単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

pegmap "see you,again"release TOUR FINAL @渋谷CYCLONE 12.9.17


 pegmapのアルバムツアーのファイナル、"see you,again"release TOUR FINAL OME MANを見に渋谷CYCLONEに行ってきました。そのライブレポ。

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  新旧含めてpegmapのほとんどの持ち曲を聞くことができた、いちファンとして感無量のライブでした。
  私はこれが初めてのpegmapのライブでして、何度も話で聞いていたようにライブはやっぱり凄まじかった。派手なアクション、パフォーマンス等はないのですが、その代わりに爆音と歌声にストレートに圧倒されるステージで。ストイックに淡々と進行していく張り詰める雰囲気のなかに、ワンマンということもありどことなく祝祭的なムードが漂っていたりと、最高のワンマンライブになったかと。とくに絶叫箇所あたりはどれも鳥肌モノでした。っていうか、迫力ありすぎてビビったくらいに。

 
 兎に角、この日もっとも記憶に残ったのがアンコール前のラストとなった「ラクシヨウ」。そもそもヤケクソ気味に暴走する楽曲が、さらに発狂寸前のボルテージまで高まっていて、その半端ないキレっぷりは今回の最高潮だと断言できます。ボーカルが力を貯めるようにしゃがんで立ち上がりながら息の続くかぎり絶叫する、というパフォーマンスに度胆を抜かれたりと、クライマックス感もあいまってひたすら圧倒されましたね。いやもうこれはほんとすげえわ。拍手喝采の名演。つーか、これを見れただけでも満足ってくらいに衝撃でしたよ。


 それと同等の迫力があったのが「ねーママ」。濁流のようなバンドアンサンブルが通過して、そしてお馴染みのラストの発狂パートがこれまたヤバかった。叫び散らしていて何言ってるか分からないんですが、そんなことは些細でステージから迫りくるエネルギーの塊に飲み込まれました。
 
 演奏でいうなら「肌色同盟」や「地獄」が存分にヒートアップしていて、キレキレの演奏を見せくれてそれでいてステージでのアクションも目立っていました。「地獄」ではめずらしくギターが向かい合って弾くというシーンもあったり。


 そして、印象に残ったのがハプニングがあった「肖像」。
 ギターを爪弾きながら歌っていたのですが、どうにも歌い出しのテンポが違っていて、これはライブverなのかなと思っていると、しばらくすると「これ違うわ」とボーカルが曲を中断しました。それまで緊張感あるステージが続いていたので、ここにきてまさかのミスでちょっとした笑いが起こっていました。「肖像」は繊細に紡がれるアルペジオからドラムカウントと共に轟音が飛びこむ瞬間が気持ち良くて、そっからの「こうしてまた最新型の人類史上最高の欠陥品の完成です」でじーんとなりました。

  
 ミスといえば、ラストの「日々の泡」でもちょっとしたミスがありました。この日のライブは、ちょっとしたミスがあってもすぐにステージに引きこまれるほどの完成度で、むしろこうしたミスがいいアクセントになっていたかなと。全体に関していえば「丁寧」と呼ぶに相応しい隙のない演奏でしたし、それゆえに私は緊張で息がつまりそうになったくらいで。ラストの「日々の泡」は静けさのあるグッドメロディーに、たっぷりと情感が込められていて、これまたグッときましたね。

  
 そして、個人的に嬉しかったのが「ドラマ」と「AM4:00」と「遠い町」。
 これらの曲は聴けただけでも至福だったんですが、ライブならではの臨場感のある生々しいボーカライゼーションがとても良かった。「ドラマ」の癖のある歌いまわし、「遠い町」の痛い痛い痛いの連呼、「AM4:00」の呻くように声を振り絞る歌、などなど存分に堪能できました。そこまで荒々しくはなく、丁寧かつ非常豊かに歌い上げていたのが印象的。静謐なサウンドに存在感のあるボーカルが響きわたっていて、トリップ感も極上のものでした。



 そして、ニューアルバムからの楽曲も素晴らしかった。暴言が飛び交う「タコ」ではバンドの然とした破壊力を感じられて、ボーカルに負けず劣らず存在感を発揮していましたね。「デザート」は変則的なギターなどの演奏のテクニカルな部分がお見事。地響きのごとき重厚なグルーブ感と、サイレンのように高圧的なギターの組み合わせからの圧倒感は、pegmapのロックバンドとしての魅力が凝縮されていたように感じます。「鏡」に至っては温もりのある音色と切ない詞に、なんともいえないしんみりとした気分になりました。
 
 
 と、大体こんな感じ。
 初めてのpegmapのライブで感慨深い体験をできました。未だに「ラクシヨウ」の衝撃が鳴りやまずに余韻に浸っているところです。これこそがライブの醍醐味ですよね。twitterで他の方の感想を見て回ったところ、やっぱり「ラクシヨウ」を絶賛する声が多かったです。トチ狂った「ねーママ」、激情のグルーブ感の「渦」、キレたように叫ぶボーカルが冴える「遠い町」など、他の曲もいろいろと壮絶だったんですが、それでもやっぱり「ラクシヨウ」に持っていかれた感触がありますね。わけわからないくらいにとてつもなかった。


セットリスト(こちらからお借りしました。覚えきれなかったので感謝。)
pegmap
touch
タコ
渦 
ドラマ 
デザート
肖像
地獄
小さな世界
やや無情
BORED!
AM4:00
キャンバス 
裸の王様
サイレン
遠い町
ねーママ
肌色同盟 
鏡 
ラクシヨウ  

en
日々の泡


 アンコール後のMCでボーカルの山本さんが、「いつも緊張しないようにフロアの方を見ないようにしてるんだけど、今日ここにいるみんなは味方でしょ? それで感動してちょっと動揺した」と発言。ライブ中はずっと目を閉じるように真剣に歌い上げていたので、そんなことを感じていたのかと驚きでした。会場はこの言葉にあるように、じつにいい雰囲気でしたね。

 五年振りのワンマンライブ。ファンになった五年前からいつかライブに行けるといいなと思い続けてきて、ようやくその願いが叶ってライブを見ることができました。感無量。これまでpegmapの楽曲を聞きつづけきて、これからもずっと聞きつづけるんだろうなと確信させる、pegmapサイコー!ってなるライブでしたよ。何度も涙ぐんでしまいました。


 この日のライブは私がpegmapに期待するおよそすべての魅力が凝縮されていたとおもいます。寂しさとか、切なさとか、不安とか、憎悪とか、後悔とか、なかなか扱いずらい感情の発露や慰撫だったり、ユニークなギターを軸とするロックバンドとしてのポテンシャルの高さだったり、なにより胸を締め付けるボーカルの歌声だったりとで。それらをたっぷりと堪能できました。それとしつこいですが、「ラクシヨウ」がほんとにもうスゴかった! あの感動が忘れられずにずっとラクシヨウをリピートして聴いてます。ちなみに私はほぼ最前列でガッツリと見ることできました。

 
 それと、渋谷CYCLONEの照明の演出がライブをいっそう格別なものにしていたと思います。pegmapの活動拠点となるこの箱で、このワンマンライブを見れたってのもまたいい体験ですね。素晴らしいライブをありがとうございます。その場にいられることを幸福に思えたライヴでした。バンドはこれからも続けていくとはっきりと宣言してくれたのでこれからも応援していきたいです。最高の一夜でした。