単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

COALTAR OF THE DEEPERS 25TH ANNIVERSARY "THE VISITORS FROM DEEPSPACE" TOUR @十三246GABU 2019.6.22


 COALTAR OF THE DEEPERS 25TH ANNIVERSARY "THE VISITORS FROM DEEPSPACE" TOUR @十三246GABUを観に行ってきました。バンド名が長ければツアータイトルも長いOF THE DEEPERSの待ちに待った5年ぶりのライブ。(以下、バンド名はdeepersで統一。)

8561


全体的な感想

 THE VISITORS FROM DEEPSPACEの全曲演奏ライブといえば、6年前高円寺HIGHでの「ミソカLiveVol.5」と5年前十三ファンタンゴの「VISITORS Team」以来、計三度目。

 これまでとの違いは、バンドの名付け親でもあるTAKATORIさんがギター参加、代わりにNARASAKIさんがボーカルに専念している点。TAKATORIさんが名曲「My Speedy Sarah」のオリジナルのギターを弾いていたのは初めて知りました。

 deepersの初期メンバー、まずステージでの絵面がかっこいいっていう。NAGASAWAさんのハードコアなルックスと、お馴染みのNARASAKIさん、スーツが似合いそうなNEGISHIさんと優しいお兄ちゃんのKANNOさん、そして今回は中性的なのTAKATORIさん。ぱっと見ではメンバーの統一感がなくて印象はばらばら……なのにステージから届くサウンドはすべての音が渾然一体の轟音シューゲイザーmeetsスラッシュメタルサウンドっていうギャップが最高にかっこいい。

 今回のライブで「THE VISITORS FROM DEEPSPACE」や初期の楽曲を生で聞いてつくづく思ったのは、このアルバムに衝撃を受けて昔も今も類似の音を探し求めたけどやっぱりここにしかないってことですね。アルバムが発売されてから四半世紀経ちそうだけど、マジでこの「音」はdeepersの専売特許。そしてそれが昔も今もジャキジャキとブルータルかつメロディアスで至高の音ってことは変わりません。

 ライブの話へ。

グッときた場面

 一曲目の「when you were mine」からひたすら圧倒。deepersの最後に聞いたライブから数年たって離脱症状でてたし、一曲目の浮遊感あるシューゲイザーサウンド聞いてさっそく体が嬉しがっているのが鳥肌として表れていました。あと音響もよくてギターが爆音かつ轟音、deepersのサウンドメイクはやっぱギターがうるさければうるさいほどグッとくるのですよ。
 
 NEGISHIさん、見た目はノリがいいお兄ちゃんって感じだけど、ギター弾きながらの行動量がすごくて暴れに暴れまわる。一方、TAKATORIさんは会場を煽って優雅にギター弾いていることが多くて二人の対照的なステージパフォーマンスが印象に残っています。

 今さらながら気づいたけれど、deepersの曲ってソロパートが二つあることが多くて、それを二人が交互に弾いていたの聞き応えがありました。「Snow」はそれの最たるもので、NARASAKIさんの歌声がサウンドに埋もれるくらい轟音だったけど、ソロギターパートの響きの美しさはピカイチ。

 MCでも出た話題のコール&レスポンス、「Thrash Up Disturbance #4」や「Summer Days」で会場一体になってみんなでフッフー言うの楽しすぎた。シューゲイザー直径の爆音ギターサウンドブラックメタル的な太いビートで加速している音があって、こちらも音に負けずにフッフー叫ぶのほんと笑顔になれます。

 「Amethyst」もそうだけど、レッツゴーとかも基本絶叫の掛け声だし、アホみたいに盛りあがってそのテンションのままに声出せるのは初期曲のライブならではの魅力でしょう。ほんと楽しい。「Earththing」でサンバホイッスルでピッピッピーって笛を吹くのだって、よく考えればめちゃくちゃ巧妙なアレンジでそれが自然に導入されているのがすごいofthedeepers。

