単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

ライブメモ syrup16g 23.7.5 京都磔磔

スマホから。ライブメモ。キーボードが壊れてPCで書けないので。

・今日はsyrup16gのライブに行ってきた。京都磔磔

磔磔ではメンバーはステージ裏から客席の横を通ってステージに上がる。

・楽しかった!一週間前のなんばhatchでのライブは感動や、「人生で『HELL-SEE』の再現ライブに立ち会える喜び」が主だった気がするが、再現ライブ二度目となる磔磔でのライブはとびっきり楽しかった。『HELL-SEE』で楽しい一日。

・帰り道、ライブの光景を思い出してはつい微笑んでいて、マスクをしていてよかった。

・自分語り。五年前くらいにライブ会場でパニック発作を起こして以来、会場の定位置は人口密度が低いところ(壁や二階席)になっていた。が、磔磔は小さい箱でSOLD OUTということもあり、すし詰め状態だった。正直、ライブ開始前までは不安が高まっていったが、結局はそんなのどうでもよくなっていった。当初の不安は『イエロウ』のイントロ七拍子で矢のように消えいって、それからは嬉しかったり楽しかったりする気持ちで大忙しになっていて不安が入り込む余裕がなかった。

・ダブルアンコールで、先に一人だけステージに上がったキタダマキさんの「俺のバースディパーティーにようこそ」、そしてベースソロから始まった『落堕』は爆発的な盛り上がりとなっていた。バースディパーティーという導入で演奏する曲が『落堕』なのがすばらしい。らしい。

・で、その次の『真空』はさらなる盛り上がりを見せ、というか俺が体験してきたsyrup16gライブ史上で一番の盛り上がりで、中畑大樹さんの「ロックンロール!」の掛け声とか、お馴染みのオイオイオイコールとか、「会場が一体になって」とライブレポで表現されるそれになっていた。

・場の雰囲気に飲み込まれる、煽られる、正気で聴くことができないというのがライブの魅力なのかもしれない。楽しすぎて、この楽しさは一人部屋で酒や薬を投与したところで実現できない。 

・そして、ライブ最後の曲の『Reborn』で五十嵐隆が「みんなで歌おう」と。マイクを向けるようなことはなかったが、いつも苦虫を噛み潰したようなキリキリした表情で歌いギターを弾いてる印象だったが、このときだけは客席に何度も何度も目配せをしながら歌っていた。うっすらと周りから聞こえてくる観客の声と混じり合う『Reborn』で、その光景が温かくて美しくもあって、そもそも「みんなで歌おう」という言葉への驚き、『Reborn』の合唱の親和性の高さも、すべてで最高の思い出になった。みんなでうたう うた。

・それにしてもダブルアンコールでの会場の熱狂はとんでもなかった。『落堕』のキタダマキバースディパーティーの時点で祝福と歓迎が爆発的に広がって、それと今日途中からバテてかけて多めのMCで休憩を挟んでいた五十嵐隆のフリースタイルな歌い方がマッチして、ライブ感でドライブしていたし、そのあと『真空』では一転して硬派な日本屈指のロックンロールバンドになっていた。

・『もったいない』の後、五十嵐隆が「こんな曲やってるの日本で一つも二つもないでしょ」と語っていたが、本当にそう。そんでライブで演奏されるとそんな陰鬱な『もったいない』でもノッてしまう。

・『末期症状』の「ちゃんとやんなきゃ素敵な未来なんてのは初めからねぇだろ」の鬼気迫るシャウトで涙腺が壊れた。こんなにアットホームで楽しい雰囲気のライブで聞くからこその良さがあるなんて、一人部屋で暗い顔して繰り返し聞いてたときにはわかんねぇよな。

・京都磔磔の音響は個人的にはベース音が聞きやすく(デカい会場にありがちな共鳴ノイズが少ないので)、すると『正常』終盤のベースラインが輪をかけてメロディアスになる。一切の注意を持っていかれる。というか、そもそもライブの『正常』は異常で、イントロの雑音からアウトロのセッション的フェードアウトまで含め、得も言えぬグルーブ感を味わえた。

・『Everseen』の中畑大樹さんのシャウト! これ、この雄叫び! 聞きたかった!

