日本は音がこもる問題。なぜバンドは海外でレコーディングを決行するのか問題。もしくは、なんとなくの知識をすでに過去の記事で書いてしまったいた問題について。
きっかけになったツイッターはこちら。
榎宮祐🎮📖🍿@yuukamiya68何度もブラジルと日本を往復してるけど、やっぱ気のせいじゃないって。日本、音がこもるよ。飛行機で耳をやられるからかなーって思ってたけど、明らかに高音も低音も伸びがない。
2019/06/17 19:02:30
っていう長年の違和感、プロのミュージシャンに思い切って相談したら「それ録音の長年の課題です」言われた。マジか。
正直、この話の現象も理由もよく分からない。分からないので出ていた出ていた意見にすべて目を通してその中から納得できたものを勉強がてらまとめてみる。
※前提。スタジオの環境は空調によってある程度は調整できる
- 日本では木製の楽器はスタジオに持ち込むまえに湿気を帯びる
- さらに建築物や機材なども湿気を保持している
- 日本は温暖多湿のために音が響きにくい
- 日本独自の住環境の違い
- 電圧の問題、電源の品質
- 重力、緯度
- 霊的なもの
なるほど、分かるようでよく分からない。私にはいろいろと知識がなさすぎる。
まあ大体の意見が数値化・パラーメーター化して検証できそうなので、いずれ検証記事が出るまでは「そうかもしれない、よく分からない」で保留しておきます。インターネットは発達しているので問題編があったらいずれ回答編がやってくるのでそれまで口を閉じて待つ。これ、私が10年くらいインターネットで身につけた処世術。まあリアルとオカルトのグレーゾーンに立って考えるのも楽しいといえば楽しいんですけど本当に知識がなくて分からないので。あとブラインドテストしたときに外す予感しかない。
と言いつつなぜ書いているか。この話題に関しては保留するわけにはないんですよ。というのも、私は以前にこのブログで「海外レコーディング」の作品について書いた記事が二つあるんです。もうすでに書いていたんです。口を開いただけではなく書き示していた。
それらが。
・名作シングルシリーズ第一回 NUMBER GIRL「DESTRUCTION BABY」
・名作シングルシリーズ第二回 THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「ゲット・アップ・ルーシー」
意外なことにNUMBER GIRLの記事は問題ありませんでした。今読み返してもレビューそこそこかけています。ただTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの記事は問題があります。もうグレーゾーンにずぶずぶと足を突っ込んでいます。それがこれ。
ロンドンのスタジオにてヴィンテージ機材で録音された音質が効いています。音が乾いていて音の粒の輪郭がくっきりしている音質。それゆえにタイトなスネア音と、ベースのアタック音もいいんですが、一番はギターの高音の鳴りですね。というか、こんなにギターがハウってるのはヴィンテージ機材だからなんでしょうか。乾燥しきってキンキンなる金属音が気にいっています。
と。過去の自分はまさに湿度の問題に言及しているんですよね。
しかしながら、基本的にはヴィンテージ機材を理由にしているのでまだマシだとは思いたいのですが、ぶっちゃけ私はヴィンテージ機材とそれ以外の機材の違いなんて分かりませんし、完全に「なんとなく」で書いていますよねかつての自分は。雰囲気でやってる。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTがレコーディングした当時はスタジオの空調設備が用意されておらず……っても言い訳もできますが当時はそんなことつゆ知らず、「なるほど! 海外レコーディングだとこんなに違うのか!」と一人合点して書いていましたから。ロンドンの気候すらよく知らないのに。
だから開き直って書かせてもらうと、確かに海外(ただし低湿潤気候)レコーディングは録音環境の違いは機材(しかも木製のみ)が主な理由になるだろうが、鑑賞環境では「海外レコーディング」って情報だけで感想に影響するから意味ある……ってことに決めました。こういう話題をすり替えるのはインターネットの処世術ではなくて苦し紛れの逃げの一手。
THE 海外レコーディングの曲たち
そう感じてしまったからにはさらに開き直る。いざというときに開き直れるかどうかが、生と死の境を分けることもある。
「いやー、やっぱり海外で(一曲目はロンドンのトゥーラグスタジオ、二曲目はニューヨーク州のフレドニアの森の中の山小屋改造スタジオで)収録された曲は一味違う。具体的な違いは分からないけど違うんだよなこれが。 バンドが出したい音がビシッと出せているっていうか、そんな感じでね。まあいってみれば人間も大部分は水で出来ているから、それ含めやはり湿度の影響は大きいんだろうね色々と。どこらへんに影響するかはさておき、やっぱり海外レコーディングされた曲ってのはいいものだ。」とかついさっきまでわりと本気で思ってた。
マジな話をすると、バンドマンがなぜ海外レコーディングするのかの答えは、見聞きしたほとんどはスタジオ機材・環境と、あと人でしょうね。
例えば名エンジニアのアスティーヴ・アルビニというオルタナティブロックの権化みたいな人がいまして、彼のエレクトリカル・オーディオ・スタジオで録音するためにART-SCHOOLやMONOやGEZANは渡米していましたし。
もっとも乾燥している印象の曲といえば、個人的にはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「深く潜れ」。潜れって言葉から海をイメージされるけどめちゃくちゃ乾燥していて最高。つまり時代は乾燥で、高音湿潤の夏はほんとやめてほしい。