単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

名作シングルシリーズ第二回 THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「ゲット・アップ・ルーシー」

 
  名作シングルシリーズ第二回は、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「ゲット・アップ・ルーシー」。
 ロンドンのトー・ラグ・スタジオにて、ヴィンテージ機材のみで録音されたというシングル。

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1.ゲット・アップ・ルーシー
2.スピーカー
3.スパイダースパイダー
4.深く潜れ 
 
 

 表題曲のタイトなビートとざらついたギターサウンドの「ゲット・アップ・ルーシー」から、高速ガレージパンクの「スピーカー」、そして単音リフが半端なくカッコいいインストの「スパイダースパイダー」を経て、名曲「深く潜れ」へ。
  
 
 このシングルを選んだ理由は、私が「深く潜れ」を気に入っているからです。それと、その「深く潜れ」が最高の流れで聞けるのがこのシングルという理由から。私には「ゲット・アップ・ルーシー」も、「スピーカー」も、「スパイダースパイダー」も、「深く潜れ」への伏線なのです。すべては「深く潜れ」へ収束していく。そう思ってしまうくらいに、私は「深く潜れ」が本当に好きなんですよ。 


 このシングルは「深く潜れ」で最高の流れで聞けるんですが、それは緩急の付け方が非常に巧いからですね。
 陽性でミドルテンポの「ゲット・アップ・ルーシー」からアップテンポの「スピーカー」と「スパイダー」に繋ぐことでスピード感を演出してから、ラストのスローテンポの「深く潜れ」に繋がって今度は逆にスロー感を演出する。それから主役の「深く潜れ」の中盤でテンポチェンジしてまたスピード感を際立たせていく。といった緩急に富んだ流れになっているんです。意図しているのか偶然なのかは分かりませんが。構成の妙。


 歌詞は、印象的なフレーズをひたすら繰り返していて、「ゲット・アップ・ルーシー」、「スピーカーけちらして スピーカー抱きしめよう」、「深く潜ったままでいい」と歌っておけば大体OK。とことんソリッド。
 

 それにしても、「深く潜れ」が加速して3拍子から4拍子になるテンポチェンジの盛り上がりは鳥肌モノ。一発が重たいドラムカウントから、イントロの強烈なベースライン、そしてラストのアベフトシの鬼カッティングまでかっこよすぎて息をつく暇もありません。ギラギラした音作りも、ノイズまじりのギターの金属音もいい。
 

 なんといっても、ロンドンのスタジオにてヴィンテージ機材で録音された音質が効いています。音が乾いていて音の粒の輪郭がくっきりしている音質。それゆえにタイトなスネア音と、ベースのアタック音もいいんですが、一番はギターの高音の鳴りですね。倍音を含んだギターのハウりすら乾いているからヒリヒリしていてカッコいいんですよ、このシングルは。というか、こんなにギターがハウってるのはヴィンテージ機材だからなんでしょうか。乾燥しきってキンキンなる金属音が気にいっています。


 余談ですが、「深く潜れ」といえば、漫画「ハチワンダイバー」で頻出する言葉です。右角ヒサシというキャラクターはthee michelle gun elephantの「High time」をキーアイテムとして使用していました。

 
 とにかく、「深く潜れ」が気に入っているシングルでした。痺れまくり。