単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

特撮 「パナギアの恩恵」発売記念ツアー @LIQUIDROOM 13.1.26


 特撮のライブを見にいってきました。


 会場は、恵比寿LIQUIDROOM。私が到着したのが開場時間前ギリギリで、会場はすでにバンドTシャツを着てタオルを首に巻いたファンで大混雑。ファン層はゴスロリからパンクスまで老若男女の様々な人達がいました。

 この日が「パナギアの恩恵」発売記念ツアーのツアーファイナル、チケットはソールドアウト(残り6枚)だったようです。演奏もMCもボリュームたっぷりのライブでした。

ライブ

 「オム・ライズ」からのスタート。オーケンとファンのコール&レスポンスは好調で、最初から熱気がすごいことに。掛け声がバシッと決まるとかなり気持ちいいですね。「バーバレラ」ではNARASAKIさんの鬼バッキングに興奮しつつ、特撮ならではの熱さがある切ないムードにどっぷりと浸っていました。
  

 MCその一。
 曲が終わったあとに、オーケンがずっと泣く真似をしつづける変わったパフォーマンス。どうやらオーケンは前回のライブの後に風邪を引いてしまったようで、このライブが始まるまでに会ったのはミスドの店員のみだったようです。それで、オーケンの「お前らに会えて嬉しいぜー。まあでも、人間に会うと誰でも嬉しいけど。いやでもお前らだからこそ嬉しいんだぜ」という言葉に歓声が沸いていました。そして、「今日はツアーファイナル、特撮のポイントカードがいっぱいだ。お前らはミスドの店員だ。ポイントを一杯押せ」とさっそくグダグダし始めたところで次の曲へ。
 

 「ヨギナクサレ」はエディの神々しいイントロから一転して重厚なギターサウンドに突入するのがやっぱりカッコいい。ライブではこの切り替えのダイナミックさが段違いですからね。掛け声パートが多かったり、エディのソロがあったり、ヘドバンパートがあったりと盛り沢山。そして「スタンプを押せ押せー」という煽りから「薔薇園オブ・ザ・デッド 」へ。ライブでの迫力はすごいですね。エディの切ないピアノが響き渡るなかでタフなパンクサウンドが鳴り響いて。歌詞はいまいち分からないけど、とにかくカッコよかったです。


 「くちびるはUFO」は先ほどとガラッと変わって切ないムードに。先ほどの曲とのギャップもあって会場にセクシャルなムードが漂っていい感じでした。「ワンワンここ掘れワン」の掛け合いは妙に面白かった。会場一体となって「ワンワンここ掘れワン」と合唱するのはかなりシュール。しかも、切ないムードのなかでっていうのが余計に。


 MCその二。
 オーケンがファンから貰ったお手紙を読みはじめました。それは「くちびるはUFO」の「ワンワンここ掘れワン」はどういうプレイなのですか?という内容。オーケンは「どういうことなの?」とエディとNARASAKIさんに聞いたけれどスルーされ、ARIMATSUさんに聞いたら「尻を掘るってことだよ」とまさかの解答で会場が盛り上がりました。

 それを聞いたオーケンは、「違うよ。そういうことじゃなくて、もっと前頭葉に働きかけるように」としどろもどろになって否定していたのが面白かったです。あとその手紙で「大槻ケンヂさんはここ惚れワンという言うのと言わされるのはどっちが好きですか、私は大槻さんは後者だと思います」というところでも盛り上がっていました。

 それから、名古屋と大阪で活躍したというトラッキードアラを紹介したあとにボースカが登場。大阪と名古屋のライブでボースカを忘れてしまったことについてボースカが怒っていました。「ここ掘れワンって言ってみろよ」と。さらに、オーケンは子供が欲しいようで教育番組にハマっていてそこに出演している子供の握手会に行きたがっていたということもボースカが暴露していました。



 そして、「俺、オーケン47歳」から鉄板の「文豪ボースカ」へ。レゲエからハードコアと楽曲のふり幅がたまらない曲で、中でもNARASAKIさんがヘドバンしながら引き倒しているのがかっこよかった。途中でオーケンが歌詞が飛んでしまってそこをNARASAKIさんがカバーする場面もありました。「Go Go!マリア 」は会場が手を叩いて歓声を上げるパートがあり、ライブならではの一体感を存分に味わえました。そもそも楽曲のテーマとして観衆の歓声がマリアに生命を吹き込むというもので、そういったテーマもあるのでライブでこそ!って感じがあって感慨深かった。つづいての「人として軸がぶれている」は安定の盛り上がりでした。


 MCその三。
 これまでのツアーのMCを振り返る会話。ダイオウイカ体罰問題や友達の夢の話など。一番盛り上がったのは学生時代の合唱についての話題で、エディが中学生の頃に聖歌隊をやっていたようで、それをエディが実際に歌っていたところだったかと。あと、RIKIJIさんがオーケンが目を合わせてくれないというやり取りのなかで、RIKIJIさんの「イカと目を合わせるのに僕とは目を合わせてくれないんですね」という言葉はかなり笑わせてもらいました。


 後半戦へ。

 「タイムトランスポーター2 (略」は物語調の楽曲でじっくりと聞くような印象でしたが、これがライブでは思いの外盛り上がりますね。特にNARASAKIさんのギターサウンドが音色豊かで聞き応えがありました。つづいての「桜の雨」は、しみじみとする充実した演奏で、オーケンが衣装チェンジするために舞台から去ったときの、間奏のバンドアンサンブルが哀愁溢れていて心に沁みるものでした。ピアノ音色もしんみりとするもので、ARIMATSUさんのドラムプレイも見応えがありましたね。「テレパシー」ではオーケンが声を荒げながら歌い上げているのが良かった。


