単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

THE BACK HORN名曲レビュー「閉ざされた世界」


THE BACK HORN全曲レビュー17曲目。 
まだまだですがslow but steadyといった感じでゆったりとやっていきます。

閉ざされた世界。 ====

現段階では、THE BACK HORNの最新シングルの閉ざされた世界。
ということは、つまりは最も新しい彼らが凝縮されている曲です。


で、この凝縮されている、って言葉がこの曲を端的に表していると感じます。
ベースを軸として重心が低い色気のあるサウンドや、
閉ざされた世界をぶち破るためのエネルギーや
耽美であったりスケールの大きな世界観など、
ぱっと聞いてすぐに伝わってくるというよりかは、込められてきるこれらの何かが、
少しずつ身体に浸透しているくような感覚を受けます。もしくは、理解していく感覚。
それこそじんわり、と。 




まあひと言でいうなら、渋いですかね。
映画のタイアップ曲ながらも、分かりやすいキャッチャーさはなくて、
でも、この熟成していてじわじわ浸れるのがひとつの魅力でしょうね。


それと同時に、イメージが想起しやすい歌詞は、
やや抽象的だから、それぞれが個人の物語を感じたりと
聴き手をどこか深いところに誘ってくれるような詞ですね。 
で、それと同時に「羽撃たけよ」「飛び立てよ」と
閉じた世界からの解放も歌うといったテーマを感じます。


真実は心にあるから
燃え上がる世界地図
堕天使が描き出した新世紀
聖者の祈りは掠れて消えてゆく



この曲が面白いのは、
楽曲自体いってみれば中二病的世界観を内包していて
それは、むしろ視聴者を閉じ込めるものだと思うのですが、
テーマとしてはあくまで閉塞感からの脱出なんですよね。
閉じ込める楽曲が羽ばたけを歌っている、という構造でして。
ここらへんのギャップが面白いなーと。
意図して作られたかは分かりませんが。


赤く濡れた指先でサイは振られ
宇宙(ソラ)へ落ちてゆく 深く深く
二度と帰れない闇の彼方へ

渋い、と書きましたがようは一筋縄ではいかないのです。
当然ながら、聞いている人の数だけ解釈があると思いますが、
この楽曲はそれのふり幅がいっそうのこと大きそうです。
それだけ込められているものがあるということですかね。




それと、「どうやって閉ざされた世界から抜け出すの」という疑問に、
最後まで世界を見つめ続けてゆく
ひたすら立ち向かうことを解答にしたのは個人的に大好きです。

さらには、信じるだけの勇気疑うだけの知性をもって、とあり
以前の彼らには予想できない、示唆のあるメッセージですね。