単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORN全曲レビュー(感想) その6 「白い日記帳」/「カラビンカ」

今日は毎年恒例であるマニアックヘブンの開催日です。
あえて平日に開催するという、細かい点でのマニアックさも忘れないTHE BACK HORNです。

この二曲は「コバルトブルー」のカップリング曲カップリング曲という事で、この二曲はいい感じにマニアックですね。
「カラビンカ」は今回のライブツアーでも演奏されたので、割と有名なカップリング曲です。


【白い日記帳】
演奏パートが全て一体となって、ジャンジャンジャンと細切れのリズムで演奏する部分から
サビではしっとりと歌謡曲のようなメロディーを聞かせる歌です。
いい意味でマイナーな感じの曲。

タイトルの「白い日記帳」という状態は新品ではなく、何も書けないから白い
と一つのストーリーが浮かんで来る曲で、歌詞を見るとそのストーリーには恋愛がテーマにあります。

そんな歌詞からは書き手の心情の切迫感、やるせなさが伝わって来ます。
そして、この曲の深みというか一つの仕掛けが、白い日記帳が後半で血で赤く染まるんですよね。
登場人物は二人で、僕と君しかいないわけですから、これは深読みするまでもなく「君」の血でしょう。

そんな背景を考えてからまたこの曲を聞き直した時に、サビのしっとりした爽やかさに今度は妙な心地悪さを感じます。

白い日記帳が赤く染まるイメージと歌詞に出てくる僕の過剰な愛が徐々に狂気に変わっていく様子、これらの二つ出来事の過程がリンクしている気がします。
また、ぶつ切れのサウンドも一日で区切られる日記帳を意識させる気も。

漫画のミスミソウを思い出します。


【カラビンカ】
私が求めるTHE BACK HORNの「カオス」色が全開の混沌した曲です。

変態的なギターリフを軸にして、他にも残響する気味の悪いコーラスだったり、理解を超えた歌詞だったり。
カオスの名に相応しい感じで、歌詞やサウンドを楽しむと言うよりかは、
頭を空っぽにしてこの摩訶不思議な世界観を感覚で楽しむような曲だと思います。
東洋にある森の奥の寂れた寺院や地獄までの道の降りる階段みたいな雰囲気。

「カラビンカ」は鳥の名前らしいですが、詳しくは正体不明です。
ただ曲のイメージからは極彩色の気味悪い鳥の気が(笑)


カオスな曲ですがアレンジも細やかで、ギターの音色やコーラスの入れ方や
後半の徐々に崩壊していく曲の展開なども彼らの気持ち悪いセンスが爆発していますね。
さらに将司のボーカルも見事な怪しさを演出しています。


THE BACK HORNの魅力の一つである、「カオス」さがたっぷりこもった名曲!

「螺旋状に続くカルマ そこを転げ落ちるダルマ」
と奇妙なイメージが膨らむこのフレーズはヤバいです。