単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

血液に沁みこむ珠玉のシューゲイザー   ノイズP「Blood Music」


 前々から、ドリーミーなシューゲイザーサウンドと、初音ミクの細くてキュートなボーカルの親和性を感じていました。そして、このノイズPさんの待望の新作である「Blood Music」を聞いて、この組み合わせはあらためていいなと感じました。というか、この楽曲が素晴らしいのレビューを書きます。






 心地よさでいったらこれはもう極上ですね。ノイズというのは本来雑音とされるものですが、メロウなメロディーに包まれることで一転して、鼓膜に心地よい響きをもたらせてくれます。この曲を聞いて感じたのは、自分がシューゲイザーにはまることになった魅力そのものでした。ひたすら音の洪水が気持ちいい。クリーンとノイズのグラデーションも絶妙でして、ノイズに溶けるようにひっそりと鳴る高音のアルペジオも美しいです。これにはシューゲイザーをレビューするときの最大の賛辞である(と私が思っている)「多幸感に満ち溢れている」という言葉を勝手ながらも贈らせていただきます。



 そして、ふと自分の奥底に眠る感情に向けて内省を促すように、優しく語りかけるような初音ミクのボーカルもこれまたいいんですよね。そのボーカルは無機質でありながらどこか切なげでもある。要は、なんともいえない感じ、があってそれがグッとくるのです。特に感動したのは、後半の叫び声のような、ノイズのような、なんともいえない感じを極めた音像です。この「音」にはとにかく魅了されてしまいました。鳴っていることそれ自体に意味が込められていそうな、そんな珠玉のサウンドスケープ




 この「Blood Music」は音の気持ち良さに酔いしれること間違いなし。わざわざシューゲイザーというジャンルでわざわざ括ることもなく、呼吸するに取り込む、血液に流れるように同化する、それくらいにじんわりと親しめるサウンドでしょう。ノイズPさんの音とノイズへののこだわりは一ファンとして尊敬しちゃう。気が付けばずっとリピート。