単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

バトル漫画としてのHUNTER×HUNTERとONE PIECE

 タイトル変更しました。 


 有限の念能力と、無限の悪魔の実の特徴について。
 SRPGとしてのHUNTER×HUNTERと、格闘ゲームとしてのONE PIECEについて。

 端的に説明すれば、容量が有限の念能力と無限に使用できる悪魔の実の特徴が、それぞれの作品のバトルの方向性を決定づけているという話です。

 
 注。
 一年前ほどに書き上げた記事だったのですが、結局まとめきれずに放置していました。あらためて加筆修正しましたが、それでも強引に展開しているところが多々あります。正直、二項対立させているテーマの時点で無理があったと思わなくもないのですが、まあ未完成の記事を公開できるのがブログの利点なので公開します。

HUNTER×HUNTER

 念のオーラは、有限です。それゆえに、念能力は効率よく使用することが戦闘において重要になってきます。


 念が登場し始めたときの、天空競技場でのヒソカカストロの対決時にヒソカが言った「容量のムダ遣い」は、念によるバトルの特徴を分かりやすく示していました。念は無限ではなく、無駄遣いをするとすぐに容量オーバーになってしまいかねいません。有限である以上は、容量の効率的な使用を求められるのです。
 
 カストロは強化系であるのにも関わらず具現化系の能力に容量の無駄遣いをしてヒソカに敗北しましたし、またヂートゥは自身の性格と相性が悪い「サバンナの念空間」の念能力に容量を割いてしまってモラウに敗北しました。
 
    
 それに加えて、念の性質のなかで特徴的なのが「制約と誓約と覚悟」。
 これは、念能力に「制約と誓約」を課することで、念能力を飛躍的に強化させるものです。これらを言い換えれば、選択肢を制限することで容量を効率よく分配することです。制約が強化に繋がるこうしたシステムは念能力が有限であるからこその特徴です。

 
 また、念能力はそのオーラの総量が強さそのものでもあります。
 戦術以前にオーラの差が圧倒的ならば勝負にすらなりません。グリードアイランド編でもビスケがゴンを鍛えるときにオーラの総量を増やすことを重点していました。ハンターハンターのバトルにおいては、相性、戦術、体調までも密接に関わっているので、「強さ」は簡単に比べられるものではありませんが、そのなかでオーラの総量は正確な強さの指標になりえています。

 
 ハンターハンターは、念能力が戦闘の基本システムです。
 これまで語ってきたように、念能力は有限であるのでいかに振り分けるかの戦術が必要で、さらにオーラの総量がそのまま強さになりうるので修業(訓練)もまた必要になってきます。それがSRPGに例えられるのではないというわけです。 
 

ONE PIECE

 一方で、ワンピースの悪魔の実は基本的には使用回数制限はありません。


 悪魔の実に回数制限はありませんが、ギア2のように使用者の体力を消費する場合は無限というわけにはいきません。それと例外的に、不死鳥マルコの能力には回数制限があります。ただこれらの場合を除いては、基本的に悪魔の実の能力は使い放題なのです。

 それゆえに、ワンピースにおいては能力の容量が無限大なので制限する必要がありません。むしろ、いかに能力を駆使して応用していくかが重要になります。  


 ワンピースの特徴としてよく挙げられるのが、修行パートが描かれない事です。
 「空白の二年」を除けば、ルフィが修行するシーンは一切といっていいほど描かれずに、ルフィはバトルを繰り返すことで成長していきます。ここでの成長というのは、様々な敵とバトルを繰り返すことで、自身の能力を応用していくことができるのとほぼ同義です。


 なにより、ワンピースのバトルは能力者同士のバトルが中心です。
 そのバトルで勝敗を決する要因に単純な攻撃力や素早さを持ってくるのは、せっかくの目玉である能力の意味が薄れてしまいます。そのためか、単純な身体能力がバトルにおいてそれほど重要ではないと設定されています。そのためにワンピースでは修行パートを描く必然性がありません。それよりも、バトルを繰り返すことで成長していくことになります。(しかし、あまりに身体能力差があると勝負以前の話になってしまうので、キャラクターの能力を底上げする「空白の二年間」は必要でしょう)


 以前に「ルフィは初めからクロコダイルを倒せたのでは」というコメントを見かけました。
 確かにルフィの身体能力に注目するならば初めから大した変化はないでしょう。しかし、バトルの経験値は初めと比べると断然に違います。そして、ワンピースにおいてはそのバトルの経験値こそが強さになるのです。ルフィはバトルを繰り返すことでしっかりと成長しているのです。

 
 そして、ワンピースのプレイヤーのバトルの経験値が強さになるのが格闘ゲームに例えられるんではないかというわけです。
 バトルを繰り返すことで能力者も、非能力者も必殺技が増えていくのは、格闘ゲームをやっていてコンボ技を編み出すみたいなものかもしれません。あえて悪魔の実の能力者に限定して書きましたが、それらがバトルの中心になっている以上は非能力者も同じく影響を受けているように思えます。ちなみに、非能力者は武器がグレードアップしたり、特技を身に付けてパワーアップしているようです。

 出典は忘れましたが、「そもそもルフィは七武会とは対等の戦闘力をもっているが、能力の使い方を把握していないから、実戦を重ねるごとに能力をの使い方を学んで強くなっていく」という意見がありました。これも同じ考え方でしょう。 
 

結論

 まあ要は、ハンターハンターはキャラクターを修行させながら戦術を練って強くなるSRPGと、ワンピースはバトルを繰りかえしてコンボ技を編み出して強くなる格闘ゲームでとして比べられるんじゃないかということです。ワンピースのバトルの特徴は格闘ゲームと非常に相性がよさそうです。まあ実際にグランドバトルシリーズは格闘ゲームとしてヒットしていますからね。


 まあどっち優れているってわけではなくて、それぞれがこんな特徴があるんじゃないかなって考えてみただけですね。言い訳がましいですが、さすがに数十巻出ている作品なので、バトル一つとっても様々な要素が増えてくるので、一つ要素のみに注目して語るのは無理がありますよね。まあでも大まかな特徴としてはそうおかしくもないんじゃないかと思いつつ、何度も修正しすぎてよく分からなくなってしまいました。




 参考にさせてもらいました
 ゲンスルーは何故あんなに強いのか