ミスリードしまくる僕にふさわしい歌。
その歌詞のサビに
「君のシリアスについていけなくなる前に」
とあるのですが、本当についていけなくなりました・・・。
僕には、この曲がどうやって解釈すれば物語としてつながるのだろうか、それさえ難しい。
結局分からずじまい。そこまでの格闘した道すじを綴ります。
サウンドは、タイトなビートと奥行きのある空間的な電子音、それを下で支える重量感のあるベースライン。
そこに暗闇での一筋の光のように歌が差しこんでいて。
メロディアスではないので、曲全体ではどこか無機質な感じを受けます。
それは、主旋律が歌だけで構成されているせいか、ベースもルート音からあまり離れずに、淡々とリズムを刻んでいるせいか。
そういったサウンドなのに、歌詞の出はじめが「夜に桜が白く浮き立つ」と情感のある風景を描写していて。
そのギャップに引き込まれてしまいますね。
歌詞の中で状況が描かれている部分をそのまま受け取ったら、車に君を乗せてどこかに向かう途中、後ろでは警察のサイレンが鳴っている。
それは、君がバタフライナイフである罪を犯したせいで、でも君は僕には何も語ってくれない。その心の内を語ってほしい。
と読み取ったのですが、擬人法、比喩、示唆に富んだ情景描写などのレトリックの連続で、深い内容を読み取るのが非常に難しく、この解釈が正しいのかまったく分からないのです。
「夜に桜が白く浮き立つ春の夜」は何らかの光が桜を照らして様子と取り、それと「サイレン」という歌詞から、僕は車に乗っていると解釈しましたが、この情報から車とはまったく断定できません。
これはそのまま、電灯が桜を照らしていて僕は君の手を引いてどこかに向かう途中。でも成り立つんですよね。
「名前を捨てたバタフライ」
「机の上に積み上げられる 薄汚れたバタフライ 一緒に捨てないか?」
だってバタフライナイフではなく、蝶のことかもしれないし、君を比喩したかもしれない。
若しくは、一番はバタフライナイフで、二番は蝶のことかもしれない。又は、二重の意味が(ry
キリがないので省略!
ほかには
「苦し紛れに生きているように見えるか? 小さなしぶきが飛んだ」の「しぶき」もどっちの解答であったかは確実にいえない。
イエスorノー。それは定かではないです。
個人的には「イエス」の意味だと受け取りましたが。もし「ノー」なら返事はしないのかなと。
さらに
「日々の上澄みだけを飲み干し
君は日向を歩いていたよ
世界を味方にした君が
なぜ姿を消す必要があるんだ?」
では、この歌詞では君に関する貴重な情報となっています。が、難解。前後の文脈からも今一つ定まりません。
こんな風に、確かな情報があるのにその解釈は定まらないのです。
解釈してしまうと、そこにはミスリードが生じてしまう。
そういう意味を込めてのタイトルの「ミスリード」なのかもしれません。
って言いたかっただけの考察でした!
もしこの考えが違ったら違ったで、それさえもミスリードになってしまうので、もうわけわからん!
石川智明さんのシリアスについていけない。
分かりにくいわけではないのに、いまいち分からないこの感じ。
取りあえず、歌詞に登場する「僕」が感じている切なさ痛いくらいに伝わります。
この曲に関してはそれくらいでいいのかな。
はてなキーワードの「ミスリード」の項目には、
- 読者を誤った解釈に誘導するような記事や文章のこと。mislead。
- 誤読する、解釈を誤ること。misread。
とありました。どっちなのでしょうか。すっかり迷宮入り。
しかし、レビューを書くために連続で何回も聞いているのですが、まったく飽きない不思議な曲。
曲として文句なしに最高です。