単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

Syrup16gの曲レビューその3「手首」

Syrup16の曲レビューの3曲目。今回は「手首」

シロップのレビューはいったん書きはじめるとキーボードを打つ指が止まりません。丁寧に感想を詰めていきたい気持ちも少しはありますが、現在はこの調子でひたすら勢いに任せて思いを吐き出してもいいかなって思います。どうせ自己満足なら、徹底的に満足していこうといった気持ちで。


手首 アルバム「coup d'Etat」収録


歯切れの悪いギターとルート音を淡々と弾くベース、と初っ端のイントロから重々しい。
重いにも色々とあって、ここでの重さは空気が濁っている、滞っているような重さです。

歯切れの悪いサウンドの一方、歌詞は出だしから誰かの怠惰さを糾弾しています。
なんというか、ほいほい気軽に聞けるような楽曲ではないですね。
自分と他人の醜いところと切実に向き合っている。本気で。

後々の歌詞で、その糾弾されている誰か自分も含めての誰かだと分かります。
もしかしたら、歌詞に出てくる目的語である「お前」は自分だけのことかもしれない。
でも、syrup16は自己批判にとどまらず、対象を外側に向けることが多いから、自分も他人も糾弾している。と考えるのがよさそうです。

そして、その厳しさはシロップの曲の中でも群を抜いている印象です。
存在そのものを罪と判定するあたりはかなりキツイ。でも、このキツさが癖になる。
私は変態ではないです。このキツさは時には必要な温度なのです。


誰もお前を気になどしていない
身代わりなら うなる程いる
だから心配すんな


そしてその自己嫌悪を詰めると、いつかは安らぎに変わる。
どうせダメだから、と諦めることは人(私)によっては救いになります。

で、タイトルにもなっている血まみれの手首がサビで登場するのですが。
あまりにもセンセーショナルですね。自傷行為そのものには言及にしにくいです。
その行為が安易と思うかたにとっては、この歌詞そのものが安易な自己批判に映るかもしれない。
その行為が切実と思うかたにとっては、この歌詞全体が実感のあるリアルな心情に映るかもしれない。


・・・これは難しい。私は分からないというのが率直な感想です。
syrup16gという切実なアーティストが好きなのですが、ここまで自分と峻厳に向き合ってことありません。
いつもポーズだけの自己批判・自己嫌悪で終わってしまいます。ぬるいです。
だから、この手首は断片的な部分を取り出して厳しいなって感想になります。


Not at all


そして最後は何もない。もう、感覚麻痺がしそう。
それが救いになるかどうかはこれもまた難しい。
希望はあるの?それすらも分からない。

まあ、手首がどうこうなっても結局は生きています。これだけはまぎれもない事実です。