単行のカナリア

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THE BACK HORN全曲レビュー番外編 宇多田ヒカル feat 山田将司 「One Night Magic」


 THE BACK HORNのボーカル「山田将司」と、平成の歌姫「宇多田ヒカル」が夢の競演を果たした「One Night Magicのレビュー。


 アルバム「ULTRA BLUE」収録。

ULTRA BLUE
ULTRA BLUE

 直訳すると、一夜限りの魔法。タイトルのイメージ通りに、キラキラした打ち込みを主体とするサウンドは、真夜中のダンスフロアのようにしっとりとした雰囲気が漂っていて、大人びたダンサンブルなナンバーになっています。ダンスフロアに訪れたことはありませんが、そんなイメージが浮かぶ音色を持ったサウンドです。

 控えなサウンドによって引き立つのが、宇多田ヒカルの切なげなボーカル、そして山田将司の甘いボーカル。声質が異なる両者のボーカルが対照的で、聞きごたえのある掛け合いとなっています。後半の山田将司の声を張り上げるコーラスにはグッとくるものがありました。存在感はばっちしです。




 この楽曲のレコーディングにはある逸話がありまして、それは山田将司の声量が大きすぎて、マイクの音が割れて何度か取り直したそうです。あまりの声の大きさに収録現場にいた人たちがビックリしたとか。楽曲では、その山田将司の歌声はあくまで宇多田ヒカルを盛り上げるコーラスとなっていて、「一夜限りの」特別感を盛り上げているように感じました。


人生短い 色とりどりの生物の舞い 

大事にしなよ いつも側にいる人


 一夜限りの魔法。例え魔法が叶っても、それはすぐに解けてしまうもので、あまりにも儚い願い。だからこそ、そのときを大事にしようというわけで、その楽しい一夜が有難いからこそ今度は日々を愛しく思えるようになる。テーマとしてはシンプルながらもグッとくるものがあります。それに一夜、一年、一生とスケールを変えて眺めれば、私たちの人生そのものが魔法のような儚い人生だと言うことができます。


 さらに、この楽曲は宇多田ヒカル山田将司のコラボレーションそのものが「一夜漬けのマジック」なんですよね。題材の裏にあるアーティストの出会いがそれこそ貴重なもので、それゆえに詞の説得力がより一層感じることができる。これは上手いテーマを選んだなと思います。デュエットとしても良い感じです。





 オススメ!ってほどではありませんが機会があったら是非。このコラボ曲を聴いて、THE BACK HORNのボーカルとしての山田将司は文句なしで素晴らしいですが、歌手としての山田将司も面白いことになるんじゃないかと思いましたね。