単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORN名曲レビュー 「ひとり言」


   僕は友達が少ない
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ひさしぶりのTHE BACK HORN全曲レビューになります。
せわしくすぎる日々の中でこの存在を完全に忘れていました。

ひとり言



もはやこの楽曲はサウンドどうこうとかじゃないですよね。
バックホーンにはめずらしい三連符になっているだとか、
ギターのアルペジオとドラムのリムショットが軽やかなメロと
ファズ全開のギターなどによって重々しいサビの対比が面白いとか。

そういうことではなくて。

だれの心象風景を描いているのか、どこの時代背景を反映されているとか。
革命戦争のなかで足掻くいている一人の兵隊とか、現代人の孤独感を比喩で表しているとか。

そういうことでもなくて。


僕は一人じゃない
僕は一人じゃない
僕は一人じゃない
このままじゃいけない



つまり、この歌詞に尽きると思います。
ひとり言なのに叫んでしまうほどに孤独。
葛藤などのレベルを越えてしまった感情の発露。

そしてこの気持ちは痛いほどに分かって伝わってきます。
友達が多い人も少ない人も孤独を感じるときがあるはずで。
人間は原理的に絶対に確実に一人ですから、これは永遠に付きまとう感情です。
心を開いて語りあったってまたどうせいつか孤独を感じます。


このままじゃいけない。そう叫んでしまうほどに辛いけど。
ずっとこのままである。というのはそのうち気付いてしまう。


でも、「一人ではない」といった希望を抱くのは可能であって。
そう信じることでようやく気持ちが安定するということもあって。
ひとり言。
伝えるべき相手が例えそこにいなくても。
側にいて欲しいという気持ちを持つのは当然であって。


この見苦しいままに叫んでしまうのが人間なんだと思います。
生々しく迷惑なほどにうるさい感情をおさえられないとしても。
それによってどうにもならないことを叫んでしまっても。
それが人間たる所以なのでしょうね。なんて思います。


この曲私はめっちゃくちゃ好きです。
むしゃくしゃしてたらいつも聞きます。
ボーカルがあまりにもかっこよすぎるでしょう。
魂を削るってこういうことなんですか。
人間って感じです。まさに人間の切なさ。
それはいつの時代もきっと変わらない。