単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

学生時代に使ってたあんまりカッコよくないウォークマンの話


 このツイートを見かけて、僕が10年以上前に使用していたオーディオプレイヤーのことを思いだした。
 
 自分が使用していたの下のやつ。2007年発売の、SONY ウォークマン NW-S706F BM。もう使うことはないけれど捨てることはできない。2015年の身辺整理のときにも捨てようとは思わなかった。数か所のボタンが破損しており、新しいオーディオプレイヤーを購入してからは使用していないが、その役目が終わったあとは今もずっと引き出しの中で眠っている。
  
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 で、この商品について大分前くらいにレビューを書いたことがあった。いい機会なので公開する。今と変わらず稚拙な文章だし、内容の妥当性にも疑問符がつく。音質の良し悪しが僕に分かるわけがないのにi-podと比べて語っちゃってるし。好きなものを褒めるために適当に他のものを貶めないようにしたほうがいい、と過去の自分で言いたい。

かれこれ2、3年間の間毎日のように使用しています。そしてこれからもずっと使い続けるでしょう。棺桶に入れて欲しいくらい愛用しています。

今ではノイズキャンセラーは色んな種類についてるようですが、買った当時はSシリーズのコレが最先端でした。実際にノイズキャンセラーを使用してみてその効果に感動したのを覚えています。イヤフォンと合体型のノイズキャンセラーとは一段階違った遮音性です。あまりにイヤフォンの使い方が悪くて、一年くらいして断然して使えなくなりましたが、付属のイヤフォンは中々いいものでした。

このオーディオプレイヤーがしばらく使用すると何かの不具合で、音が途切れるというソニー側がネットでも公表したミスがありました。これは決して許される事でなく、この時点で手放した人もいるでしょう。でもソニーの対応は早く、無料で修理して貰えた(当然か)ので不満はあまり残りませんでした。勿論データもそのままで。

この製品の特徴は何よりスタミナだと思いますね。一時間の充電で五十時間持つスタミナは、長年使用した今でも健在です。本当に便利。
音質もi-pod(当時では)より遥かによくて、イコライザで出したい音域をかなり選べます。もちろん低音もよく出ます。音楽を聞くことを追求した素晴らしいオーディオプレイヤーです。

細かい所だと、シャフルの種類も時代で分けるなどユニークなものや、タイマー代わりに出来るのもあります。これが以外と重宝しました。ラジオも聞けます。感度も不満はないです。

ただ様々なアーティストを入れすぎると(オムニバスなど)探し出すのに少し苦労します。これが唯一の欠点ですね。特にヒップホップを聞く人は、相当かさばると思います。私は、ロックを中心聞くのでその点に不満は抱きませんでした。

携帯とオーディオプレイヤーは時代とともに急速に進化していき、古いものはどんどん廃れていきます。最近では一つの製品に機能をたくさん付ける風潮はかなり蔓延しています。この製品は音楽を手軽に聞きたいという欲求に全力で答えてくれた名品でした。

音楽を聞くために最低限の機能と高い能力を兼ね備えた素晴らしい作品です。これからもよろしくお願いします。
 
 購入した頃、ノイズキャンセラー搭載のDAP(デジタルオーディオプレイヤー)が登場したばかりで、確かこの商品がその先駆けだった。当時、僕は家にいても外にいても騒音に悩まされていて、オーディオプレイヤーに新しく搭載されたノイズキャンセラーにはずいぶんと助けられたことを覚えている。

 日常生活における騒音のほとんどをノイズキャンセラーつけてシューゲイザーを爆音を聞いていれば防ぐことができるから、とくに人の声が自分への批判に聞こえる精神状態のときはとても役に立ってくれた。どこでも音楽を聞けることよりも、どこでも音楽以外を聞かなくて済むことが、当時の僕には大事なことだったから。

 僕が使っていたこのDAPは、お世辞にも上記のツイートにあるようなカッコいいとはいえない。フォルムはずんぐりむっくりしているし、なんといってもアレに似ている。たまに部屋に片隅に落としてしまったときは黒光りするこれがゴキブリに見えたこともあったほどだ。それで「これでCOCK ROACHを聞くのは最高にいいな」とか思っていた。またゴキブリっぽいと感じるのは見た目だけではなくて、また、充電の持ちの良さ、不注意による落下でも故障しなかった耐久性もその理由だ。

 そのせいか、僕はこいつをどこかペットのようにすら感じいて、並々ならぬ愛着を持っていた。会話する友人もペットもおらず、楽しむために苦しまないために音楽を常に必要としていた生活を支えてくれたものとなれば、そう感じるのも仕方のないことでしょう? どこに行くにも鞄に入れて持ち歩いたものだった。そして耳にしたくない雑音を音楽で上書きして自分のなかに引きこもっていた。

 ほんと、懐かしいなあ。このデジタルオーディオプレイヤーで「虫の夢死と無死の虫」を聞いて、宇宙の広さを知って自分の悩みがちっぽけに感じて安らぐっていうアレを、音楽を聞いて体験していたこともあった。素面でベッドに寝転がって部屋を暗くして音量を大きくしてひたすら聞いていたなあ。

 発売されてから10年経ってもDAPはその要求されている機能ゆえに大きな変化はないけれど、100年後くらいには、このDAPが自我機構を持ち手足が生えて、自己生殖の機能をもって街中の路地裏に這えずりまわるようになり、そいつらは自分と似た形状の過去のDAPから勝手に情報を習得して音楽を垂れ流すようになり(何の為かは分からないほうがロマンがあっていいと思う)、たまたま僕が愛用していたDAPがその標的になって受け継がれて、誰かがブリーディングジェインを飲みすぎて酔っ払って迷い込んだ路地でたまたま耳に流れてきた旋律がCOCK ROACHの曲だったら素敵だなとか考えていた。