単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

「うみのて」のライブに行ってきました


 私が今もっとも注目しているバンド、「うみのて」。あるブログで「今の時代の一番コアな部分を捉えている」と紹介されていて、気になりアップされているライブ映像を見たところ「このバンドは私が夢中になりそう」との予感に誘われ、その予感の正体を確かめるべくすぐにライブを見に行ってきました。それが9月1日のこと。新宿JAMでおこなわれた「僕のレテパシーズの革命パーティー」というライブ。
 

 ちなみに一目ぼれのライブ映像がこちら。
 
「もはや平和ではない」
 


 
 で、実際にこの目でライブを見まして、予感は完全に的中でしたね。さっそく虜になりました。

 MCでは笑いが起こるくらいに会場はアットホームな雰囲気なのですが、いったん演奏が始まったとたんに緊張度が一気に増していって。素朴そうなボーカルが豹変してシャウトしまくる光景とか、サイドギターのゆらゆらとした体をくねらせる色気あるギタープレイとか、なんとも異様な雰囲気に飲まれました。色気があって、地味でもあって、相当に荒削りでいて、それでいて切実に歌を響かせるっていう感じで。加えて端っこで女性の方が鉄琴をコツコツ叩いてる姿も不思議で、パッと見でもステージで映えるバンドだと感じましたね。

 
 私がいったライブがたまたまだったのか、わりとハプニング続きだったのも面白かった。ギターの人がカポタストを忘れたり、楽曲の締めの部分をミスってそこだけやり直したり、ギターを振りかぶったときに衝突が起きたりと、40分くらいに見どころがたっぷり詰まったステージでした。
 

 で、ライブで聞いてグッときたのが「もはや平和ではない」。そもそもこの曲に惚れこんでライブに行ったようなもんでしたので、「もはやぁ平和ではなぁい!!」というシャウトを聞けたので満足でした。

 この曲は、社会ではなくて個人が選択した慎重さが結果として緊張度の高い(平和ではない)日常を作りだすといった、つまりは「如何ともし難い生きにくさ」ってテーマだと私は受け取っています。しかも、それが私たちが「傷つきたくない」という慎重さに起因するってのが絶望的でかつ、結局そんな日常は簡単に壊される「傷つきやすい」日常になっているのも皮肉だなーと。

 なんだかすっごく共感できる詞だったせいもあって「もはや平和ではない」という言葉が突き刺さり、すぐにライブに足を運ぶくらい忘れられないフレーズになりました。それに加えて「笑っていいともやってるかぎり平和だと思っていた(そーですね)」という詞がわりとタイムリーだったりしたのも面白いかなと。ほんと、すげー曲。


 それと「東京駅」もよかったですね。この曲も詞が好きで「気楽なもんさ 誰にも知られずに生きるってことは死ぬってことは」「お前らなんか不自由だ」ってあたりに共感を覚えずにはいられませんでした。ライブでもここが盛り上がっていたようです。もはやどうしようもない、窮地に追い込まれる感覚を身を持って味わえる、すばらしく不健康なステージでした。んでもってそういうのを全てひっくるめて逆ギレするかのような凶暴さがたまりません。

 
東京駅

 


 ツイッターの情報によると、「うみのて」は今冬にシングルをリリースする予定らしいです。これはもう期待ですね。もはや平和ではないので、発売日まで慎重に過ごして生き延びることにします。