単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

親愛なる異常な執事たち  ハンターハンター No.324 感想 考察


 可愛い子には旅をさせろ。と諺にもあるようにアルカを甘やかさずに歩かせるべきでは……ゴホン。HUNTER×HUNTER 第324話「執事」の感想と考察。定期的に感想を書くわけではないのですが、今回は面白くて可愛いかったので書くっきゃないです。

 面白い。非常に面白いことになってきました。キルアが目的を果たすために提案した非情なおねだりは、優しくて妹が大好きなお兄ちゃんというイメージに埋もれて、今では懐かしく思えるキルアのクールっぷりを思い出せてくれました。心臓を血もなく抜き取れずに悔しがる、試合外で暗殺をほのめかして恫喝して辞退させる、それがクールなキルアなのですよ。でも結局は犠牲を出さないように脱出したので、そこはゴンとの出会いによってキルアは成長したのかなと思います。優しい一面とクールな一面を併せ持つ。キルアってそういえばこんなキャラクターでした。ただのシスコンじゃないよ!


 そして、ゾルティック一族の歪んだ愛情。
 これまでのストーリーから、彼らの一族が感情のない殺人マシーンではないとは分かっていましたが、どうやら思ったよりも彼らの家族愛は深かったようです
。というのも、アルカと共にキルアまでを軟禁して、キルアにデンジャラス婆ちゃんなどの執事に監視させた理由は、リスク等の建前を除くと「キルアがおねだりの尻ぬぐいとして自分を犠牲にしない」ためというのは明らかでしょう。もしキルアが冷酷な性格で、ゴンの回復をおねだりをした代償を他人に擦りつけると確信できたら、そこには何の問題も生じなかったはずです。彼らの愛情はいびつながらも確かな思いやりがあるようです。お母さんの愛にいたってはあまりにいびつすぎて治療対象だと思いますが。



 今週はまあなんといっても、タイトルにもなった新キャラクターのあの執事ですよ。ついにゾルティック家の最終兵器、最後の審判ことツボネの登場です。変身後のビスケよりも一回りもマッチョさんです。泣く子がさらに泣いてしまうような脅威的で破壊的な見た目だけでなく、さわやかな笑顔で爪を剥ぐという離れ業を堂々と見せつけてきました。異常です。そのインパクトのおかげでもう一人の新キャラクターの執事の存在を忘れてしまった! 思い出そうとしてもツボネ婆さんしか浮かんでこない。あのナイスボディが脳裏にこびりつく……。ちょっと落ち着いて見直そう。
 

 そうだ。今回は懐かしいメンツが登場していましたね。ゴンが培った人脈というかゴンのお友達が登場していました。やはりクラピカとレオリオはいませんでしたが、ハンゾー、センリツ、俺たちのゴレイヌさんやGIのメンバー、ビスケ師匠が駆けつけてまでゴンを心配していました。ハンターハンターの過酷な世界ではあまり友情といったものはなくて仲間と表現される関係が多いように思われます。でも今回のようにわざわざ駆けつけてくれるのは友達だからといってもいいのでしょうね。ゴンを大事に思っているのはキルアだけではないのです。

 

 さて、これからどうなるのか。カギを握るのは、キルアだけが知っているというアルカの隠された能力。そして、キルアが自らの信念と照らし合わせて、どういった方法論を選択するのか。アルカの能力ゆえに自分を犠牲にしたらゴンの命まで危険なってしまう。活路はどこにあるのか。そして、同時進行しているハンター会長の選挙の行方。これも気になります。ただタイミング同じだったのか、はたまたオーバークロスしてくるのか。私の頭では全く予想できません。来週早く来て! 

 

 余談。ハンターハンターの議論を見るのが好きなのでネットでちょくちょく見かけていたら、アルカの性別についての鋭い示唆があったのでそれを紹介。それ は、アルカは男として弟して生を受けたけれど、キルアの「妹が欲しい」というおねだりによって、アルカが途中で性別が変わってしまったという推測。この推測だと、イルミがアルカを「弟」と呼んでいた事実とつじつまが合います。あんな可愛い子が男のはずがないですよね。とりあえずはこの説を信じています。それにしてもほっぺにちゅーはうらやましい。でもさすがに小指の爪は犠牲にできないかな……。アルカは手ごわいレディーです。自分の価値を知っている女の子。





 と、感想はここら辺まで。ここからはアルカのルールについて考察を。ああ今週も長い感想だ。


 アルカの能力のルールは、あれこれ試行錯誤した結果から導いたもので、いってみれば帰納的に推測されたルールです。絶対ではない。だとすると、試行されていない未確認のルールも存在するはずで、どうやらそれらの一端をキルアが把握しているようです。そこで、なぜキルアだけが把握しているかというならば、それはキルアがシスコンだったからアルカと親しかったから、知られざるルールに気付く機会が必然的にあったのでしょう。この状況をさらにみていくと、キルアはアルカと親しいからこそアルカの能力に精通していて、それは能力に限らずにアルカの性格をもより詳しく知っているということで、キルアの優位性は妹思いだったからこその結果と私は思うのです。


 いってみれば、キルアはアルカと親しいのでアルカについて他の人よりも知っているというだけ。そしてこのただ「知っている」だけで優位に立てるのが、念能力を軸としたハンターハンターの世界なのです。情報による優位性というと、今度はハンター会長選挙を思い出します。これも情報を武器としての争いです。そこで私は、アルカの能力のルール、選挙のルール、これらの二つが情報戦という観点から繋がるのではないかと考察しています。例えば、選挙戦では「ハンターという人種はどういった生き物かを知る」ことが重要になってくるのでは、と。パリストンはハンターがどんな存在かを分かっておらずに信用を失くして失脚する、という展開とかです。ってあんま意味分からないですね。すいません。途中から自分でも意味不明になりました。この考察で何か思い付くキッカケになればと思います。