単行のカナリア

感じて想する

THE BACK HORN 「何処へ行く」全曲演奏ライブ @Zepp DiverCity TOKYO 13.1.18


 SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Liveに参加してきました。

 ライブ全体の感想は後日に書くとして、まずはわたしがこのライブに参加することにしたキッカケである、肝心のTHE BACK HORN「何処へ行く」全曲演奏ライブの感想を書いていきます。


 アルバム全曲演奏をというだけでレア感があるライブなのに、今回のライブはなんといってもインディーズ時代の名盤「何処へ行く」の全曲演奏なわけですよ。「何処へ行く」は個人的にも思い入れがある大好きなアルバムなので、予定も特になかったので迷うことなく参加することにしました。


 そんなわけで、いてもたってもいられないほどの期待を込めて参加したわけですが、この日のライブはそんな期待を余裕で超える凄まじいものでした。特に山田将司のボーカル、パフォーマンスは強烈で相当にイカレていましたね。裸足でしたし。ちなみに、THE BACK HORNはライブのトリでした。

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ライブレポ

 今回のライブは事前に紹介されたいたように「何処へ行く」の全曲演奏で、しかもアルバムの曲順に演奏する、いわば「何処へ行く」の完全再現ライブ。もちろん選曲なので「雨乞い」も演奏?されました。

 
 SHEENA & THE ROKKETSで楽しんで、AA=で暴れて、ORANGE RANGEでノッてからの、最後のTHE BACK HORN。ファンの期待が高いせいかライブが始まる前からぎゅうぎゅう詰めに。転換もスムーズに行われ、満を持してTHE BACK HORNが登場。拍手も一際大きいような印象。


 初っ端の「ピンクソーダ」のから尋常じゃない盛りあがりでした。
 観客の割れんばかりの歓声に応えるように、バンド側のテンションも高くて縦横無尽にステージを暴れ回って。特に山田将司のボーカルが鬼気迫っていて、喉を絞り上げて叫び散らし、ラストの「こんな世界なんて爆弾で吹き飛ばしちまう」ときは鬼のような形相をしながらの全身全霊の咆哮。思わずビビってしまったほどに凄まじく、さっそく鳥肌が立ちましたね。


 つづいての「カラス」では静かで激しいバンドアンサンブルのなかで、艶っぽく歌い上げて会場にセクシャルなムードが充満していきました。曲の途中で山田将司の顔ギリギリに菅波栄純が接近するサービス?があって悲鳴のような歓声があがったりも。山田将司の歌声とダンスがあまりにいやらしすぎたせいで、盛り上がるというよりかはつい見惚れてしまいました。静寂では息を呑んでしまうほどの緊張感があったのもナイス。
 

 そして、人気曲の「冬のミルク」。この日は初期の楽曲の流れもあるのか、普段よりも力強く演奏されているような気がしました。山田将司が声を枯らしながら歌い上げる様にグッときたり、透き通るような純粋なサウンドに切なくなったり。なんといっても、「ピンクソーダ」、「カラス」の後の「冬のミルク」だったので、そのギャップがグッとくるものでした。やっぱこの流れでの「冬のミルク」がたまりませんね。


 そして、松田晋二さんによるMCへ。THE BACK HORNSPEEDSTAR RECORDSと共に育ってきたこと、今だからこそ音楽の力を信じていこうといった内容を熱心に語っていました。

 
 「魚雷」では爆発的な盛り上がりをみせて観客の熱狂にますます拍車がかかっていて。凶暴なバンドアンサンブルに打ちのめされつつ、憎悪を込めてがなりたてるボーカルに痺れました。まったく鈍っていないどころか、ちょっとした殺意すら漂っていたり。「魚雷」がマイルドになってしまうかもしれないという不安はまったくの杞憂でしたね。メンバーたちはかっこよくイカレていたので圧倒されました。


 で、いよいよ「雨乞い」ですよ。
 一体どうなるか注目でしたが、予想以上にヤバいことになっていましたった。穏やかで危うげなサウンドが鳴り響くなかで、メンバーが「あー……」と不気味なうめき声をあげ、そして山田将司が怨霊に取り憑かれたかのように手を叩き鳴らすという奇妙な光景に。あまりのシュールさに笑いすら起きずに会場が静まり返ったのも面白くて。ちょっとした放送事故のようなヤバさがありましたね。