・『不眠症』は音源でもライブでも情緒がグチャグチャになる。ライブでは静から動へのサウンドの切り替わり方それ自体がドラマチックで、エフェクターのスイッチが俺の鳥肌のスイッチになっていた。

五十嵐隆さん、京都の夏というヘルシーからほど遠い湿気と熱気のせいか、もしくは事前にケーキを食べて胃もたれしていたのか、後半からバテかけながらもキメるとこはしっかりキメていた。とはいえ、終盤は一曲ごとのペースで声にならないうめき声やちょっとしたMCを挟んでいて、アットホーム感が加速していく。

・「50代から売れてやる」切に売れてほしい。

・「しんどい!」「大丈夫? でもしんどいと言えるうちは元気だよね」「そう。内に内になってしまったときはやばい」というMCでのやり取り。

・『HELL-SEE』の曲、原曲が循環コードを主としたシンプルな曲が多いのもあり、ライブならではの中畑大樹さんのアドリブやアレンジは聞き所かもしれない。自信を持って「原曲にはなかった」と言えるくらいはアルバムを聴き込んでいるので。そこで緩急付けるのか!とかパターンを変えるのか!とかいうライブの楽しさ。

・『パレード』の浄化力よ。なんでこんなに浄化されていくのだろう。そっと日常へ送り出してくれるような曲でこれからも死ぬまでつづく現実に軟着陸させられてしまう。優しい。

・『ex.人間』の時点で五十嵐さんはバテていたのか歌詞が飛んで、美味しいお蕎麦屋〜のところはポエトリーリーディングみたいになっていたが、それもライブならではと思ってしまうのはひいき目なのか。いや、あれはあれで最高だったのでは。トリプルコーラスの「あーあ」で気持ちが同じくあー。

・『吐く血』で「そういって笑った」のあとにシャウトしてたが何と言っていたかは判らない。

・『月になって』のイントロのアルペジオをミスって隆さんが「フーっ」と大きく深呼吸していたシーンがあった。フーってのは歌詞のマッチを消すのと掛けたのか!とそのときは思っていたが、それは考えすぎ。

・京都は雨模様だった。「傘がなくたって死ぬわけじゃねえさ」だし。ライブではイントロがギュンギュンと耳をつんざく警戒音からはじまるの本当にいい。

・『診断書』は私にとってタイムリーすぎて得した気分になった。診断書がタイムリーになる話については書かない。今回のツアーの『Les Misé blue』から三曲縛り、どの三曲でもすばらしく、そもそも『Les Misé blue』が最高だった。

・インターネットですぐにMCの内容を補完できるいい時代になったよなあとつくづく。今回は特にMCが多かったからありがたい。で、また光景を思い出しては記憶の扉から温かい気持ちが溢れてくる。

・一人で聴く『HELL-SEE』が最高なのは十年前から知っていたが、みんなで聴く『HELL-SEE』も最高だった。私は死ぬまでこのアルバムを聞くのだから十年ごとに再現ライブツアーをやってほしいなあ。

・定番曲が全然定番でなくかけがえのない思い出になり、本編の二度目の『HELL-SEE』ライブはsyrup16gが日本屈指のスリーピースバンドであることを体現化するような演奏で、普段はあまり気にしない会場のアットホームで居心地いい雰囲気含め、磔磔はとんでもないライブだったな。

・音響で、中畑大樹さんのコーラスを聞き分けやすく、『シーツ』の「毎日交換」とかしっかり聞くことができた。あのコーラスがあっての『HELL-SEE』なので。

・『末期症状』のドライブ感はリズム隊が演出し、ライブではそのリズム隊の迫力は倍々に重厚になっていたから、常に加速しつづけていくような錯覚に陥った。

・『不眠症』や『月になって』などの、静と動が切り替わる瞬間、具体的にはギターフィードバックノイズ的サウンドになるときの瞬間、ライブではあまりに劇的となる。そのインパクトで何度か目と口を大きく開いていた。

・『Reborn』はみんなで歌おうと言われたから小声で歌った。歌い、歌われるその歌詞はすばらしく、「歌」を共有した体験が曲が終わったあとに様々な感情が逆流してひっちゃかめっちゃかになった。

体を動かして疲れきっているので、詳しくはキーボードを買いなおし次第、また書きたい。

とても楽しかった。

人生で一番聞いたアルバムの再現ツアーだし、それはもういろんな思いに溢れてかえっていたんだけど、直後のメモでは今日のライブは楽しかったと書き残しておく。