単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

十六万五千円で啓発されるような自己などおれたちにはない

上の画像は姉とのLINEのスクショ。

姉が「いつもごめん」と書いている理由は当の姉がよく自己啓発セミナーやスピリチュアル講習会に勧誘されておりそのつどおれが実態を調べているから。

半分は関心で残りの半分は心配でそのような体制が出来上がった。

母親という立場はこの手の勧誘の呼び水になっているようだ。それについては姉の体験談と『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』で痛感した。関西で流行っているのはHAPPY、ブレイクスルー、龍神とかで、いずれにせよ高額なのでおれは「絶対にやめたほうがいい」と返しつづけている。

『「カルト」はすぐ隣に オウムに引き寄せられた若者たち』という本でカルトから身を守るためにどうすればいいのかについて書いてあった。

『第一に、お金の話が出たら要注意です』

そう。結局、金なのだ。金の問題でしかない。撒き餌の初回はさておき、次回は数万円か数十万円になる。もし無料か低額だったならばおれが口を挟むことではない。

姉が勧誘されたことがある自己啓発セミナーやスピリチュアル講習会は初回以降はいずれも高額になっていた。

上記のLINEの画像にある自己啓発セミナーは十六万五千円の講座に繋がるらしい。おれたちには十六万五千円で啓発されるような自己などないのに。

 

とはいえ、これらを金の問題と矮小化してしまうと危険だということを最近になって学んだ。

なにせ上記のLINEの画像にある自己啓発セミナーは講座そのものに他者を勧誘する仕組みがあるらしく(ねずみ講やオンラインサロンにあるような金銭的なインセンティブではなく内発的な)無料だからといって警戒心を緩めると人間関係が消滅する羽目になりかねない。『凪のあすから』に出てきたキャラクターのように。

 

『「カルト」はすぐ隣に オウムに引き寄せられた若者たち』ではカルトへの防衛策として「インターネットの情報を参考にしましょう」と書いてあったがそれはなかなか難しい。この手の高額セミナーはSEO対策がしっかりしているのでGoggleで調べてもヒットしにくい。Yahoo知恵袋やTwitter、主戦場のInstagramでは宣伝活動がされているので、安易に調べても参考になる情報は得難いときている。

 

また同書で、

紀藤弁護士は、最近の日本では、オウムのように一定の規模を持ったカルトが登場しにくくなる一方で、霊能者や占い師と称する人が、個人や家族、あるいはせいぜい二〇~三〇人程度の人をマインド・コントロールし、小集団を作るというケースが増えている、と言います。カルトの小粒化です。中には、一対一の〝一人カルト〟現象も出ています。

とあっておれは母のことを思いだした。

おれの親族には自称霊能者がいる。親族の血縁関係に寄生し主におれの母親から大金を搾取していた。

おれがニ十歳くらいの頃に、母に霊能者のうさん臭さについて熱弁したことがあった。まったく聞き入れてもらえなくておれは諦めた。あれはカルトの小粒化だった。

今の母は伝え聞いたところによるとゲッターズ飯田の占いにハマっているようで、経済的な観点からすればうまい具合に軟着陸したんだなと安心した。本をすべて買い講演会にすべて出席したとしても百万円もかからないだろう。おそらく。

 

で、当の自己啓発セミナーは十数万円もかけて一体何をやっているのかと思えば、教えでいえば認知療法とそう違いはないらしい。ただ、オウム真理教が「悟って」しまった医者や科学者を絡め取ったように、セミナーには「人生が変わる」ようなドラマチックな仕掛けがあるようだ。良くも悪くも。

そればっかりは体験しないと分からないだろうが十六万五千円で啓発されるような自己がおれにはないのでどうでもいい。