 「The Visitors」も記憶に強く残っています。シャッフルビートにポリリズム的なギターを合わせたり、コード進行しそうになりつつまた別にコードに移行を何度も繰りかえしたりと、流れができそうになっては壊すの連続でなんともいえない感覚がいつ聞いても新鮮。普段の曲がなんだかんだでメロディアスなだけに「The Visitors」の無軌道さは際立ちますし、もうずっとうるさいから聞き入ってしまいます。

 NARASAKIさんのシャウトもキレッキレでグッドしかない。KANNOさんのドラムも「Blink」や「My Speedy Sarah」のアウトロ、怒涛のブラストビートで体中が打楽器になってしまった。サビの高速ハイハット捌きもほんとテクニカル。deepersはギターサウンドが目立つけれど、NEGISHIさんの多彩にうごめいて曲を支えたり煽ったりするベースも、KONNNOさんの超絶ドラムミングがあってこそ。「Earththing 」のベースラインからバッキングリフに雪崩れ込む瞬間とかただただ沸くしかない。

 で、私が一番盛りあがる曲は、The CUREのカバー曲「Killing an Arab」なんですよね。NARASAKIさんがトランペットミスって続けてスローテンポで刻みながら爆音パートに入ったときの瞬間、それからの数十秒は全身の血という血が滾ってテンションが振りきってしまう。これ聞かせるともう終わっても仕方ないと思わせるからずるい曲ですよ。

MC

 MCは、NEGISHIさんの「それなOF THE DEEPERS」が今回の名言でしょう。旧知の仲って感じのやり取りは微笑ましいもので、みんな喋りだして訳分からなくなった瞬間もあったり。

 NEGISHIさん、テンションが上がりすぎて「みんな一緒に言ってくれ……せーの! エンジョイしようぜ!」 ってコール&レスポンスを前振りもなくやりだし、当然会場はレスポンスできずにコールだけになっていたの面白かった。それをTAKATORIさんに突っこまれていたのもまたよくて。とかまあMCでは和気あいあいで、ときにKANNOさんがドラムで次の曲を催促し(NEGISHIさん曰く叩く合間が空くなるほどせかしているらしい)とアットホーム感がありました。

 アンコールではNEGISHIさんがドラム台に座りKANNOさんがベースを持ちだして、NARASAKIさんに「そういうのいいから」とたしなめられる場面も。またTAKATORIさんが髪をほどいて本気モードになって、NARASAKIさんが「じゃあオリジナル曲のばっかやってきたのでカバー曲をやります」から「Killing an Arab」へ。感想はさっきも書いたように、サイコーof the deepers。

おわり

 満足。耳が「今日のライブで栄養摂取できたからあと数年は爆音なしで生きられる」って言ってる。始まりから終わりもよかった。オープニングアクトのKAIMY PLANTSは、アルペジオからシューゲイザーに発展させる曲が多くまた一味違った爆音でよかったし、最後の曲「これからdeepersのために準備運動がてら盛り上げていくんで」からの曲がイカしていました。

 「THE VISITORS FROM DEEPSPACE」はあんまり音楽を聞かない人からすると(というか10年前以上に初めてきいたとき)似たようなリフだから「全部同じ曲じゃん」って思えそうだけど、それぞれ違っていてそれぞれの魅力があるので、このアルバムは過去と未来から切り離されて名盤として深淵にありつづけるわけです。

 それにしてもCOALTAR OF THE DEEPERSは何度もライブに行っているけど、ここまでバッキングリフ(SARAHリフ)メインの曲ばかりで構成されたライブは初めてだったのかもしれない。私はなんといってもこのジャキジャキして重厚でメロディアスで哀愁あるリフで彼らに惚れたので、ライブ終始ずっとジャキジャキしていたから満足ゲージがカンストしました。このライブで聞きたかったのはあの「音」に他なりませんから。AWESOME OF THE DEEPERS。(great……)
 

 セトリお借りします。