単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

死神クイズすなわち、謎々 ハンターハンター No.327 感想


 ネタバレが過ぎるので、後悔しないように。HUNTER×HUNTER 第327話「謎々」。 



 コインマスターのゴトーVSトリックスターヒソカ

 新章初となるガチンコの殺し合いは、マジシャン同士の対決で火蓋が切られました。相手の切り札を読み合う戦闘はスリリングでトリッキー。これがすんげー面白い。
 コインを弾丸として発射するゴトー、バンジーガムでさらっとガードするヒソカ、それを見越してコインの回転数をあげてヒソカのゴムを利用して絡め取るゴトー、さらに先読みしていてヒソカはあらかじめ設置していたバンジーガムで回避、そしてヒソカでフィニッシュ。……息を呑む攻防とはこのことか。たった一話で白熱した掛け合いをお目に掛かれると、こうやって感想を書く甲斐がありますね。



 ゴトーとヒソカの対決は、マジシャン対決の名に相応しい、小手先のテクニックで翻弄するバトルでした。しかし、結局はヒソカの策略、スピードにゴトーは破れてしまった。かもしれない、というところで終わりでした。結末があっけないのもマジシャンらしくていいし、これまた引きが上手い。これじゃあ続きが気になってしょうがないですか。

 それしても、ヒソカはやはり恐ろしいですね。自分を楽しめさせてくれる人間をおもちゃと称して、楽しめない人間に対しては情けをかけることなく蹴散らす。今回のように命懸けの戦いですら、彼はマイペースで遊んでいるだけですから。


 「死人に名乗っても意味が無い、能力はバラしても構わない」 

 
 この余裕っぷりがたまらないのですよ。マジシャンの素質は誰かをたぶらかして翻弄することならば、ヒソカほどマジシャンと呼べる存在はいません。自分からクイズを出しながら答えはないとかもうね。ヒソカを相手にするとこれほど厄介ということが再度確認しました。トリックスターっぷりはやはり健在。愛されているキャラクター。


 

 話は変わって、アルカが可愛い。破壊力すげー。今話では眩しすぎる兄妹愛がバースト。たぶん人によっては327話の感想はこれに尽きるって方もいるでしょうね。キルアに「もしも世界中でアルカの事大好きなのが兄ちゃんだけだったら悲しいか?」と聞かれて、アルカの「笑いが止まらないほど嬉しい」って返答にはやられました。
 

 アルカの生い立ちの悲劇を考えると、一抹の悲しさすら感じられる台詞。たった一人の兄に愛されることを至上の喜びと思えるのは幸せであるのか、そう思えるほどに愛に恵まれていなかった人生を歩んできたのは不幸なのか。あのやり取りは微笑ましい、ってだけじゃないのがなんとも言えない。


 

 そして、キルアが速い。電光石火といえば、ポケットモンスターの先制攻撃の技を思い出しますが、それと同じく、凄腕の執事たちが全く追いつけないほどに速い速い速い。とてつもないキルアの速さは「誰かを守るため」に有効利用されているのが微笑ましいところ。コムギを守って、アルカを守る。そしてゴンを助けるためにキルアは走る。最近のキルアはいいやつすぎて、ツボネでなくても涙ぐんでしまうほどに輝いています。

 


 これから何回でも書くつもりですが、ハンターハンターは面白い! 今回のゴトーとヒソカの対決は実に楽しかった。メルエムの存在によってパワーバトルはインフレしてしまいましたが、念能力の豊さゆえに、ハンターハンターのバトルは軸が定まることはないから、ひとつのバトルとっても並々でない緊張感があるのが好きです。これからどんどん面白くなって感想を書く量が増えていくんだろうな、と嬉しい嘆きで感想を〆ます。