3月30日、売上を義援金とするチャリティーソングという形で、THE BACK HORNの新曲「世界中に花束を」が配信されました。
僕が好きなTHE BACK HORNが相変わらず、そこにはありました。切実。
悲しい響きのコード感、一人称の「僕」が胸に秘めた思いを吐き出していく。 結論という程にはカチっとまとまらないけど、確かな感情を言葉で紡いでいくような。
曲は至ってシンプルな作りです。
ギターが奏でる切ないメロディーを軸に展開、サビに入るとパーッと景色が広がるような風景を映しだして、繰り返し、少しずつ前に向かっていく曲です。
サビの
「世界中に花束を 太陽が登るその前に
光や笑顔や喜びに隠されてしまうその前に」
心に少し引っかかったこのフレーズ。これはどういう意味なのでしょうか。
人によっては解釈が散らばりそうな歌詞。ここでは僕が感じ取って思ったことを書きます。
今の日本には圧倒的な前向きのパワーが渦巻いていて、「頑張ろう」「またやり直そう」などの明るい言葉であふれている。
そういった、前を向く、前を向かせる雰囲気があるように感じています。
でも、「その前に」
その前の悲しみに花束をささげよう。思いを馳せよう。というような歌だと感じました。
今がどれだけ過酷な状況でも、いずれは笑顔が咲く。
人間の命が秘めるたくましさをずっと歌ってきたTHE BACK HORNは、人は想像を絶する過酷な現実に囲まれても、いつかは乗り越えることができる。そう信じているのではないでしょうか。
でも、「その前の」悲しみ。人によっては、洗い流すことができないまでに染みこんでいる悲しみを尊重して、受け止める。
そういった慈愛に満ちた歌だと感じました。また、そうすることによって希望がよりいっそう輝くのでは。
希望が存在する、それはつまり希望がない状況があるわけで。
そして、希望に向かう道のりには、笑顔や光や輝きが待っている。それはおそらく有り難いこと。
その状況に感謝とは言わずとも、花束を捧げるくらいの想いは馳せよう。
そんな思いを歌っているような気がします。本当にそういう気がするだけです。
他に気に入った歌詞は
心臓は動くのさ 世界も動いているのさ
誰にも邪魔されることなく
悲しさを愛することはそう簡単ではないけれども、その背中をそっと押してくれる「世界中に花束を」
う~ん。いまいち感想がまとまらないです。こんなに素晴らしい曲なのになあ。