ハヌマーン『ポストワールド』から十年後の新世界へ

用事のついでに新世界に寄ってきた。久しぶり。買い物は梅田で済むしライブハウスがあるのも難波や心斎橋なので新世界はめったに来ることがない。

大阪の新世界といえばハヌマーンの『ポストワールド』というすばらしい曲がある。


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「虚空を怒鳴ってる老人と 聞こえないふりの観光客と 読んで字の如く広告塔と 貸し春屋の招き猫の声」と歌われたのは2011年。

おれは2014年頃に解説というか観光日記というか『ポストワールド』についてなんか書いていた。

dnimmind.hatenablog.com

で、久しぶりに新世界に寄ってみたら、基底通音はそう変わりはないが、一部変わっていたところがあったので上の記事に追記したい。

まず「「二回漬けるのはいかんよ」って 店主と思しき初老の女性が 調味料の衛生面を口角泡飛ばして宣う」はない。コロナ禍で一人一人個別の容器に入って提供されるようになったらしく二回漬けてもOKになった。2014年はそうではなくて二度漬け禁止の看板が各所にあった。もうない。

歌詞にはないが目立っていたのが射的や弓矢道場といったアミューズメント店だった。

これらは2014年時点にはまったくなかった。ひとつもなかった。なのにいまでは新世界の至るところにあり、昔からここにいましたって顔で繁盛していた。もとより新世界にはスマートボールや観光客と現地民が半々くらいで交じり合っているゲームセンター、将棋サロンといった遊び場あるから親和性は高いのだろう。ゲームセンターにはテトリスが異様にうまい地元民らしき年配の方がいた。

あと虚空を怒鳴っている老人や呪詛を唱えているくの字に曲がった背骨の男は見当たらなかったが(前回もそう)それ以外は『ポストワールド』だった。

「新しい世界は動物園と物乞いと串刺しの畜肉を悪い油で揚げる匂い」はほんとそう。おまけに通天閣の正面ど真ん中に喫煙所があるからタバコの臭いもする。


新今宮や貸し春屋方面も散策したかったが暑くて死にたくなってきたのでギブアップした。

『Don't Summer』の季節がやってきた。