単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

名作シングルシリーズ第一回 NUMBER GIRL「DESTRUCTION BABY」


 名作シングルのコレクションの中からお気に入りの一枚を紹介する企画。
 第一回目は、NUMBER GIRLの「DESTRUCTION BABY」。


 as

 「DESTRUCTION BABY」
 1.DESTRUCTION BABY
 2.TEENAGE CASUALTIES
 3.CRAMP DISCHARGER
 4.DRUNK AFTERNOON


 名曲が四曲入りの名盤。

 NUMBER GIRLは名作が数多くありますが、私にとっての二番目のお気に入りはこのシングル「DESTRUCTION BABY」です。「」初めて聞いたときの衝撃はそれはもう相当なものでした。計13分くらいのコンパクトなシングルですが、そこに詰まっている熱量は凄まじいものがあります。

 余談ですが、一番目のお気に入りは「ライヴ・アルバム ~サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態」。


 このシングルの魅力をひと言でいうなら、ミドルテンポの鋭角的オルタナサウンドで演出する気怠さと緊張感、です。

 「TEENAGE CASUALTIES」を除けば、疾走感に溢れた曲はありません。全体的にテンポが遅くてゆったりとしていてます。それはもう気怠いくらいに。放課後の喧噪とか休日の昼下がりとかそんな感じで。
 
 しかし、このシングルはそのテンポのダルさがいいんですよ。
 「曲のテンポが遅いと、一拍に込められる情報量が多くなる」という言葉にあるように、そのミドルテンポのなかにアヒトイナザワの超絶ドラミング+フィルや田渕ひさ子のギターノイズが贅沢に凝縮されています。そして、ミドルテンポでの向井秀徳のシャウトがこれまた半端ではありません。それぞれの各パートが徹底的に破壊的なんです。  
  
 
 それと、ナンバーガールの特徴の一つの焦燥感がこのシングルでは色濃く出ていて、相当なまでにヒリヒリしています。テーマも、若者の刹那的な都市生活がつづられているので尚更。じわじわと緊張感が増していって興奮が高まっていって、しかも、それらが際限なくせり上がっていくから、シングルを聴き終えた後は熱に浮かされた感覚に陥りますね。


 なんというか、カロリーが凄いんですよね。シングルなのにこの熱量ってちょっとおかしいんじゃないかってくらいです。田渕ひさ子のギターサウンドが尋常ではない狂い方をする「TEENAGE CASUALTIES」が二番目にあるのも好きですね。


 ちなみに、「DESTRUCTION BABY」は1stアルバムと2ndアルバムの合間にリリースされたシングルで、デイヴ・フリッドマンが関わるようになってからの初めての作品。録音状態も素晴らしい名作シングルです。
   
 
 まあ実際は言うほどテンポが遅いわけではないんですけど、じりじりと差し迫る鋭角的オルタナサウンドは体感感覚でスローに聞こえてしまうのでした。

 


 
 
ついでにナイスなチップチューンアレンジも紹介。