単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

ハンターハンター  No.335 「決定」 感想  限界という共通項について


 そこまでは読めなかった。そこまでも読まなかった。HUNTER×HUNTER 335話 「決定」感想。ずいぶんと遅くなりましたが、遅くなったからこそ書けることがあります! と豪語しといていつも通りの感想です。
 パリストンなんてことを……! 見事に読みが外れました。いやだって会長選挙を楽しむだけ楽しんだあとにすぐ会長を辞退するとは思わなかったです。少なくとも私には予想できませんでした。そしてチードルは勿論のことジンにも予測できなかったようです。でも「そこまでは読めなかった」という言葉はむしろこっちの台詞ですよ。


 パリストンの目的として、ハンター協会会長選挙で遊んでいるってのは分かっていましたが、それにしても本当に「遊ぶだけでおしまい」とは予測できませんでした。さらにネテロ会長の亡き今の頼りなさそうな十二支んに発破をかける意味合いもあったようです。

 そしてパリストンにとってはハンター会長選挙は物足りないものであったという結末。つまりはパリストンが本領発揮するのはまだこれからってわけなんですよね。うーんこれは嬉しい展開です。
 
 
 いつもながらの勝手な予想になりますが、パリストンは本当にネテロの遺志を継いでいたから、十二支んとハンター会長選挙でやりあったんじゃないか、と思っています。というのもジンとパリストンを除いた十二支んは、ネテロに心酔しているコスプレ集団です。それぞれが比類なき実力者ではあるものの、未だに彼らは「ネテロに追従する」ことを大事にしていて、これではハンターたちを引っ張るリーダーとしてはやや頼りないように思えます。事実、彼らはパリストンを打ち負かすことができませんでした。


 そこでパリストンはわざわざちょっかいをかけることで、十二支んの抱えている脆弱さをして指摘したのだと思います。こうしたのは、パリストンがネテロ会長を大事に思っていて、それゆえに十二支んが不甲斐ないと感じたからこその行動かと。なんて書くとパリストンがすっごく良い人に思えますが、少しくらいはそういった意図があったのだと予想しています。少しですがね。涙の10%ぐらいです。

 「貴方の協会が退屈なものだったら次は本気でおちょくりますから」 

 という発言の「貴方」は強調されるものでしょう。もうネテロの協会だけではなく、貴方の協会であるんだよと。ただパリストンがこの警告をした目的は決してハンターたちのためじゃなくて自分が楽しむためだというのは確信しています。でもそうすることによって結果としてハンターたちのためにもなるのがなんとも皮肉。今回のストーリを通して学んだのはパリストンの凄さ。
 


 で、今回のハンター選挙についてですが。ここで描かれたテーマに「限界」があるのではと。一つは十二支んの限界、もう一つはゴンの限界です。


 十二支んの限界はネテロを失くしてその後を追うことに専念してしまったことです。ネテロの遺志を引き継ぐことはネテロに追従することではありません。むしろネテロとは違ったやり方で、自分たちで協会を創り上げることだと。パリストンがそれを十二支んに身をもって教えたのがハンター選挙の意義だったと思います。

 そして、ゴンの限界は親しい人を失くして我を失ってしまったことです。まあこれは子供なので仕方がない話なんですが。回復しても気持ちの整理が未だにつかなかったのが、ジンとの会話によってどうにか持ちこたえます。なんだかんだでジンはゴンの父親だったわけです。ジンが意外と良いことを言っていたので驚きましたね。

 
 ここでゴンと十二支んは親しい人と失くしたという点でつながります。そしてそれぞれのやり方で立ち直ろうとしている。道しるべを見つける。この一連のプロセスにおいて一致しているなーと思いました。ここで面白いのがパリストンとジンが導き手ってことですかね。嫌われ者の遊び人と典型的なダメな父親が大事なことを教えるってのがなんともハンターハンターらしいと嬉しくなりました。こうしてみるとわりと熱い展開だったんではないでしょうか。


 
 といった感じで、ハンター会長選挙編では一応の決着をみせました。しかし、まだパリストンについては分からないことが多いです。パリストンが快楽主義者のソロプレイヤーであるのか、きわめて狡猾な本性を持つ野心家であるのか。それにパリストンがハンター会長選挙で勝つことに至った理由は、パリストンの「手段を楽しむ」というスタンスがハンターハンターの世界観で優位になるのか、または彼は尋常ではない知能を持つ策略家なのか、はたまた神に愛されているキャラクターなのか。まだ分からないことが多いですが、彼については個人的にお気に入りのキャラクターなのでこれからもじっくり語っていきたいですね。


 そしてつぎはいよいよアルカ編の決着でしょうか。さてどうなることやら。今週は色々と用事があったので遅れてしまって内容も簡易になってしまいました。来週からはいつもどおりで。ここまで続けられたように連載終了まで感想を書きつづけたいものですね。