単行のカナリア

スプラトゥーン3のサーモンラン全ステージ野良カンスト勢です!

自己責任論消除のお守り

私が自己責任論の呪いで殺されなかったのがただ運がよかっただけと思います。

詳しく書けば中学生三年生の頃にSyrup16g『末期症状』の「ちゃんとやんなきゃって素敵な未来なんてものは初めからねえだろ」というお守りを手にしたおかげです。それで二十歳以前に次々と降りかかってきた自己責任の呪いで殺されることはありませんでした。それ以降も依然として呪いはやってきますが、今では跳ね除けるための術をいくつも知っているのでそう怖くはありません。 

私の周りのあたら若いひとたちが呪いで苦しんでいる様を見たくはありません。しかし 抵抗するためのお守りは人から手渡しては効果がありません。それどころか、人が押し付けてしまえば、それがたとえ善意で手に握らせたとも、お守りは宿命論という別種の呪いに転じてしまいます。それもまたあなたを苦しめるでしょう。

難しいのは、そのお守りがあなたに必要と教えることですらも時には呪いになりかねないことです。また、学校で手にすることはできず、学校に行けないような人にこそ必要になるのもまた難しいです。

中にはお守りの形をしたお守りでないものもあります。それをお守りと信じ込むことでお守りになることもあります。ただ私は数珠やエスパーシール、一回数万円のセッションはそうならないと個人的に思います。

あなたにそんなものは必要ないかもしれません。むしろ自己責任論が呪いではなくモチベーションの源になることもありえます。おそらくきっとそれが一番いいことかもしれません。

いまのあなたには自己責任という概念がいまはどうしようもない壁のように思えるかもしれません。私が自己責任を「近代社会において円滑に運用するために意志とともに要請され措定された恣意的な外部」を平易に説明を試みたところで腑に落ちないどころか、私は説明が下手なので理解すらも難しいでしょう。私も実はよく分かっていません。

ただそのような考え方もあり、それこそがお守り強さランキング一位になると実感しています。「そもそも因果論というのは」と弁を振るえるようになれば怖いものは少なくなります。なくすことはできませんが。

もしいつか正面から取り組みたくなったときは國分功一郎の『中動態の世界 意志と責任の考古学』と小坂井敏晶の『責任という虚構』の本がオススメできます。

あなたが生まれたのはあなたのせいではありません。「あなたを選んで生まれてきたよ」と唱えないと明日を迎えられない人々も同じです。

その前提をポケットからいつでも取り出せるようになってあなたがあなたなりに頑張れることができたり頑張らないことを選んだりできればいいなと私は思います。