単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

【全曲】人間プログラム/THE BACK HORN【レビュー】

今回のレビューは、個人的には日本のロック史に残る名盤の人間プログラム。
何よりその構成が破格の出来!
これから一年後に書いた人間プログラムのレビュー

1.幾千光年の孤独
一曲目からのハードナンバー。「やらせろよアバズレと」は名言。この曲は、ドラムロールみたいなドラムの音が好きです。叫ぶようなボーカルが、雰囲気に合っている。Cメロが秀逸。

2.セレナーデ
歌詞が実は、とてもお下品な曲。声を重ねるサビは、やや珍しいです。ビジュアル系のような妖艶さがあるが、何故か田舎臭いのがTHE BACK HORNのいい所。間奏とCメロで終わる展開がいい。和音っぽいベースがいい味を出してます。

3.サニー
シングル曲。同じフレーズを繰り返すこのベースは、手が痛くなると評判らしい。思春期のドロドロした感情を、叫びだすような歌い方はこのバンドの一番の持ち味です。間奏から後のベースラインがまた素晴らしい。ベースに定評があるバンド。

4.8月の秘密
和メロ!この日本人臭さがTHE BACK HORNの一番の良さだと思う。音の隙間を上手く利用している。ちなみに歌詞にあいうえお作文があります。こういう音数が少ない曲は、ベースが鍵だと思う。かなり好き。

5.水槽
かなり暗い。鬱曲と呼ばれる。作詞は将司です。あんまり好きではない。もうここまでで、拒否反応を起こす人は多いが、まだ序の口。

6.ミスターワールド
カッティングギターで始まる。また歌詞が…。カラオケでは、歌えない! 世界の終わりの退廃的なイメージが湧きます。アウトロで世界が崩壊して、そしてあの名曲へ。

7.ひょうひょうと
Aメロで刻むパワーコードが、気分を高揚させます。サビの「ひょうひょうと」叫ぶ声がたまらない。もうこんな声出せないだろうな。Cメロの良さは、もはや鉄板。

8.アカイヤミ
狂気を具現化した曲。あのベースラインを中心して、ギターが奔放に動きます。ライブでは、栄純もっと自由です!エフェクトをかけた声も、いい感じに狂ってます。Cメロからのドラムも負けずに頑張ってる。最高!

10.雨
雨の日も、とても憂鬱になる感じがそのまま曲になってしまった。しかしこの曲は、ドラマチックな展開を迎える。Cメロでいきなりアコギが入り、雨から一転して澄んだ夜空がイメージで浮かびます。

11.空 星 海の夜。
「目覚めると 俺は」この歌詞から思うに、今までの病んだ10曲は、夢を見ていたのだと解釈しています。なんというドラマチックな展開でしょうか!曲も今までの曲が嘘だったかのように、寂しげなクリーンなアルペジオが響きます。この展開です!これがこのアルバムの肝。曲自体も素晴らしいのだが、この曲順に置かれた時に大きな意味を持つのです。凄まじいカタルシス…。

12.夕焼けマーチ
たまのさよなら人類に感じたあの狂気が、この曲にも感じる。ひたすら明るく、様々な楽器も鳴らされる軽快なラストナンバーなのだが。このアルバムの最後として考えると、それが恐ろしい。歌詞も意味深だし、アカイヤミより狂気を感じる。「みんなが笑ってる」この歌詞に、寒気を感じたらこのアルバムは完成だと思います。

総評。
これは奇跡のコンセプトアルバムです。
若いから彼らだからこそ出来た傑作。