 MCその四。
 ここで事前に告知していた発表へ。一つは、追加公演決定。もう一つは、しょこたんが主役でヌイグルマーの映画化。追加公演は渋谷クワトロで、クワトロには「柱がある」という流れから、なぜか「柱!柱!柱!」と掛け声をすることに。今となって思い返すと、不思議なノリでした。
 その後は、オーケンが「アルバムの感想をそれぞれ叫んでくれー」と煽って、その中の「いつもと違って良かった」という意見が嬉しかったようでそれを繰りかえしていました。さらに「またそれぞれの感想を言ってくれ」と尋ねると、今度は観客みんなが「いつもと違って良かった」と揃えたので、オーケンが「そうじゃないんだよ」というくだりでグダグダになったところで「ヌイグルマー」へ。


 ここからは怒涛のラッシュ。しんみりとした後は「ヌイグルマー」、「綿いっぱいの愛を」でさらに盛り上がる。どちらも特撮のアンセムというべき熱く変わっている曲でライブでの盛り上がりはさすがのもの。個人的に大好きな「5年後の世界」は過去の名曲とすっかり馴染むようになっていてサビの合唱パートではとんでもないもの熱量がありました。ハードな演奏が盛り上がりに拍車を掛ける。

 つづいての「林檎もぎれビーム!」でも会場の一体感がすごくって、「あいつらにだ!」の部分がビシッと決まっていて素晴らしかった。RIKIJIさんがピックをくわえながらのベースプレイがド派手で相当かっこよかった。
 ラストの「ケテルビー」では大好きな曲ということもあってヘドバンの波に流されながらじっくりと堪能していました。デスボイスパートの代わりにNARASAKIさんが「クワトロに来てねー」というアドリブ。ラストに相応しくラーラーラーの大合唱でひとまず終了。


 アンコールへ。
 エディが登場して「Arion 」。その後にオーケンがちょっと眠ってしまうくらいに心地よかったと言っていましたが、私もそれくらいに心地よくなってしまったピアノソロでした。エディのピアノがあってこその特撮ですから。オーケンが椅子に座りながらの「ミルクと毛布」。実をいうとアルバムを聞いていてもしっくりこない曲だったのですが、ライブで聞いていると素直に良い曲だなーと感じましたね。
 
 
 そしてラストスパートへ。「13歳の刺客 エピソード1」ではRIKIJIさんが上半身裸になって刺青を露わにしたり、オーケンがイントロとアウトロで一人殺陣をやっていたり、NARASAKIさんが妙なダンスをするシーンがあったりと、メンバーもノリノリ。「アベルカイン」ではお馴染みのコール&レスポンスで最高の盛り上がりを見せていたかと。やっぱり特撮はこの掛け合いが楽しいんですね。
 ラストの「じゃあの」は、アルバム「パナギアの恩恵」でも一番お気に入りの曲、エディの切ないピアノ、屈強なバンドサウンドオーケンならではの切ない詩と、まさに特撮の魅力が詰まっていたと思いますね。最後に相応しく哀愁と疾走感に溢れていて、いいラストでした。


感想

 前回のライブテーマであった「ソリッドでシンプルなライブ」とはまったく異なって、ライブ演奏とダラダラとしたMCでもとことん楽しませてもらったライブでした。この日の私は疲労がたまっていて、あまりにハードだったらぶっ倒れるんじゃないかって心配だったので、MCパートが多かったのが丁度いい感じのライブでしたね。本人たちはダラダラとしたMCと言っていましたが、笑いどころはけっこう多かったので楽しめましたね。


 あらためて特撮のライブに参加して思ったのが、特撮のファンは年齢層もタイプもまるで異なる人々が一堂に集合しているのがなんかいいなーと。共通点なんてみんな特撮のファンってことくらいですからね。ライブ中の周りにいた方々も年配のご夫婦やゴスロリさんとかで、そういう様々人達の集合なのでまさにイベント!って感じがするんですよね。そこで、「ワンワンここ惚れワン」や「猫猫猫猫犬犬犬犬」と合唱したり、「Go Go!マリア 」で拍手喝采したりと一体感があってなんかいい雰囲気だなーと感じていました。

 
 思った通りに「薔薇園オブ・ザ・デッド」や「Go Go!マリア 」はライブで盛り上がって、「くちびるUFO」や「ミルクと毛布 」などライブで聞いてさらにハマった曲もあって、あらためて参加して良かったと思いますね。それになんといっても最後の「じゃあな」での締めが素晴らしかった。ハッピーになれる一夜でした。

セットリスト

オム・ライズ 
バーバレラ 
ヨギナクサレ 
薔薇園オブ・ザ・デッド 
くちびるはUFO 
文豪ボースカ 
Go Go!マリア 
タイムトランスポーター2「最終回 ジャンヌダルク護送指令‥放棄」
桜の雨 
テレパシー 
ヌイグルマー 
綿いっぱいの愛を 
5年後の世界 
林檎もぎれビーム!

En 
Arion~Hommage a Claude Debussy
ミルクと毛布 
13歳の刺客 エピソード1
アベルカイン 
じゃあな