単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

6月9日にバズマザーズのワンマンライブに行ってきた

 
 6月9日にバズマザーズのワンマンライブに行ってきました。バズマザーズは私が大好きなバンドで、今度の新作がとんでもないことになりそうなバンドです。このライブはチケットの予約がライブハウスのホームページのみで実施していて一日も経たずに完売になっていました。私はチケットを予約するために酒を飲みながら待機していて潰れて寝てしまって朝五時頃に目が覚めてすぐに予約して事なきを得ました。状況からしてかなり危なかったようです。

 というような試練があったライブだったのでここに集まったのはバズマザーズのコアなファンなのでしょう。ライブでのモッシュ率がほぼ全員ってくらいに騒々しくて、狭いライブハウスが熱気と歓迎であふれていました。しかも、「すばらしいライブは観客をひとりにする(うる覚え)」って言葉にあるように、なんか個人がそれぞれ楽しんでいる感じがあってその雰囲気もいいものでした。もちろんそのなかの一人がこの私。誰が好きでもいいんだけどさすがにバズマザーズには肩組んでイエーイとかそういう猿の学生のノリに侵されてほしくないしそもそもその心配はなさそうでした。
 
 この日のライブでは、明後日発売されるニューアルバム「THE BUZZMOTHERS」からの新曲をいくつか聞くことができました。バズマザーズは作品をリリースするたびにすばらしくなっていて、この日に聞いた新曲もどれも長い付き合いになるであろうすばらしい曲ばかり。ライブ中に考えていたのは、今度のニューアルバムは底なしに期待しても問題ないなってことばっかりでしたし。詩も音も鋭角的になっていていっそうハマりそうです。いまは「楽しさ」を共有する時代らしくてそういうノリが流行っているらしいんですが、バズマザーズに関してはそういうことがなさそうなので安心しています。

 で、これが初めてのバズマザーズのライブだったんですが、演奏は想像以上に骨があって聞き応えがありました。ギターサウンドエフェクターを多用して音作りをしているからライブでは軽くなっちゃうんじゃ、とか予想していたのはまったくの思いちがいでした。狭い箱のなかで耳をつんざく高音ギターはほんと最高。あと、ドラムの物量が相当なもんですね。ギターもベースもわりとメロディーに特化しているから、音の隙間をドラムがひたすら叩きまくって埋めているから物量がすごい。新曲のドラミングとかなんかもうさらに凄かった覚えがあります。

 しかし、この日はほんとうに盛りあがっていました。「バックステージジャックガール」は案の定、演奏がK点越えしていました。「ヤンキーズカーシンコペーション」での「ヤンキーズカーが行きかう」って掛け声の一体感とか、新曲の「スキャンティ・スティーラー」がさっそく受けいれられたことととか、アンコールでの「さよなら三角、またきて四角」では内田社長が登場してみんな青春パンクをしたりとか。気合入ってた演奏に呼応するように会場の熱気もかなりのものでなかば酸欠状態に、ってくらいに盛りあがること。アウトロが派手になっていた「心が雨漏りした日には」がやけに心に響きました。これ、元ネタの中島らもの小説もこの曲も好きなんですよね。曲調はカラッとしているけど内容は重く鈍いっていうのが。また、「あの頃、モダンバレリーナ」とロカビリー調の曲は、ライブで爆音で演奏されるともはやロックンロールになってました。ハヌマーン時代からは「アパルとの中の恋人たち」を演奏していてすごくしんみりとしていました。

 バズマザーズは個人的な独白、または場末での内省、そんな感じで他人が自分を代入するのが困難な唄だと思っていて、その唄でわいわいがやがや騒いでいるっていうのは不思議に感じて面白かったです。入場するときの紹介で「バズマザーズの魅力は唄だ」ってありました。私もまったくの同感です。最後の曲はアンコールの「雨に唄えば」でして、唄が魅力のバンドにふさわしい幕引きでした。6月9日のロックの日のワンマンライブを来年も開催するということなのでそれを拠り所にして勤しむ次第であります。



 でも一番楽しかったのはこの「キャバレー・クラブ・ギミック」。