単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

高まる「鳴動」  ハンターハンター No.333 感想


  HUNTER×HUNTER No.333 「鳴動」感想。
 さてパリストンはどんな演説を行うのだろうか、と期待していたわけですが。やっぱりパリストンの意図は読めない! 彼の発言からは確かな意思と合理性があるとは思えません。演説では、ぬけぬけと会長に必須な能力を挙げときながら、自身はそれを全く満たしていないという笑えないギャグ。そしてまさかの推しメンはミザイストム。わけが分からないよ。

 これぞパリストンの本質ともいえる、目的が読めずに、手段を選ばない恐ろしさですよね。手段を選ばないってのは何でもするということではなくて、手段を選ばないから何でもいいというわけで。敵としては最悪の相手なんでしょうが、いち読者としては面白いキャラクターかと。これってゴンの無邪気さに通用するところがありそうですね。パリストンの目的が読めないのは独特の価値基準を持っているからで。それに他人を翻弄する点ではヒソカ以上の曲者でしょう。本当に良いキャラクターしている! 

 「小細工をやめて皆さんの意志に任せるんです」


 もはや小細工どころか、とんでもない策略を巡らせているパリストンの口からこの言葉。なんというかここまで掴みどころのないのは才能なんでしょうね。おそらくこの性格は天性のものであって、それゆえに手下はいるけれど仲間はいない、なんてことを考えさせられますね。

 
 
 それから今週最も驚いたのはゴンの干からびた手。キルアが浮かべた苦悶の表情。あれほど手にダメージがあるならば、当然ながら全身もズタボロのわけで。この様子からはネテロの死ぬ間際の朽ちかけた体が思い出されますね。アルカの奇跡とも呼べる能力でしか治せないというのは大げさじゃなかったのですか。つーか、よくここまで描いたなと。

 キメラアント編のラストに登場した被害報告もそうでしたけど、きっちりと失ったものと向き合わせるのは素晴らしいと思います。さらにいうと、今回のアルカ編・ハンター会長選挙編は、いずれも喪失を起点としたストーリですから。ゴンの喪失、ネテロ会長の喪失があって、それらを取り戻すか、埋めるための展開となっているので。個人的にはこういうところがハンターハンターの好きなところです。綺麗に終わらせないってのが好きです。

 

 本題に戻りますが、アルカとゴンの邂逅によって生じた尋常じゃないエネルギー。どこでどう生じたかははっきりと分かりませんが、ゴンの制約が解けたときのエネルギーでしょうか。まあこれがまた問題を引き起こすわけなんですよね。それを目にしたイルミが「ナニカ」を欲しいと残酷な台詞を吐き出して、これに気付いたパリストンが微笑みながらレオリオに問いかける。どっちも厄介なことは違いありません。


 イルミは、「ナニカ」が欲しいと強調しているあたりが、さすがというかやはりというか。イルミはキルア大好き!ってとこ以外は、そもそも利己主義の残虐なキャラクターですからね。久しぶりの最悪な悪役のキャラクターになったのでこれからの展開がドキドキですね。キルアたちVSイルミのガチンコ勝負とかすっごい見たいです。

 一方のパリストンはあのエネルギーから何に気付いたのか。もしゴンが治療されたことに気付いて、レオリオの出鼻をくじくためにそれを教えるのはありとしても、それならば内密者がいるわけで。だとするとイルミと繋がっているってこともありえるのか。それともパリストンお得意のただのハッタリか。これまた読めませんね。何でもありと思わせるパリストンはあらためて凄いと感じました。




 月曜日から体調を崩して寝込んでいました。次週はセンターカラーだし今週はもういいだろう、と思っていましたが、こうして書いて気持ちを吐き出さないと気が済まないようです。別に本文に対する言い訳ではないですが、ふらふらの状態でもそれなりには書けますね。でも推測するとかは頭が働きませんが。次週はセンターカラーというわけで、これって期待してもいいんですよね? いよいよもって楽しみです。