ハンターハンター、キメラアント編の最高の返答
いやー素晴らしかった!!! おもわず感想を書かずにはいられないキメラアント編の結末。しかも、今週のジャンプはハンターハンターが表紙でして、アニメ化も決まって最高の舞台というわけでの結末で、ちょっと感無量です。
キメラアント編がはじまった当初、まさかこんな物語になるとは思っていませんでしたね。予想の斜め上をいく怒涛の展開には驚かされてばかりでしたが、その着地はあまりにも鮮やかで穏やかな結末。
まさかボーイミーツガールだったとは。この物語は、キメラアントの頂点、王であるメルエムが生まれてから、コムギという少女に出会い、生きていることを謳歌して、閉じるまでの軌跡といえるでしょう。
DNAに刻まれた宿命すらも凌駕していった、メルエムのたった一つの切なる願い。それがコムギと軍犠を打つということ。その瞬間はどこまでも愛しいもので、ついには、コムギという少女の存在すら大切に思えるようになって。
そして、その思いが通じる。コムギもまた、メルエムとの対話(軍儀)の瞬間がなにより愛おしいもので、それは涙が溢れるほどに幸せであったのです。
最後の一ページは感極まりましたね。メルエムとコムギにとっての至福のときが軍儀を打つことだとしたら、私にとってはハンターハンターを読むことだなあと思うくらいに。
ただただ素晴らしいと感じました。ネテロ会長がメルエムと戦えることに感謝の念を抱いた、あの気持ちが分かります。ありがとう、という思いでいっぱいになりました。
私にとってのキメラアント編の印象は、生物と生物のコミュニケーション(対話)です。それはメルエムと王の軍儀だったり、ナックルとユピーの殴り合い、メルエムとネテロ会長の死闘、それら全てがコミュニケーションだと感じました。
しかし、ほとんどは一方通行で潰えてしまったディスコミュニケーション。でも、ナックルの真摯さにユピーが心を打たれて少し変わったり、イカルゴに説得されてウェルフィンが過去を思い出して立ち直ったり、と通じた思いだって確かにありました。
そして、ネテロ会長による自爆という行為は、メルエムに思わぬ結果をもたらすことになる。「メルエム」と名前を与えられて再誕してからは、種という足枷から解放されて、自分の意思で動きはじめる。
そうして、王とコムギの軍儀によるコミュニケーションは、種族間の隔たり、死の際すらを越えて通じ合うことがきたのです。そして、それには至上の価値があり、まさに幸せそのものでした。
素晴らしいのはそれだけではなくて、軍儀の戦略と絡めたストーリーや、集団と個人の二重のレイヤーで描かれるキャラクター、会話、戦闘シーンどれもが脱帽ものの出来でした。
こんな素晴らしい漫画を読めて本当に幸せです。
私が中学生だったとき、漫画などの作品に過剰に思い入れをしていて、たまに「この作品を出会えて生きていて良かった」と本気で思うことがありました。
そういった熱中さは思春期が終わるころと同時に失くしていったのですが、今回で何年かぶりに思いました。ハンターハンターに出会えて本当に良かった。まじで大好きすぎる。最高です。