 さらに、「雨乞い」の後の「怪しき雲ゆき」では観客のテンションも最高潮に。どうやら雨乞いが上手くいったようで「怪しき雲ゆき」では怪しいムードに会場が染まっていきました。背筋がぞくぞくするくらいに怪しかったですね。この楽曲ではファンの一体感もかなりのもので、発狂箇所ではみんな仲良く発狂していました。ちなみに発狂箇所というのは「ヴォォー」ってとこ。この不気味な曲で一体感を味わえるなんて、なんというかファン冥利に尽きますね。


 この段階で、ギターストラップがびしょびしょになっていたくらいに菅波栄純が頭を降ってよだれ垂らしながら弾き暴れていたのが印象的。もしかすると、よだれも初期仕様なのかもしれません。(よく分からないけど)
 

 そして、山田将司さんのMCへ。SPEEDSTAR RECORDSの20周年を祝う、「お互いにいい歳の取り方をしていきたい」 という言葉にグッときました。


 それからの「晩秋」はただただ素晴らしかった。
 真っ直ぐに演奏されることがなによりの魅力になる純粋な曲なんでしょうね。ラストでは声を枯らすほどに気持ちを込めて歌われているのを聞いていると目頭が熱くなりました。あらためて思ったけどやっぱり良い曲だ。飾ることがない真っ直ぐさが心を打ちますね。なんというか、私はセンチメンタルな気分を越えて泣く寸前に。


 ラストは「何処へ行く」から「何処へ行く」。 
 そもそもが大好きな曲で、さらにこの日は「何処へ行く」のアルバムの流れもあったせいか、この日もっとも心を掴まれたステージでした。現在のTHE BACK HORNが演奏してもまったく遜色がないどころか、「世界中に花束を」で「僕ら何処へ行く 何処へ行っても またここに帰るだろう」という歌詞のように今でこそ演奏する意義もあるように感じられて、とても感慨深かったです。色々な思いが込みあげてきてどうしようもないほどに切なくなりました。やっぱり色褪せることがない名曲であることを実感。

 

 で、もう終わりかと思ったのですが、まさかのアンコールで「無限の荒野」。
 しんみりとしたムードから一転して熱狂の渦へ。無限の荒野では、ギターとベースが間近で向かい合って引き倒すシーンや、山田将司菅波栄純に肩車しようと股の間に頭を差し込んだりするシーンもあったり。もちろんそれは無理でしたが、それくらいにメンバーもはっちゃけていましたね。あと岡峰光舟の眩しい笑顔が印象的でした。ファンの一体感は勿論のこと、山田将司の「イエーイ」の煽りも絶好調で、けたたましいくらいの歓声が響いていました。文句なしのラストフィナーレ。心ゆくまで楽しめました。

セットリスト


ピンクソーダ
カラス
冬のミルク
魚雷
雨乞い
怪しき雲ゆき
晩秋
何処へ行く

en
無限の荒野


 

感想


 この日はなんといっても山田将司が絶好調だったかと。イカレつつイカしていました。全体的にメンバーのステージパフォーマンスも派手になっていて、お馴染みの山田将司の奇妙なダンスはいつも以上にくねくねしていたり、倒れそうになったりと一際ぶっ飛んでいましたね。

 
 この日のライブは。原曲の魅力にバンドの進化したポテンシャルが上乗せされていたといった感じで、狂気も、純粋さも、不穏さも、哀愁も、見事にブラッシュアップされているような感覚を味わえましたね。
 「ピンクソーダ」や「魚雷」で熱狂させられて、「雨乞い」で度胆を抜かれて、「カラス」や「怪しき雲ゆき」で興奮させられて、「冬のミルク」「晩秋」「何処へ行く」で涙腺も琴線も揺らぶらて。特に「晩秋」と「何処へ行く」は泣きそうになるのをこらえるので必死だったくらいに素晴らしかった。

 
 「何処へ行く」の若さゆえの狂気と純粋さが溢れる過去の名曲群を、バンドとして何倍もビルドアップした現在のTHE BACK HORNが演奏するってのはじつに味わい深いものでした。 

 当初は現在のバックホーンが再現しても、歌い方もメンバーも変わっているからまったく別物になるんじゃないかと不安もあったのですが、そんなことはなくてむしろって感じでしたね。そもそも当時のライブを見たことがないので比較はできないので、とにかく私は最高だった言いたいわけです。
 

 「何処へ行く」全曲演奏ライブは、素晴らしい一夜になりました。昔のTHE BACK HORNがあるからこそ今のTHE BACK HORNがある。何も変わらないし、すべてが変わっていく。あらためてTHE BACK HORNというバンドの素晴らしさを体験でしたライブでした。



 ちなみに、この日のライブは後日に放映されるようです。色々と見所に溢れたライブでしたが、個人的に「ピンクソーダ」のラストの山田将司イカレっぷりは必見。