甥からの好感度が一定の値を超えると急に甥がおれの価値観に迎合しはじめる現象が発生する。
例えば、GW旅行中おれは甥とホテルの温泉に何度もいって(平均的回数は1日に2回)、おれは暑いのが苦手なので「暑いよー水風呂いってくるー」と頻繁に水風呂でクールダウンしていた。甥に付き合うと一時間はざらなので。すると、二日目くらいから甥も「俺も水風呂好きやねん」と一緒に入ろうとするようになった。が、甥は足までしか入れてなくてどう見ても水風呂を好きそうではなさそう。顔が歪んでいたし。でも「水風呂いいー好きだなー」とおれに合わせようとする。というような現象。これはほんの一例。
好意を持っている相手の価値観に合わせてより好かれようとする心理はそうおかしくない。おかしくないというかむしろ処方術に数えられそう。しかし子どもの露骨で過度なそれは迎合と表現するのが近くなってしまうのだ。
こいつかわいいなーという思ったあと、おれはなんでもかんでも迎合しようとする姿勢に不安を嗅ぎ取ってしまって、なんかこう胸が苦しくなっていた。
考えすぎかもしれない。
それにこういうのって程度問題でもある。過度ではないのなら人間関係を円滑にする挨拶や雑談みたいなものだし、こういうのグルーミングとかスモールトークとかで自己啓発といえそう。おれなんてそういうの苦手としているから甥ができるならよかったって話になる。それなりの程度ならばそうだが。
ただ過度になっていると話は別で、「同じものを好きと主張しないとやっていけない空間に置かれている」と杞憂をしてしまう。「同じものを好きと主張しないとやっていけない環境」もしくは「そうしないと排除される環境」は現実でもインターネット上でも子どもでも大人でも存在し、その洗礼を浴びてしまったのかと。
あと、おれに合わせようとしたらおれという人間の不出来さのせいでシンプルに悪影響になりそうって心配もある。甥1も甥2も「大人になったらお酒飲んでみたい。俺が飲んだらどうなるか」的な発言をしていて、そしてその発言はおれと触れ合う時間が長いときに出てきたときに痛感した。
これは考えすぎではなさそうで隣でおれが酒ばっか飲んでる影響はある。姉家庭がひとり親家族なので身近に大人の男が少ないという要因も無視はできない。
とかいろいろ考えていたがおれの杞憂だったらいいけど。ほんと考えすぎかもしれない。伯父の影響力なんて友だちの一言で吹き飛ぶだろう。おそらく。
でもよくわからない。伯父と甥の物語ってないし。そもそもめちゃくちゃ仲がいい伯父と甥の話すらあんま見かけない。『水は海に向かって流れる』くらいか。『異世界おじさん』もそうかも。伯母と姪ならば『違国日記』という名作があるけど。当ブログでは甥と伯父の物語を募集しています。
で、「甥 伯父 マンガ」で検索したらBLがいっぱいでてきて未知の文化と衝突した。なるほど……! 皆さん知っていましたか?
GW最終日はみんなでサーモンランをやった。
彼、彼女たちのプレイヤーネームが本名なので黒塗り。まだHNを持っていないようで本名が捻りもなく使われているので黒塗りをします。
上の甥と、11月ごろに東京に行く予定ができた。姉にヘビーなお願いがあると頼まれ、おれは姉に経済的恩があるので(米や野菜とか)なるべく断りたくない。最近はよくその甥から進路や将来について相談されるようになり、おれは本を読もうとか筆記力と読解力は日常生活、受験、はては行政支援に至るまで役に立つとかこれがおすすめの本とかのアドバイスはあるにはあるんだけど、おれがそれ言っちゃうと強制力が発生しかねなくて、無理やりだったら本嫌いになったら元も子もないので、情報以外ではせいぜい「こんなおれでもまだ生きてるよ!」って伝えられていない。それすらもおれが自死したら全部パーになって甥の人生に巨大な謎が発生してしまいそう。だからって抑止力ってわけでもなく、いずれ頃合いを見て自死するという思いは実現可能性はさておきそのお守りをポケットに入れてないと明日の朝に靴ひもを結べないし。とはブコウスキー的例え。
『遊体離脱』みたいに『「考えすぎだよ」ってあなたは笑った』のあなたはいないので、書いてあとで読み直して、考えすぎと自分で自分を笑うしかない。
総じて人間関係をサボりすぎたツケが回ってきた。そしてツケはこれだけではないらしいという話。