単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

ハンター選挙編によって描かれたハンターたちの光と影/協専ハンターについて


 HUNTER×HUNTERのネタ記事。アイデアが尽きないかぎりは続けていくつもりです。
 今回のテーマは、ハンター会長選挙についてと、それを通じて描かれるハンターたちの光と影について。および、協専ハンターについて。ほとんどが推測による内容です。

※31巻までの内容が書いてあります。

 ハンター会長選挙の特色を一言で表すならば、人気投票のようであったこと。

 ハンター選挙編の印象的な出来事といえば、レオリオがジンにキレた事件があります。
  これによって一気にレオリオに票が集まりなんと第3位の得票数になりました。この出来事が意味するのは、ハンターたちは「面白そう」だったり「いい奴そう」だというノリで気持ちで投票するということでしょう。少なくとも政治的な意味は薄いように見受けられました。

 他にもハンターたちの選挙における態度が分かる出来事として、いわゆるアイドル的なキャラクター(ナース、ビスケ)が投票されていましたし、レオリオにぶっ飛ばされたジンに同情票が集まったことを考慮しても、ハンター会長選挙は一部のハンターたちにとっては政治的な意味が薄い選挙なのです。一部のハンターたちにとってイベントのようなものでしょう。


 そして、ネタバレになるので詳しくは書きませんがその後の展開を見ても、ハンター会長選挙はハンターたちにとって人気投票のようなものだと推測されます。あくまで、一部のハンターたちにとってはですが。


 これはなぜかといえば、基本的にはハンターライセンスを手に入れた時点で、公共機関を使用できる等のメリットによってハンターたちは生活に困ることはなく、ハンターライセンスを売れば7代にわたって遊んで暮らせるという話もあって、ハンターになりさえすればハンター協会に頼らなくとも生活が保証されているからです。

 それに、そもそもがハンター協会の存在意義は政治や利潤ではなく文化事業が中心ですからね。ハンターという職業が主に文化的業績によって評価されていることも関わってきます。


 要は、一部のハンターたちは団体や組織に属さずとも、個人でやっていけるのです。なので、ハンター協会の会長が誰であろうと特に影響はないので、ハンター協会の会長は「面白いやつ」とか「熱そうなやつ」でいいってくらいのノリになるのでしょう。 浮動票の多さと、イベント的なノリはそこから生じているのだと思います。そうやって支持されていたのが前会長のネテロだったというわけです。

 しかし、なかにはそうではないハンターたちもいます。
 彼らはおもに協専ハンターという存在です。協専ハンターというのは「仕事の成否に関わらずリスクや難易度に応じた一定の報酬が協会から保証されている」仕事を専門にこなすハンターたちの名称で、パリストンの例からするにハンター協会に癒着して恩恵を受けているとっても過言ではありません。みながそうというわけではないと思いますが、そもそも彼らはハンターの理念に逆らっているので、モラウなどのハンターに軽蔑されている存在でもあります。


 独立しているハンターたちとは違って、協専ハンターたちにとってはハンター会長選挙は当然ながら死活問題になります。彼らは協会から斡旋される仕事を頼りにしているので、訳も分からないやつが会長になって仕事が斡旋されくなったら困りますから、利害関係を考慮して投票しなければならずに、一般的な選挙同様に政治的な意味を持つのです。要するに、ハンター会長選挙というイベントで「遊べない」ということです。


 ハンター会長選挙は、あるハンターたちにとってはイベントである一方で、あるハンターたちにとっては仕事でもあるわけです。いってみれば、こうしてハンターたちが選挙に対してそれぞれどのような態度を取れるかによって、ハンターたちの光と影を間接的に描いているとおもいました。 

 
 これまでハンターといえば、ゴンやキルア、ネテロなどの夢や希望に溢れたハンターたちがメインで登場してきました。
 しかし、誰もが憧れるハンターといえでも夢と希望に溢れているだけではないんですよね。ハンターになったからといって豪遊したら資金も尽きるだろうし、ちょっとした失敗で借金を抱えこむ恐れも充分にある。ハンターに合格した者の5人に1人が、一年以内に何らかの形でカードを失っているという話も、それを表していますね。ハンターの誰もがみなゴンたちのように順調にいくわけではなく(もはや順調とはいえませんが)、生活と安全のために批判される協専ハンターに成り下がってしまう現実もまたある、というわけです。

  

まとめ

 ハンター会長選挙編では、ハンターたちの自由さ、愉快さといった気質があらためて分かった一方で、組織に属して飼い犬となったハンターたちの現実も描かれることになりました。ハンター会長選挙というエピソードは、ハンターたちの光と影が描かれることになった重要なエピソードかもしれません。


 一寸先は分からない。一生不安定。しかし、こうして危険に満ちている厳しい世界だからこそ、ゴンたちの冒険はかけがえのないものになるのでしょう。希望や好奇心が危険を乗りこえていくハンターハンターはやっぱり面白い。最高にワクワクさせてくれる漫画ですね。