単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

2014/09/09

 
 今やっているこれは、日記というよりか雑記というほうが適切であることに気がついたけど、気がついていない振りしていつも通りにつづけていきます。今日は漫画の話ばっかりします。
 
 一つ目は、私がハンターハンターの読者から信者にレベルアップしてしまった出来事について。私が数年前に「面倒くさい」について片っ端から本を読んでいたときに、面倒くさいが狂いの始まりと断言する「「狂い」の構造」という本を読みました。それがこのブログでも紹介したくらいにめっちゃ面白くて、さらにその筆者の一人である平山夢明に興味をもちました。その方は小説家だったので彼の小説を読んでみようとたまたま手に取ったのが「他人事」という短編集です。で、ここからがその出来事になりますが、その短編集のあとがきを書いていたのがなんと冨樫義博だったのです。Wkipediaによると冨樫義博があとがきを書いているのはこの小説のみらしいです。その偶然によって私はハンターハンターの信者と呼べるような存在にレベルアップしました。まあ正確にいえば、彼への信頼感が急上昇したってことです。ちなみに、平山夢明の「他人事」は少年ジャンプの対極にあるような短編集なのであまりオススメできません。悪意と不条理の上質なエンターテイメントなので。あと、あとがきは悪いことが書いてあって面白かったです。


 二つ目は、古谷実の話。それで、別の話になりますが、一カ月くらい前に古谷実の漫画をすべて読みかえしました。そのとき気づいたのが、「シガテラ」で問われていたことが数年後に「ヒメアノ~ル」で答えていたことです。その問いというのが「普通から極端に逸脱してしまった嗜好がある人間はどうなってしまうだろう」というものです。で、「ヒメアノ~ル」ではその「逸脱した嗜好」の持ち主として他人の首を絞めることのみに欲情するキャラクターが登場します。結局そのキャラクターがどうなったかといえば、最後の最後が自分の嗜好に絶望していたってシーンが描かれます。「ヒメアノ~ル」はすべてがそのシーンに収束されるので、「シガテラ」の「どうなってしまうの」という問いが「どうしようもなくなってしまう」という答えになった結末は途方もない虚無感がありました。
 
 
 三つ目は、志村貴子の話。今期、一番関心があるアニメは「アルノドア・ゼロ」。私はそのキャラクターデザインを担当する漫画家の志村貴子の熱心な読者でした。過去形である理由は、初期の「ラヴ・バズ」と「敷居の住人」のみを熱心に読んでいるからです。他の作品もそれなり好きなんですけど、先に挙げたふたつの作品は何度も読みかえしている特別な作品です。なにが特別かっていうと、志村貴子の初期の作品は「ルックスがいいダメ人間」っていうニッチな魅力的なキャラクターを描いていて、それが特別でとてつもなく魅力的だったんですよ。ルックスがいいからこそ追求できるダメさ加減があって、そのダメさ加減は他でしか味わえない生温さとダメさがって心地よかったのです。過去形の話ってあんまりするもんじゃないなって思いました。 

 娯楽には、漫画、小説、音楽、映画と色々とありますが、私がもっとも金と時間を消費しているのは実は漫画だったりします。以上、漫画の話でした。

 ちなみに、今年のオススメはぶっちぎりで阿部共実の「ちーちゃんはちょっと足りない」ですね。去年のオススメはまだ完結していませんが「狼の口」です。どちらの作品も心がごりごり削られていくような作品ですので余力があるときに読むことを推奨します。