個人的には、むしろ、今まで受賞しなかったのが不思議。だってあんなに可愛い三姉妹がいて魅力的な三姉妹がいるのに。
3月のライオン。3巻まではほのぼのと読んでいました。優しさと優しさが繋いでいく人と人。そんな感じのヒューマンドラマ。
この漫画は、細かいところまで台詞や背景が書きこまれていて、読み応えは勿論、一つ一つのギャグもセンスが抜群。それでいてテンポもいいから面白くないわけないと思います。
それまでの物語の根本にあるのは、メガネ草食系トラウマ継続型プロ将棋主人公の成長物語。先ほど述べた三姉妹と関わり合って、主人公がすくすく育っていく光景が、微笑ましくて和みます。ホントにいい三姉妹なんですよね。
しっかりものでおっとりしている大人の長女。活発で元気な中学生の次女。わんぱくで幼い三女。ちょっとして家庭問題を抱えていますがお互い助け合って楽しそうに暮らしています。その三姉妹を様子を見ているだけでも充分に楽しめる。
でも、3巻から物語が大きく動いてきます。もう一つのこの物語の根本にある「勝負の世界」も真っ正面から描かれるようになってきました。
特に敗者ついて繊細に描いています。四巻でスポットライトが当たる島田さんからは「悔しさ」や「悲しさ」が切に感じとれます。僕がこの漫画の一番好きなところがここです。才能がなかったものでもそれなりに輝いていられる、このあたりは才能がない(今のところ見出せない)僕としては強く共感してしまいます。
作者「羽海野チカ」さんは前作「ハチミツとクローバー」でも同様のテーマを扱っていました。あの漫画も好きです。
3月のライオンは優しさをこれだけ描いていても、勝負の世界の過酷さからはまったく目を背けることがない漫画。
けっして穏やかなタッチに騙されてはいけません。この物語に登場するのは紛れもないライオンです。草食系の代表選手のような主人公もしかり。
6巻が楽しみでしょうがないです。
次は、いよいよ姉妹に助けられた主人公が三姉妹を助けるときが来た!
あと、3月のライオンがアニメ化されたときの主題歌はスピッツでお願いしときます。
最後に、五巻のカラーページのあかり姉さんはえろすぎます。未成年は要注意。
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