったり、鮮やかなイメージを描いていたり、曲の持つ美しさというものを肌で感じることができましたね。アンセムの「こわれる」ではバッキバキのオルタナサウンドで盛り上げるというか、虜にするというか。とにかく魅せつけれるいったステージで、おもわず見とれてしまいました。それくらいの熱量が滾っていた演奏でした。ラストは「holy」。しっとり音を重ねながら、耽美なメロディーをメロウに響かせて、それはもう美しく映えたステージでした。


 そして、THE BACK HORN
 栄純が手を上げて観客を煽りながらの登場。オープニングの「シリウス」では、バンド一然となったソリッドなグルーブ感を叩きだしていて、本日の調子のよさを確認。特にリズム隊のノリ具合が上々で、強靭なビートを叩きだしていました。レア曲の「フロイデ」では、熱が滾ったギターサウンドでフロアを熱狂させて、つづいての「声」はキャッチャーかつスピード感の演奏が小気味よく、存分にフロアが盛り上がりました。


 ここからが個人的ハイライト。「白夜」ではリズム隊を中心に妙なノリでフロアを揺らしていって、さらにエロいボーカルがぞくぞくと耳をくすぐってきました。そして「人間」ではTHE BACK HORNの気持ち悪さに一段と磨きがかかっていて、それゆえの切迫感が演出されていたという感じ。フロア全体が異世界に叩き込まれような感覚すらあって、この日の人間のキレ具合にはグッときましたね。そのあとの「怪しき雲ゆき」はひたすらに怪しかったです。初期の音源でありながらその怪しさでは随一の曲、そのポテンシャルの高さを味わいつくせました。
 

 で、ここらへんでMC。
 山田将司が専門時代に常盤線を利用していて、金がないときは柏で引き語りをしていた。すると、あるときおっさんに長淵剛の乾杯を弾けるか?と尋ねられて、その曲を弾いたら5000円を貰ったという話。ほかには、それだから将司はカラオケのレパートリーが多いのかという栄純の反応から、カラオケで山田がAKB48を歌っているという話へ飛びました。そこで岡峰が反応して、ヘビーローテーションはコード進行が面白いとか、日本人が好きそうな作りになっているがいいとかの話。


 そして、この曲をやりにきましたというMCから「世界中に花束を」に。この曲は聞くたびにより洗練されている印象を受ける不思議な曲。より歌にフォーカスを絞っている曲で、しっとりと歌い上げられた詩はいつ聞いても胸に迫りますね。「世界中に花束を」はもはや最近のバックホーンの象徴的な曲、それが誇らしくなるほどに充実していました。


 ここからがラストの爆上げ。新曲の「シンフォニア」クールでグルービーという栄純の狙いどおりに、ライブで盛り上がりつつクールな印象を持っていました。栄純が岡峰を指さすベースの間奏もあったり、と。で、定番の「コバルトブルー」ではいう事なしで盛り上がる。ここでのシンフォニアからのコバルトブルーの流れが実に良くて、はやくも新曲のシンフォニアはライブに馴染んでいる様子でしたね。締めは「戦う君よ」。応援歌に相応しく、個々の並々でない熱量が衝突するバンド演奏でありまして、とことん盛り上がっていました。


 アンコールでは「サイレン」。疾走していくビート感が鳴っていて、切なく暴れたくなる感覚はライブでも健在で、むしろライブだからこそ色濃くなるといった仕上がり。メンバーの乱舞のように暴れるパフォーマンス、そして山田の「イエーイ」という煽りも飛び交って、最後で最高の盛り上がりをみせてライブは終了しました。


 
セットリスト
(2012/5/21 (Mon) 19:00 ~ THE BACK HORN, THE NOVEMBERS @ 柏PALOOZA )


THE NOVEMBERS
dysphoria
Figure 0
瓦礫の上で
ブルックリン最終出口
ニールの灰に
こわれる
彼岸で散る青
holy

THE BACK HORN
シリウス
フロイデ

白夜
人間
怪しき雲ゆき
世界中に花束を
シンフォニア
コバルトブルー
戦う君よ
en
サイレン

 
 今回は初めてのTHE NOVEMBERSであったのですが、とにかく衝撃的なライブでしたね。とくに序盤の迫力にはビビってしまうくらい。絶叫のようなシャウトは、その叫んで いる姿の美しさもあって、すごいものを観てしまったという気分でした。個人的に「dysphoria」「Figure 0」は心から痺れました。いやもう凄かった。THE NOVEMBERSのライブは観客が棒立ちで観ることがある、という話のように、確かにノルよりもじっくりと受け止めたいという気持ちになりました。脳内で「ヤベー」と何度も連呼してしまいましたね。


 一方のTHE BACK HORNは上々の調子でフロアを盛り上げてくれて、「白夜」「人間」「怪しき雲ゆき」ではいつもよりもドス黒さが増していたのがグッときました。特に「人間」はぶっ飛んでいましたね。相当に洗練されていっている印象で、まだまだ怪しくなれるようです。そしてやっぱり「世界中に花束を」が感慨深かったです。ニューアルバムは相当に期待できそうだな、といったライブでした。


 両バンドとも好きだったので、とてもいい思い出になったライブでした。両バンドのちがいも面白くて、素晴らしい対バンだったとおもいます。


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 THE BACK HORN「KYO-MEIライブ in KASHIWA」@柏PALOOZA 12.5.21